フランス組曲は前半3曲が短調で、後半3曲が長調。
短調の3曲はやはりもの悲しげでシリアスな雰囲気がある。
4番に入るとパッと世界が開けたような雰囲気。出だしのアルマンドはこんな調子。
地面からムクムクと生命のオーラが湧き上がってくるような感じがする。
次のクラント。最初の2音がアルマンドと同じで、明確に音楽を継承しているが、さらにくだけてリラックスする。
上がタララタララと3連符、下がタッカタッカというリズムであるが、たまたま池辺晋一郎「バッハの音符たち」という本を読んでいたら、同じリズムが出てきた。
これはカンタータ《心と口と行いと生活て》BWV147にある超有名コラールである。
快活なクラントと心洗われるコラールを同じリズムで作ってしまう、というバッハの偉大を図らずも認識してしまった。
なお、ここで池辺先生が指摘されているのは、上のタララはラは一拍の1/3、下のタッカのカは1/4であるから譜面通りだと音がずれることになるが、上の3連符に合わせて演奏するのがふつうということ。
まともに譜面も読めないから、そんなことを意識したこともなかった。
ついでにこの本を読んで驚いたのは池辺先生の多作ぶり。
手がけた演劇は約350本。実は演劇の音楽といってもピンと来ない。まさか「エグモント」に対抗できるような重量級ではないと思うがかなりの数だ。
(本書の執筆は2000年頃だから現在はさらに増えているはず)
さらに大河ドラマの「元禄繚乱」では1年50回で600から700曲書いたそう。もし1曲を1番とすると、これだけでモーツァルトを上回る。
もっともモーツァルトだって「ドン・ジョバンニ」全曲で1番だから、これは比較になっていないが。
(そもそもこの話は、音楽作品の数え方は難しい、という文脈で出てきたのでした。)
それにしてもこれだけたくさん作曲して、素人向けの本も書いて、さらにテレビに出たりしているからスゴイ。
外見もどっしりしているからカツラでもつければまさに現代のバッハ。
本書ではフランス組曲もとりあげられている。
全24章のうちの第23章。内容はフランス組曲はイギリス組曲に比べ優美でおしゃれ、という程度で大先生にしては面白くない。
おまけに両組曲全曲の楽章構成まで示していて、ページかせぎの感ありあり。(一曲につき2行ずつ使えるから、これだけで1ページ半かせいだ。)
現代のバッハといえども連載の終了近くでネタが尽きたようで、かえって人間性を感じさせてくれます。
さて、本題のグールドの演奏であるが、心惹かれるのは組曲全体を通したつながりである。
この曲はアルマンド―クラント―サラバンド―ガボット―メヌエット―エール―ジグという並びがふつうらしいが、グールドはサラバンド―メヌエット―ガボット―エール―ジグの順番で弾いている。
時計じかけのような3拍子のサラバンド、メヌエットの次に2拍子系のガボットでちょっと動きが出てくる。
エールに入るとますますモメントが高まり、最高潮で弾けるジグに飛び込んでいく。
そこがすばらしく爽快で、思わず手を叩いたり足踏みしたりしてしまうのは私だけだろうか。
短調の3曲はやはりもの悲しげでシリアスな雰囲気がある。
4番に入るとパッと世界が開けたような雰囲気。出だしのアルマンドはこんな調子。
地面からムクムクと生命のオーラが湧き上がってくるような感じがする。
次のクラント。最初の2音がアルマンドと同じで、明確に音楽を継承しているが、さらにくだけてリラックスする。
上がタララタララと3連符、下がタッカタッカというリズムであるが、たまたま池辺晋一郎「バッハの音符たち」という本を読んでいたら、同じリズムが出てきた。
これはカンタータ《心と口と行いと生活て》BWV147にある超有名コラールである。
快活なクラントと心洗われるコラールを同じリズムで作ってしまう、というバッハの偉大を図らずも認識してしまった。
なお、ここで池辺先生が指摘されているのは、上のタララはラは一拍の1/3、下のタッカのカは1/4であるから譜面通りだと音がずれることになるが、上の3連符に合わせて演奏するのがふつうということ。
まともに譜面も読めないから、そんなことを意識したこともなかった。
ついでにこの本を読んで驚いたのは池辺先生の多作ぶり。
手がけた演劇は約350本。実は演劇の音楽といってもピンと来ない。まさか「エグモント」に対抗できるような重量級ではないと思うがかなりの数だ。
(本書の執筆は2000年頃だから現在はさらに増えているはず)
さらに大河ドラマの「元禄繚乱」では1年50回で600から700曲書いたそう。もし1曲を1番とすると、これだけでモーツァルトを上回る。
もっともモーツァルトだって「ドン・ジョバンニ」全曲で1番だから、これは比較になっていないが。
(そもそもこの話は、音楽作品の数え方は難しい、という文脈で出てきたのでした。)
それにしてもこれだけたくさん作曲して、素人向けの本も書いて、さらにテレビに出たりしているからスゴイ。
外見もどっしりしているからカツラでもつければまさに現代のバッハ。
本書ではフランス組曲もとりあげられている。
全24章のうちの第23章。内容はフランス組曲はイギリス組曲に比べ優美でおしゃれ、という程度で大先生にしては面白くない。
おまけに両組曲全曲の楽章構成まで示していて、ページかせぎの感ありあり。(一曲につき2行ずつ使えるから、これだけで1ページ半かせいだ。)
現代のバッハといえども連載の終了近くでネタが尽きたようで、かえって人間性を感じさせてくれます。
さて、本題のグールドの演奏であるが、心惹かれるのは組曲全体を通したつながりである。
この曲はアルマンド―クラント―サラバンド―ガボット―メヌエット―エール―ジグという並びがふつうらしいが、グールドはサラバンド―メヌエット―ガボット―エール―ジグの順番で弾いている。
時計じかけのような3拍子のサラバンド、メヌエットの次に2拍子系のガボットでちょっと動きが出てくる。
エールに入るとますますモメントが高まり、最高潮で弾けるジグに飛び込んでいく。
そこがすばらしく爽快で、思わず手を叩いたり足踏みしたりしてしまうのは私だけだろうか。