蕨山(1,044m) (つづき)
最後に少し急な坂を登って頂上に着きました。しかし、この場所は本当の頂上ではありません。蕨山には、最高点(1,044m)のほかに通称”展望台”とよばれるピーク(1,033m)があります。今立っているのは展望台の方で、本当の頂上には10分か15分もあれば着きそうな感じでしたが、とても寒くて歩くのはもう十分、へとへとでした。
「蕨山 1,033m」の標識が立っていて、1,044を1,033に書き換えた跡が薄っすら残っていました。
”展望台”といっても、周りは樹林帯で360度開けているわけではなかったですが、武甲山や武川岳がよく見えました。2つの山は、武甲山が尖がっていて、武川岳はなだらかで、とても対照的です。空は澄み切っていて、しかしところどころ霞んでいる方角がありました。日光の男体山は見えるのに筑波山は見えませんでした。
風が強くてじっくり滞在しようという雰囲気ではなく、昼食のおにぎりを食べた後すぐ退散しました。蕨山へは、さわらびの湯からのルートのほか、名郷バス停へのルートもあります。距離は名郷バス停へ下る方が短くて楽そうですが、計画通りさわらびの湯へ戻りました。
冬の山は、どこにどんな風に残雪があるか分からないので、よほど歩き慣れた山以外、登った道をそのまま引き返すのが安心です。
早くも、「日帰り温泉 名栗 さわらびの湯 ➡」の看板があります。しかし温泉まではあと2時間以上はかかります。
地面がところどころ見えている、微妙な残雪に微妙な角度の傾斜で、今日はここだけアイゼンを使いました。時間にして5分もない程度ですが、アイゼンを持ってきて良かったと思いました。
だいぶん下ってきました。「見晴らし」と呼ばれる場所ですが、樹が育ってきて眺望はありません。
歩き終わると、バスの時間など気にせずすぐ温泉につかれるのは、今日のコースのとてもいいところです。さわらびの湯は飯能市営の温泉で、入口の柱には黄色の布のてるてる坊主がかけられています。大きな内湯とそれより小さなサイズの露天風呂が1つずつあります。やや熱めのお湯で、芯から冷え切った身体にはとても有難いです。Phは9.1とアルカリ性で、かたい感触の浴感だと分かりました。しかし、循環装置のせいか、温泉がくたびれている感じがしたのは気のせいでしょうか。
お土産コーナーは充実していましたが、中にレストランはありませんでした。中には7段の雛飾りが2組もあって立派でした。
営業は朝10時から午後6時までとのことで、終わりが早いです。
距離は往復で13km少し、2月にしてはよく歩いた一日でした。とても寒い一日でしたが、出かけてよかったです。急坂が少なくて、ところどころ眺望も開けて、適度にまとまった長さの尾根歩きが楽しめる、貴重な山だと思いました。
(登頂:2017年2月中旬)