心が満ちる山歩き

美しい自然と、山に登れる健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山・街歩き・温泉・クラシック音楽‥‥

早池峰山(2) 雨時々雲海、少しの青空

2017年02月07日 | 東北の山


早池峰山(1,917m) (つづき)

 雨が降ると分かっていて、山に登るのは久しぶりでした。普段は、少しでも雨が降りそうだと出かけません。
 樹林帯を出ると、途端に強風が出てきました。雨のおかげで足場は滑りやすくなっています。のんびりと折りたたみ傘など差して歩いていたのが、一気に役に立たなくなりました。


 最近、レインウェアは寒い時の合羽代わりでしたが、本当の性能を確かめるいい機会になりました。メガネに水滴が付くのは気になっても、身体はまったく濡れた感じがしないのだから大したものです。

 今日はずっと雨雲の中を登るのかと思っていたら、途端に視界が広がり、さっと眼下に雲海が広がったのです。
 天気の悪い日でも、こんな景色が見られるのかと思いました。
 この場所では、1分前までは何も見えなかったのに、凄い変化です。そして7分ほど経つと、元に戻ってしまいました。
 写真だけ見ていても、とても信じられないようなことが、山の上では本当に起こります。


 頂上は、ゴロゴロと岩が集まった場所でした。観音様が祀られ、奉納された剣が、何本も刺さっています。早池峰山を形作るのは蛇紋岩で、滑りやすく登りにくい岩です。しかし、この岩がハヤチネウスキユソウを代表する、高山植物の宝庫を生み出しているのです。
 今度は青空を眺めることができました。ぽっかりと、なだらかな山の姿のように青空が広がりました。
 早池峰山の上空は、今日は少しの時間もじっとしていられなかったようです。
 眼下の山並みが雲と一体になっていくようでした。


 百名山76座目、思い出すとそのうち雨が本降りだったのが4座あります。
 仙丈ヶ岳は、雨と激しい風の中登るのが大変でした。しかし翌日は一転快晴で、素晴らしい御来光を目の当たりにしました。
 鹿島槍ヶ岳は、登りの日も下りの日も両方雨でした。遠くの山が見えたのは、時間にして30分もなかったと思いますが、それだけで心の底から感動しました。
 早池峰山では、雨の日にしか見られない景色、不思議な眺望がたくさん見られました。
 水晶岳は雨で残念でした。残念というか、山で悔しい雨だと思ったのはこの時だけです。今度こそ晴天の中登ってみたい!それ以外に山の印象はありません。覚えているのは山小屋のシチューがおいしかったことです。

 
 雨が降っても、引き返さずに頂上まで登ってよかったと思った一日でした。

 (登頂:2016年7月初旬)



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