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『フローと再帰性の社会学 -記号と空間の経済』を読んで、センシング技術でローカルなフローと再帰性からと考える

2020-08-13 12:22:25 | 暮らし・街・環境

『フローと再帰性の社会学 -記号と空間の経済』
スコット・ラッシュ、ジョン・アーリ 邦訳 2018年

1994年に原著がかかれ、2012年から日本語訳が取り組まれ、2018年に出版された著作です。
近代から後期近代の「構造的分化と機能的統合を前提とした組織化資本主義が、「コミュニケーション・貨幣・資本投資からなるフローとネットワーク」により、経済の脱組織化が進められ、主体の経験やアイデンティティに変化をもたらしている。」今を、流動するモノと人と情報のフローのを語る主体が、組織から個人へと変ってきた様がよく解ります。
個人から折り返す知識・情報・イメージを介した新たな資本蓄積の在り方は、集合的再帰性・実践的再帰性・言説的再帰性と、三つに分けられています。
情報コミュニケーションにより、行為を構造から分離し、構造に対してエージェントの力を増大させた再帰的近代化は、模倣的再帰性・美的再帰性・そして実践の中で生じる意味や慣習を媒体とする解釈学的再帰性に表現される。
行為に先立っての思考が組み立てるデカルト的な社会ではなく、思考より行動や表現が先行している他者との相互反映的なコミュニケーション行為の結果として、フッサールの現象学的再帰性による社会です。
理性により意識された外在的分化が、モノの拡大と画一性、期待や不安の数量化・通貨換算によって統一されるものではな、内在的分化:ブランド・イメージ・ネットワークの支配原理と合体した非線形の自己組織的
な差異の凝縮すら、希少性として交換価値へと数量化され空白化され出口へと、向かいかけていそうな処で、1994年は、終わっています。

今、この再帰的蓄積:知識・情報・イメージを介した新たな資本蓄積が、AI/ロボティックスの組織化資本主義に上積みされています。グローバルな人・物・情報のフローを早める集合的再帰性・言説的再帰性とが膨張する中で、個人起点の脳・心身・環境に渡るセンシング・ネットワークが、ローカルな集団・企業・地方政府の実践的再帰性を高める必要があります。

他者との相互反映的なコミュニケーション行為の意識化としての思考、環境から心身のニューラルネットワーに偏在する現象学的再帰性の凝縮が、個人間・組織間・地域間で差異を創発し続ける原動力です。

今、データ社会へといわれながら、既存の組織化資本主義の焦点と基準で計測・集計・解釈され、マス・ショーシャルメディアから都市構造、専門化の組織構造、、、など、それぞれの立場による表明が、比較・有線順序付けも出来ない自己規制・自縛社会に入っています。

このコロナ禍が、モビリティは減速しても、センシング・通信・情報処理速度の革新が加速されるこの時期に、ローカルな心身データの社会利用を可能にする基準と基盤と利用方法・手段の確立をする時期ではないかと、考えます。

次の図書は、『モノの意味』

そして、『抽象の力』へ。

美的再帰性の意識化の難しさへ、挑戦。


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