わたしんちの医学革命と雑多な情報

「医学革命」とは薬からの解放への「個人の気づき」の事である。雑多な情報も「取捨選択」&「鵜呑み厳禁」はセルフサービスにて

ワクチンの祖と思われたジェンナーの真相

2011年10月05日 | 医学と健康

ワクチンは不自然免疫をつくる;

こういうと「天然痘撲滅」と言われるでしょうね。

 

しかし、長いスパンの統計をみると自然におさまったというほうが。

種痘がすべてを解決したというのは思い込みだったというのは前に紹介しましたが。

今回は別の視点からジェンナーの虚構を

誤読ありますが  音声読み上げはこちらワクチン・ジェンナーの真実

 

以下引用記事ーーーーーーーーーーーーーーー

TITLE:がん治療と免疫 - livedoor Blog
URL:http://ank-therapy.net/?p=325

ワクチン(1) ジェンナー

2008.11.29.


がんワクチンの報道が盛んに行われています。それだけ、免疫への関心が高まったということなのですが、がんワクチンというもの、実は、過去から、沢山のプロジェクトが組まれ、結果的には、惨敗に近いのです。 同じことをやっても駄目だと考えます。 でも、繰り返すんですね、、、  たとえば、上皮組織に直接塗布するタイプ、実際、子宮頚部に直接塗布するパピローマワクチンは、うまく効果をあげるようです。 この発明の立役者が、今年、ノーベル賞を受賞していました。 もっともこれ、がんワクチンと呼んでるのは、明らかな間違いです。 パピローマウィルスに対するワクチンです。 パピローマウィルスが数年間感染し続けると、子宮頸がんになる確率が上がります。 
そのウィルスを叩くものです。ところが、このワクチン、なぜか、注射タイプで承認を取得しています。普及させるのに、局部塗布は現実的ではない、ということでしょうが、本来の使い方はずれています。  

ワクチンを考える際、注射という投与経路が間違っている、
と、私は考えております。 ワクチンを注射するのは、自然の摂理に
反する、と。 (注射を邪悪視する宗教があるのですが、私の場合、別に、
信仰上の問題ではありませんので、誤解なく)
感染が成立する現場、多く感染症の場合は、粘膜、あくまで
実際の感染経路の現場に直接投与する、それが筋だと考えます。
鼻の粘膜に感染するウィルスを防ぐのに、なんで、わざわざ皮下注射を
打つのか、私には、意味が分からないのです。 

これは、また別の機会に。


そもそも、がんというのは、元々、体内の正常細胞が変化したものなのですから、正常細胞との差異は僅かです。 細胞を構成する物質は、「同じ」です。
使われている物質の量の比率が異なるだけです。 厳密にいうと、ちょっと違うかも、、、 そこに懸けて、様々な研究がなされるのですが、明確な差異はないのです。  

ワクチンという考え方をがん治療に持ち込むこと自体、無理があるのです。
(何事にも、例外はあります。パピローマワクチンのように。)


さて、そのワクチンですが。
なんといっても、ジェンナーさんの種痘が、貢献大でしょう。
1796年、種痘の発明!! となっていますね。(本当は、牛痘を開発したのであって、種痘はジェンナー氏の牛痘から50年後に開発された別物なのですが、昔は、ジェンナーの種痘と紹介されていました)
18世紀の終わりのことです。
その前からの歴史があるのですが、
現代に直結するインパクトとしては、
やはりジェンナーさんの
種痘(牛痘)でしょう。

では、ジェンナーさん、何をやったのでしょうか。
牛痘という牛の病気に感染した子供は、人間が罹る天然痘には
罹らない、という現象は知られていました。
ジェンナーさんの村でも、乳搾りの少女が時々、牛痘を発症するのですが、
天然痘には罹り難かったようです。  ならば、と。

ジェンナーさん、いきなり牛痘を発症した少女の腕の膿をメスに塗り、
それを別の男の子(自分の子供ではありません、よその子供)の腕に
塗りたくって、切り刻んだのです。 泣いたでしょうね、、、、多分、、、
その男の子は、牛痘を発症し、苦しんだそうですが、無事、回復した
そうです。  この男の子が、天然痘にかからないことを証明するには、
長い年月が必要です。 それを待つのではなく、ジェンナーさん、まず、天然痘の患者の膿をこの男の子に切り込み、天然痘を発症しないことを確認します。さらに、
村の子供を集め、種痘を実施するグループと、しないグループ、二つに
分けました。 種痘を実施する方に、自分の子供を入れたので、「自分の
子供を実験台にしてまで、種痘を開発した、すごい」という美談になったの
ですが、ほんとの実験は、よその子供で済ませて、助かる確率が高い
と考えられるほうに、自分の子供を入れているのですね。

結果、種痘を打った(切り刻んだ?)グループの子供は、20歳になるまで、
一人も天然痘に罹らず、打たなかったグループは、半分が天然痘に
かかりました。 凄いエビデンス、ですね、一見。  かくして、種痘は
世界に広がっていくのです。 
(実は、大ドンデン返しがあったのですが、それは最後に。)

どうやって、世界に広げたか。 牛から直接、牛痘ウィルスを取るのではなく、
一旦、人間の体内で増殖したウィルスを使うのがミソです。 そこで、なんと。
人間の子供にウィルスを感染させ、その子供達の体を使ってを世界中に
ウィルスを運んだのです。  ううん、そこまでやるか、、、 それだけ、
天然痘が、恐怖の的になっていた、ということでしょう。 
日本も、このウィルスを、子供の体を介してヨーロッパから「輸入」し、
種痘を実施しています。


天然痘撲滅運動に使われたワクチンは、牛の成体にワクチニアウィルスというウィルスを感染させ、無茶苦茶になった皮膚をはぎとってエキスを抽出するというやり方でつくられました。 これは19世紀半ばに開発された手法ですが、その後に開発された、ニワトリの卵を使う方法や、培養細胞を使ってウィルスを増やす方法では、効果が弱く、古典的な成体を使う方法で作られたワクチンが使用されたのです。  これは重要なポイントです。  免疫系が機能している成体の中で増殖したウィルスを使うと、強いワクチンがつくられ、生きているとはいえ、免疫系の活動は限定されるニワトリの受精卵や、培養細胞を使うと、どうしても弱いウィルスになり、弱いウィルスはワクチンとしての効果も弱いのです。
(だから、安全、という風に考えられるのですが)

天然痘撲滅運動は、人類の輝かしい勝利と言われています。
確かに、これ以外、特定の疫病で撲滅できたものは、一つもありません。

もっとも、天然痘は特殊です。 痘瘡ウィルスの感染によって発症するのですが、この痘瘡ウィルス、ヒトをホスト(宿主)とするウィルスです。 
他の動物の体内では、安定に存在し続けることはできないので、
感染者を隔離すれば、根絶することも可能なのです。
ワクチンによって撲滅された、というのは、天然痘撲滅プログラムの
総合的な効果の中で、ある特定部分だけに目を奪われている見方であって、実際には、隔離策の効果が大きかった、という意見もあります。

ウィルスだって、感染した相手を次々に殺したのでは、自分も絶滅します。
本来の感染相手(=ホスト)には、そう、無茶なことはしません。
痘瘡ウィルスは、ヒトをホストという割りには、ヒトに無茶なことをしますが?
一般には、たまたま、ウィルスが、ホスト以外の他の種に感染したときに、
大きな災いをもたらすのです。
インフルエンザウィルスは、野生のカモをホストにします。
カモを「撲滅」しない限り、インフルエンザウィルス根絶は不可能なのです。
もちろん、カモを全て鍋にすることなどできませんし、やるべきではありません。
ということは、インフルエンザウィルスがこの世から消えることはないのです、
カモが飛んでる限りは。 

どうしても、病気という現象があって、その原因を探るというパターンで、
病原菌、病原ウィルスをみつけた、という経緯を経ますので、菌やウィルスは
病気の源のように考えられます。 実際には、私達は数十兆個の菌体と共生
しているのであり、菌なくして、一人の人間という体は成立しない、生きていけ
ないのです。 ウィルスもまた、ヒトウィルスというのは、ヒトの遺伝子を交換
する効果があり、ヒトの細胞の一部が飛び出すことから生まれた、という
考え方があります。 多分、そうだろう、と、私も考えております。
実際、トランスポゾンという、遺伝子を運ぶウィルスみたいな遺伝子があり
ますし、遺伝子を調べていると、ウィルスのような構造が沢山
みつかるのです。 どんなに沢山、ウィルスがあっても、病気とか、何か
症状を表さないと、なかなか発見されません。 ヒトをホストとするウィルスは
なかなか見つからないのです。


ところで。
大きなミッシングリングがあります。
まず、ジェンナーさんが使ったのは、牛痘ウィルスなのでしょう、おそらく。
このウィルス、牛をホストにするのではなく、野ネズミ辺りが怪しい
ようですが、牛は、他の動物をホストにするウィルスに、たまたま感染して
しまい、酷い症状になってしまうようです。 牛痘ウィルスのホストは
まだ見つかっていないようです。 ホストとなる動物は、ウィルスが
体内にいても平気な顔をしているはずなので、なかなか見つからないのです。
ですが、ともかく、牛痘ウィルスは自然界に存在します。

問題は、天然痘撲滅運動に使われたワクチニアウィルス。
これ、今でこそ、世界中の研究室で、種株を保管しておりますが、
自然界にはみつからないのです。
天然痘を起こす痘瘡ウィルスとは別物です。
痘瘡ウィルスの方は、折角、天然痘を撲滅したのだから、
研究用の種株も処分し、この世から消してしまえ、
という考え方もあり、ではもし、どこかにウィルスが
残っていたらどうするのか、やっぱり、保管は続けて
おいた方がいい、という意見が対立しています。
痘瘡ウィルスを消し去っても、ワクチニアウィルスが
あれば、ワクチンはつくれるのですから、痘瘡ウィルスは
処分した方が安全とかんがえますが、如何でしょうか。
実際、英国で保管中の種株が人間に感染し、大問題に
なりました。 その後、英国では、保管は辞めた、と
言っており、今、米国、ロシアの二国だけが、正式に
保管継続を表明しています。 ところが、両国政府以外にも、
生物兵器として、所有している勢力の存在が懸念され、
「対抗手段」として、種株が残されているのです。

さて、ワクチニアウィルスは、一体、どこからきたのでしょう。
不思議ですね。
牛痘ウィルスとも、痘瘡ウィルスとも別物で、
自然界には存在しないらしい、、、、
遺伝子パターンからして、牛痘ウィルスや、痘瘡ウィルスとは、
ルーツも異なる、と、考えられています。

このワクチニアウィルス、巨大です。
今まで見つかったウィルスの中で、最大のものです。
エイズウィルスの遺伝子は、核酸という分子が1万個を切る
大きさなのですが、ワクチニアウィルスは、20万個(二重鎖の
DNAなので、40万個ですが、一般に、20万塩基対といいます)。

ワクチニアウィルスは、人間の免疫系を制御する遺伝子を
沢山もっているのです。 これらを駆使して、感染後、体内に
ずっととどまるのです。 この性質を利用して、別のウィルスの
遺伝子をワクチニアウィルスの遺伝子につなぎ、ヒトに感染
させると、ずっと、体内で活動を続け、有効なワクチンになる、
という考え方があります。 実際、トランスジーン社(仏)から、
この技術を使った製品を開発しているので、日本に売り込んでくれ、
と、コンタクトされたことがありました。 

ウィルスは、感染後、他の類似ウィルスの感染を妨害する、
こういう考え方は、かつて一般的でした。 実際、ウィルスが白血球に
感染した後、白血球に作らせる物質が、他のウィルスの感染を
防ぐ効果がある、と実証され、干渉(インターフェア)する粒子(オン)
ということで、インターフェロンと名づけられました。
後に、インターフェロンは、ウィルスがつくらせるのではなく、
ウィルス感染が刺激になって、免疫細胞が自分でつくるものである
と分かりましたが、この有名な物質の名前には、ウィルス同士の
干渉作用という古典的な考え方の名残があるのです。

阪大の先輩のK先生は、タバコモザイクウィルス(TMV)の非常に
安定な弱毒株を確立し(10年以上かかりました、いくら感染を
繰り返しても、リバータント、再強毒化しないことを証明するのに、
時間がかかるのです)、これを、マスクメロンの苗に感染させました。
すると、弱毒TMVウィルスは、メロンの苗の体内で感染し続け、
成体になっても感染は持続しています。 結果、同様のウィルスの
感染を防止することができ、非常に、綺麗な、ネット状の
模様のメロンが採れます。
イチゴも、メロンも昔は、乱れた模様とか、イチゴだと
瘤が沢山あったりしましたが、あれはウィルス感染によるものです。
(イチゴは、ウィルスフリーの苗を、細胞培養によってつくることで、
 綺麗なイチゴが実現されました。)
ところが、弱毒TMV感染を持続させると、他のウィルスの影響を
受けないので、見事な形の実ができるのです。
先生、そんなもの畑に勝手に蒔いたら、薬事法違反でしょう、と、
怪訝な顔で尋ねる私に、K先生は、君は薬の仕事をしているのに、
薬事法を知らないのかね、畑に蒔けば、確かに、農薬に該当する、
それもバイオ農薬で、厳しい規制を受けることになる。
ところが、私は、苗に感染させなさいと、指導したのであって、
ウィルス感染した苗を農家に売っても、薬事法違反にはならないんだ、
そういうご説明でした。  実際、病気にならない丈夫な苗なんだから、
農家の人たちも大変、喜んでいる、というお話でした、、、、

植物の場合、抗体というのはありません。
NK細胞もいません(と、思います)。
いない、と証明するのは、難しいのですが、、、
樹脂とか、酵素とか、色んな防御システムはもってますし、
人間の免疫をコントロールする物質とか、昆虫の行動を
制御する物質とか、複雑な制御システムをもっていますが、
リンパ球に相当するものはもってません。
ですが、こうして、ワクチンは成立するのです。
ウィルスのインターフェア作用、という説明です。


ワクチニアウィルスは、体内で活動を続けるので、抗体価を維持
します。 抗体価が維持されている、ということは、ワクチニアウィルスが
体内で活動していることの傍証として使えますので、ワクチンの効果
判定に、血中中和抗体を測定する、という考え方が定着し、日本では、
今日でも、ワクチンの効果判定に血中中和抗体価という指標が
使われます。(欧米では、中和抗体で見るのはおかしい、血液凝集
活性を有する抗体価とされています)

はい。  ウィルスが存在し続け、抗体が維持されるのですから、
抗体がウィルスを排除していない、抗体がウィルス感染を防ぐのではない、
ということです。  

実際、沢山のワクチンが開発され、途中でドロップし、生き残った数少ない
ワクチンのうち、効果が高いとされているのは、基本的に、生ワクチンです。
ウィルスを実際に、感染させるタイプです。 (もちろん、弱毒化、毒性を
弱めてあります、そうでないと、ワクチンをうつことで病気になります)
効果を持続させるには、感染を持続させる必要があります。
感染が持続していると、抗体価が維持されます。
ワクチンウィルスの感染持続が、類似ウィルスの感染を防ぐ、何がしかの
予防効果をもつのであって、抗体がウィルス感染を防ぐのではありません。
ウィルスの成分だけを注射し、感染までは至らないタイプのワクチンは、
効果が低く、しかも効果が持続しません。 

こういう、ワクチンの性質を理解すれば、「がん細胞由来物質」を注射した
から、「がんワクチン」効果を発揮して、がんが治る、、といのは、幻想に
近いことがお分かりいただけるでしょう。  


(抗体医薬品は、がん細胞を認識しているのではありません。
 正常細胞にも、がん細胞にも結合しますが、増殖に関係する物質に
 結合することで、増殖の邪魔をするものです。 その中でも、
 がん細胞が、正常細胞よりも、沢山、出している増殖関連物質を
 ターゲットに設計されます。 元々、体内にある物質をターゲットに 
 するので、普通にやると、抗体はできません。 抗体医薬品は、
 大変、苦労して、開発されているのです)


最後に、大ドンデン返し。

ジェンナーさんの村をあげての実験。
こんな後日談があるのです。
それは、ほんとうか、と、食ってかかられても、
19世紀はじめのことですから、そういう資料がありますけど、
としか申し上げられませんが。

種痘を打たれた子供達。
天然痘にはかからなかったのです、確かに。
ところが、不幸にして、結核に罹り、
二十歳になる前に、全員、世を去ったというのです。

一方、種痘を打たなかった子供達。
半分は、天然痘にやられてしまいした。
ところが、生き残った子供達は、成人し、
これという病気にかかることなく、
天寿を全うした、というのです。

ジェンダーさん本人も、この結果は
ご存知ないでしょう。 子供達が天寿を
全うするころには、もう、この世の人では
なかったわけですから。


昔の話です。
ほんとか、嘘かを、今、言っても
しょうがないと思いますが。

エビデンスというものについて、
また、ワクチンというものについて。

示唆的ではあるか、と。



TITLE:がん治療と免疫 - livedoor Blog
URL:http://ank-therapy.net/?p=325

ワクチン (2) ジェンナーのその後

2008.12.20.
 
 
このブログを最初からお読みくだっさてる方は覚えて
らっしゃるでしょうか。 
 
ジェンナーさんが、村の子供を二手に分け、
一方に種痘(牛痘)を施し、他のグループには何もしませんでした。
 
種痘を受けた子供は一人も天然痘に感染せず、
受けなかった子供の半分は、天然痘で命を落としました。
 
この時点で考えれば、種痘の有効性は完璧に証明されています、
という風に見えますね、一見。
 
ところが、種痘を受けた子供は全員、二十歳を迎えることなく
結核で命を落とし、受けなかったグループで、天然痘に感染しなかった
子供は全員、天寿を全うしました、、、、
 
誤解ないように念押ししますが、昔のことを、事実かどうか、
拘ってもしょうがないと考えます。余りにも、綺麗な数字なので、
恐らく、そのまま事実ではないと思います。
ただ、重要なのは、この手の逸話を、今を生きる私達がどう
「考える」かです。
 
まず、エビデンスを考えるに当り、時間の要素が重要であることを如実に
示していますね。 短い時間軸で捉え、化学療法剤投与により、がんが縮小する、
縮小効果をもって、エビデンスとし、次々と化学療法剤が認可を受けました。
ところが米国を中心に、使える薬剤が増えたのに、個々にエビデンスありとされた
薬剤が増えたのに、全体としてみれば、がん患者の死亡率が逆に高くなっている、
おかしいではないか、という反論が投げかけられました。
時間軸を長くとると、逆の結果になる、というのです。
 
一時的に小さくなっても、生き残ったがんは、猛烈な勢いで増殖をはじめ、
こうなると手が負えない、結局、何も治療しなかった方が
よかったのではないか、という意見が出され、大論争となったのです。
結果、縮小効果で見るのは問題とされます。
やはり昔ながらの延命効果で見よう、と。
もっとも、かつての10年生存率では、新薬審査に時間が
かかりすぎ、5年にしてもまだ長いので、もっと短い期間で
結果でるよう、余命1-2年の患者さんを選んで、
1-2ヶ月の延命効果をエビデンスとするようになりました。
凄いですねえ、流石に何千億円も費用をかけて開発する
新薬ですから、1ヶ月とか、2ヶ月も延命効果!を発揮し、
堂々と、健康保険適用を受け、標準治療として
認められるのです。
今日、米国では、無理にがんを叩くのではなく延命を図ることが
重要とされ、死亡率は下がってきた、と言われています。
日本は、反対に、先進国の中で、ダントツにがん患者死亡率が高いと
言われ、いやあ、日本は急速に高齢化したからだろう、
とか言ってる専門家の方もいらっしゃいますが、
米国では昔から年齢構成は変わってません、何ゆえ、
米国で死亡率が下がっているのか、別の理由があるはずです。
 
さて、ジェンナーさんの時代、どんな議論となったのでしょうか。

当時、ギャラップの調査もありませんし、世論がどうだったかを知るのは
困難ですが、専門家の激論の記録は残っています。
種痘推進派と反対派、両極端のグループがいたようです。
 

推進派は、

「種痘により、感染率が下がる」

素晴らしい! と主張します。



反対派は、

「死亡率が上がってる、亡くなる人の絶対数は増えている!」

と反論します。

こうなるともう議論になりません。 
論点がずれているのです。
論点が合わなければ、議論にはなりません、
もうどっちが権力を持つか、で勝負が決します。
 
推進派にしてみれば、感染率が下がることは、何より重要な意味を持つのです。
パンデミック(大流行)を想定した場合、少しでも感染拡大を防止することが、
何よりも重要なのです。 ヨーロッパは何度も、疫病により総人口の何割もが
命を落とすという過酷な歴史を経験してきました。 
 
「ユーは、ジャパニーズなんで、絶対つけても、
白人の感染症に対する 恐怖 は分からない!!!」
 
とよく言われましたが、彼らからみれば、日本人は、感染症に対して、
異常に抵抗力をもつ化け物なんだそうです。 

この手の人たちは、死亡率が高くなったデータなんか
見せられても、全く動じません。 そんなものは、途中経過に
過ぎないのだ、と。 ヨーロッパ全体に感染が拡大してしまえば、
全員、倒れてしまう、ヨーロッパは壊滅する、だから、とにかく
感染伝播速度を遅らせることが大事なんだ、と考えるのです。
 
反対派は、免疫力の個人差に言及します。
 
四つに分けよう、と。
 
① 特に免疫が強い人
? そこそこ免疫が強い人
③ そこそこ免疫が弱い人
④ 特に免疫が弱い人
 
①の特に免疫が強い人は、種痘(ワクチン)を受けても受けなくても平気。
病気にならないし、ワクチンの害もない。 元々、強いから。
こういう人もいるので、感染症によって、ヨーロッパから人間がいなくなる
日がやってくることはないんだ、と。
 
?のグループは、免疫力がある程度、強いので、ワクチンがよく効く。
この人たちは、元々、感染する可能性はあり、ワクチン効果によって
感染率が下がる。
但し、ワクチンを受けても受けなくても、どのみち、感染症で死ぬことはない。
また、ワクチンの害も大したことない。
 
③のグループは、免疫が弱いため、ワクチンの効果は今一つ。
ワクチンによる感染防止効果は低いが、死亡率もそれほど高くない。
 
④の人たちには、ワクチンは効かない。 
ワクチンの毒を体の外へ押し出す力もないので、
ワクチンをうっても反応さえしない。 
こういう人は、ワクチンをうってもうたなくても
元々、天然痘(痘瘡ウィルス)には感染はするし、死亡率も高い。
更に、ワクチンの毒を浴び、かつ、牛痘ウィルス感染が加わるので、
ワクチンをうつことにより、死亡率は上がる。

(天然痘は、人間の痘瘡ウィルス感染により発症します。
 種痘は、人間に感染した牛痘ウィルスを用います。
 ワクチンに用いるウィルスと、天然痘を発症するウィルスは
 別物なのです。)
 
結局、全体を平均すると、?の人たちが感染率を下げる効果を発揮し、
④の人たちが死亡率を上げる効果を出してしまう、という主張です。
 
 
この両者には、もっと根源的な相違があります。
 
人は何故、病気になるのか、という基本的な物の考え方が異なるのです。
 

それは、明日以降。
 
 P.S.  古い話のようですが、この辺りの議論が、今日、免疫細胞療法を正しく理解していただけない根源的な原因となっていますので、免疫細胞療法にご関心をお持ちの方は、是非、お読みいただければ幸いです。
 
 



TITLE:がん治療と免疫 - livedoor Blog
URL:http://ank-therapy.net/?p=304

ワクチン (3) ジェンナーのその後

2008.12.21.
 
 
(昨日の続きです。)
 
 
ジェンナーさんの種痘(牛痘)、推進派と反対派の
議論はすれ違いのまま決着を見ず、各々、
独自の大系として,
今日なお、ヨーロッパに根付いています。
 
ヨーロッパでは、互いに矛盾をはらんだ二つの西洋医学が
共に浸透していくのですが、日本や米国、他の世界に広められたのは、
推進派の人たちの「考え方」です。
 
 
もっとも、ジェンナーさんの種痘そのものは、歴史に名を刻んだ後、
医療の現場からは、消え去ることになります。
 
牛痘に感染した乳牛。
その乳牛から乳搾りの少女が、牛痘ウィルスを染され、牛痘を発症。 
つまり、人間の子供の体内で増殖した牛痘ウィルスを
その子供の膿という状態で、他の子供の腕に塗りたくって、メスで切り刻む。

このやり方自体は乱暴に過ぎます。 種痘賛成推進派も、種痘を受けた
子供の死亡率が高くなってしまうことは認め、それは、やり方が乱暴だからだと
反論します。 

膿はないだろう、いくらなんでも、と。  

で、膿ではなく、感染した子供のリンパ液を取って、他の子供の腕に刻む
方法に変更したところ、確かに死亡率は下がりました。 
ほらやっぱり、と、推進派は、ほくそ笑みます。

反対派は、それは短期的な現象であって、その子供の生涯を見れば、
やっぱり種痘を受けると死亡率は上がる、と引き下がりませんが、
目の前で子供が死ぬかもしれない、目の前、目先の危機を回避できるなら、
生涯のリスクという、先にならないと分からない話はどうでもいい、
と考える人も多かったのでしょう。
 
もっとも、牛痘に感染した人間の子供を「使う」というのは、どこまでいっても
無理があります。 以前にも書きましたが、日本にも牛痘に感染した子供が、
「輸出」され、種痘を実施する「ウィルス供給ソース」として使われました。
今から考えると、ギョッとする話ですが、200年前なら、奴隷貿易が公然と
行われていたのです。 ほんの100年前とか、もっと最近でも、
なくなった訳ではありません。
 
結局、ジェンナー方式は廃れます。 
代わりに、ワクチニアウィルスを、毛を剃った牛の体側に
植え付け、ウィルスを増殖させた後、皮を剥ぎ取る、
残酷といえば残酷な方法で、ワクチンがつくられるようになります。 
概ね、150年ほど前のことです。 
このワクチンは、強力であり、今日のニワトリの受精卵、培養細胞などを
使って作成される生ワクチンよりも効果の高いものでした。
もちろん、ウィルスの感染力を叩いてから注射する不活化ワクチンよりも、
遥かに強力ということになります。  
ちなみに、ペプチドワクチンは、もっと更に効果が落ちるものです。 
こうして、ワクチニアウィルスを用いるワクチンが、天然痘撲滅運動に使われ、
今日でも、世界中の研究室で、ウィルス株が保存されています。

また、隠れたベストセラー「ノイロトロピン」という医薬品製造にも使われています。

このウィルス、自然界には存在せず、天然痘を発症する痘瘡ウィルスとも、
牛痘ウィルスとも別物で、サイズが超巨大(20万塩基対)、
人間の免疫系制御遺伝子を多数もつ、という「超」謎のウィルスであることは
前にも書かせていただきました。
 
後にも、先にも、ワクチンの強力な疾病予防効果が確認され、実際に、人類が
撲滅に成功した感染症は、天然痘、ただ一つです。 (天然痘を発症する
痘瘡ウィルスは人間を宿主とする珍しい病原性ウィルスである、
他の動物の体内では安定的に存続できないので、
人間の感染源を封じ込めれば隠れるところがなくなる。
感染者の隔離に成功したからこそ撲滅できたんだ、
ワクチンが決定打だったのではない、という反論についても、
以前、ご紹介させていただきました)
 
ちょっと、前の話の繰り返しになってしまいましたが、
反対派の考え方、日本には普及しなかった、もう一つの
西洋医学的な考え方をもう一度、見てみましょう。

人間には、(自然)免疫が備わっており、免疫が強い人は、
全く初めて遭遇する感染体であっても、感染もしないし、死亡に
いたることはない。 ところが、免疫が弱い人は、感染を許し、死亡に
いたることもある。 免疫が弱い人に、ワクチンを投与すると、
効果がないばかりか、ワクチンの毒も重なり、死亡率が上がる。


これ、がんと自然免疫の話に置き換えれば、少なくとも前半は、
そのまま通用しますね。

人間には自然免疫があり、免疫の強い人は、がんの増殖を
許さない。 免疫が弱い人は、がんの増殖を許し、死に至る
こともある。

最後のところはどうでしょう。

免疫が弱い人に、がんワクチンを投与すると、
効果がないばかりか、ワクチンの毒も重なり、死亡率が上がる。

これは、ちょっと違うかな、と思われるでしょうか。


実は、今年、2008年、大きな事件が発生しました。
武田薬品が日米で臨床試験を進めていたがんワクチンが、
試験中止となりました。 がんワクチンを投与された
グループのがん患者の方が、投与されていないグループの
がん患者より、お亡くなりになるペースが顕著に早いことが
明らかになったのです。 これは駄目だ、ということで、
試験終了を待たず、投与取りやめとなりました。

このケース、がんワクチンといっても、免疫を非特異的に
刺激するタイプのものであって、限界が露呈されたんだ、
やはりがんワクチンはがん特異性抗原を用いなければ
いけない、と、論点がずれた論評を載せていた有名な
バイオ誌もありました。 効果があるかないかの議論ではなく、
がんワクチンの投与によって、死亡率が上がる、という、
想定外だったはずの現象については、何の説明にも
なっていません。

二百年も前に、ジェンナーさんの種痘に反対した人々の
主張と、妙に符号する今年おこった、がんワクチン臨床中の
事故。 この事故は、二百年前から、預言されていたのでしょうか、、、


さて、この問題についての突っ込みは、またの機会として、
明日は、病気とは何か、根源的な問いに、少し迫ってみようと
考えています。 気が変わるかもしれませんが、ブログなんで。



 


TITLE:がん治療と免疫 - livedoor Blog
URL:http://ank-therapy.net/?p=303
転載終了ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

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