あかつきノート

地方の小都市から大都市へ移り住んだ弁護士の日常を思いつくまま書いています。

被災地での法律相談

2011-05-15 20:22:05 | その他

久しぶりの更新となりました。

この間、仕事も忙しかったのですが、大好きな東北地方を襲った大震災を前に自分は何ができるだろうかということも悶々と考えていました。そして、被災地に近く、自分と縁のある米沢市の避難所に避難をされた方に対する弁護士による法律相談会の開催を、米沢市や米沢商工会議所に呼びかけ、山形県弁護士会に開催してもらいました。また、5月7日には、相馬市役所、および、避難所となっている相馬市総合福祉センター(はまなす館)を訪れ、被災地での法律相談を担当しました。
未だ仮設住宅にも入れない方が多数いるこの甚大な被害を前に、我々法律家の出番はもっと先のことではないかという声もあります。確かに、目の前の生活すら見えない状況の中、弁護士へ
の相談どころではないという方もまだ多くいらっしゃいました。しかし、例えば、今後の補償のことであったり、無くしたものを悪用されないだろうかというようなちょっとしたことであっても、分からないことによる不安を抱えておられる被災者の方は多いです。実際に弁護士がこの状況下で何ができるのか、偉そうなことは何も言えませんが、少なくとも、専門家である弁護士という立場で回答することによって、そういった不安を一つでも解消していただけるのではないか、安心には程遠いけれども、少しはお役に立てる部分もあるのではないかと感じています。
当日は、3人のメンバーが担当しましたが、合計10件の相談がありました。それに、今後の再建、再出発に際して、益々、多くの法的な相談が増えて行くことが予想されました。あまりにも大きな被害を目の当たりにし、お話をおうかがいして、適当な言葉も見つかりませんが、引き続き、自分にできることを考えて行きたいと思っています。

 

 

 

上の写真は、松川浦原釜漁協の魚市場です。米沢にいた頃は、何回か訪れたことがあり、美味しいカニなどのお土産を買った思い出の場所なのですが、面影もありませんでした。

 

 

松川浦のそばの原釜地区です。住宅は壊滅状態でした。言葉にならない思いがこみ上げてきます。がんばれ!がんばれ!!

 


がんばれ東北!

2011-03-20 15:34:17 | その他

未曾有の大地震において、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
大好きな東北地方の変わり果てた状況を連日見るにつけ、心を痛めております。
被災地に近い地域の方々の不安や戸惑いも計りしてないだろうと想像しています。
福島の原発の影響も心配ですが、昨日の東京消防庁の隊員の方の会見には感激しました。

現場で心身を投げ打ち、復旧と被害の拡大防止に努め、被災生活を支えている方々の活動にも、心から敬意を感じています。並びに、日本中で何かできる事がないかという気持ちが聞こえてくることには心から共感します。
これからの長い支援活動の中で、私達も是非、何らかのお役に立ちたいと思っております。
まだまだ、余震が続き、物資の混乱もあり、落ち着かない毎日です。
道行く人々も、心なしか元気がありませんが、こういう時こそ、元気に明るく頑張っていきたいと思います。
がんばれ東北!!そして、皆さまも、くれぐれも今後もお
気をつけてお過ごし下さい。


山北地区成年後見セミナー無料相談会

2011-03-06 23:30:22 | 仕事

 

皆さま、山北町ってどこにあるかご存知でしょうか?神奈川県の西端、小田原の北方、御殿場の東方の静岡県との県境にある人口1万2036人(平成23年1月1日現在)の町です。上の写真は、JR御殿場線の山北駅!・・・の南口です。実際は、北口がメインの改札口となっていて、下の写真のように趣きがあります。

先週の日曜日にこの山北町での法律相談会を担当して来ました。なかなか、こうした遠方の仕事まで担当する弁護士はいないのですが、私としては、当時、弁護士が不足していた米沢での活動経験を生かし、初心を忘れずに、こうした弁護士がいない地域での法律相談についても、積極的に担当したいと思っています。 


雪のモンスター

2011-02-26 12:48:05 | 米沢

 

先日、NHKでも特集されていましたが、今年の蔵王の樹氷はひときわ見事です。1月の雪降りで立派に成長していました。今年も米沢時代に親しくお世話になった「旬菜こんどう」の近藤さんのウィンター企画に誘っていただき、蔵王まで行って来ました。無数のモンスターを前にすると圧倒的な迫力、雪雲の間隙からわずかに差し込む光が当たるとなお幻想的です。
ちなみに、「旬菜こんどう」は知る人ぞ知る本格的で美味しいお店。また、改めて、お料理もご紹介したいと思います。

 

 

その夜は、参加した方々が我が家の息子の誕生日も祝ってくれました。息子も大好きな新幹線「つばさ」のケーキ。突然のことに本当に感激しました。ありがとうございました!

 


「成年後見制度」の講義

2011-02-11 23:42:42 | 法律

最近、横浜に戻って来てから担当した講演・講義の内容を整理する機会がありました。
先日、このブログでもご紹介した「スポーツと法」の講義のほかに、圧倒的に多いものは「成年後見制度」についての講義です。
成年後見制度というのは、要点を言えば、認知症や障がいなどにより、社会生活上のハンデがある人の自己決定を補うことで本人の意思を尊重保護し、現有能力や財産を有効活用することで本人の身上に配慮して、豊かな生活とノーマライゼーションを実現するための制度です。いわゆる福祉政策の構造改革(措置から契約へ)に際し、そのインフラとして制度化されました。

ところで、一口に、成年後見制度の講義と言っても、どのような方にお話しをするかによって、その内容は違います。
私が担当したものを例に挙げれば、
例えば、行政の担当者の方々にお話をするときは、
「(成年後見制度の)市区町村長申立ての意義について」 というように、制度論的なことも掘り下げながら、虐待対応における考え方、行政の法的責任を中心にお話しします。
高齢の方やその支援者の方向けのセミナーならば、
「老後に備えて」といったように、成年後見制度のことだけでなく、相続・遺言、扶養等の問題も織り交ぜながら生活全般に役立つように意識します。
そして、障害のある人の親御さんやその支援者の方々には、何と言っても、「親なき後」の話は欠かせないと思います。どの親御さんも漠然と不安を抱えており、或いは、費用のことが心配で行動を起こせないという方もいらっしゃいます。そこで、このような場合に利用できる法制度を横断的な解説し、無理なく成年後見制度につなげるための利用方法・実践例を紹介して、「親なき後」に対処するために今から必要な準備を理解してもらえるよう心がけています。

成年後見制度というとただ単に財産管理と維持のための制度であると誤解をしている方も多いです。選挙権が無くなることの不都合等も昨今報道されています。ただ、本来的には、最初に私が定義づけしたように、本人のために柔軟で利用しやすい制度であるべきなのです。