ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■フランク・ロイド・ライトの自邸&スタジオ・ユニティテンプル探訪~シカゴ・カナダ旅行②

2007-10-14 07:33:57 | ■建築見学・展覧会
2007年9月末に訪れたシカゴ・カナダ旅行のレポート第ニ弾。
シカゴ二日目はオークパークと呼ばれる地区へ。

地下鉄のグリーンラインで市内から30分ほどで到着。
この時、間違ってブルーラインに乗らないように!
全く違う町に連れてかれてしまいます・・・

フランクロイドライトの建築物が沢山残るこの場所は、ライト自身の自宅とスタジオが存在します。
オークパークは、シカゴ郊外の高級住宅地といった雰囲気の所でとてもいい。
公園や家の庭ではかわいいらしいリスがはしゃいでて・・・
こんな木の実を土に埋める瞬間など見れてしまいます!

■ライトの自邸&スタジオ



フランク・ロイド・ライトが22歳?の時に設計した自宅兼スタジオ。(スタジオは32歳?の時に増築)
内部はガイドツアーのみによって見学が可能で、我々が訪れた9月でも午後2時くらいにはその日のチケットが売り切れていたので、確実に午前中には来るようにしたい。

■ロビー邸・ライトのスタジオ&自宅の公式HPはこちらから
このサイトで前売りチケットを購入可能です(2・3ドルぐらい高くつくので、朝一に行くのであれば、予約の必要はありません)
また、先日紹介したロビー邸の予約もこちらから出来ます。



ガイドは英語のものしかなかったので・・・
英語の苦手な私はだいぶ話を聞き逃してしまいました(>_<)

しかし、20代に設計したとは思えない素晴らしいデザイン。
やはり天才!
というかその言葉だけでは言い表すことが出来ない、ただならぬ才能を感じざるを得ません。

建物は、10年後にスタジオ部分を増築しているようで、他のライトの作品のようにプロポーションを第一に考えた外観デザインとは違って、外観的にはあまり見栄えはよくないです。
ライトにとって自宅は様々な要素の混ざった実験的住宅だったのでしょう。



庭にあったライトの彫刻。
直線的で邸内の装飾に通じるものがある。



増築したスタジオ部分の入り口にはこのような彫刻がありました。
確かコレは彫刻家の方に製作を頼んだと思ったのですが、コウノトリ?が図面を囲んで支えている様子を表しています。
やはり、ツアーガイド中は写真撮影が禁止だったので内部の写真がないのですが・・・

スタジオ内は六角形の空間になっていて、柱を出さないように鎖で引っ張り構造を成立させていました。
その無骨な鎖まで意匠にしてしまうライトはやはり凄い。
デザインした製図台や製図収納。写真でお見せできないのがとても残念です・・・



自宅部分の玄関にある階段。
コケシみたいな親柱が一般的なアメリカにおいて、シンプルな竪格子はかなり斬新だったのではないのでしょうか?

ここで、天井周り(廻り縁)のデザインがいかにもアメリカ的なところが少し笑えます。
先日のロビー邸では和風のデザインを随所に取り入れていて、和紙を張った格子の天井模様や、浮世絵台(浮世絵を鑑賞する為の台)など、日本からの影響が色濃かったのですが・・・

この自宅ではほんとイロイロな様式を取り入れていて、何風みたいな建築様式を一言で言い表す事が出来ません。



また、まだ自分のスタイルが確立できていなかったのも理由のひとつだったのだと思います。
面白いのが、部屋によってスタイルが大きく違っていた事。
特に興味深かったのが、主寝室。
エジプトの壁画のようなデザインの施された漆喰の部屋で、オリエンタルな雰囲気で印象的でした。

主寝室といっても日本の住宅のリビングルームぐらいの大きさがあったりするのですが、それ以上に驚きだったのが子供の為の趣味室。
Rのついた天井で教会のパイプオルガンのような装飾のある空間はちょっとした教会サイズ。

子供の為のグランドピアノが邪魔だと感じたライトが何をしたかというと・・・
ピアノの足を切断して階段の上部に飛び出させた事。
(実際階段を下りる時に頭上に飛び出てきます!)
この粗療治には仰天!

いやぁ・・・
そこまでするなら普通のアップライトピアノを置けばいいじゃない。
と、天才の発想についていけない(笑)

■ユニティテンプル



オークパークのもう一つの見所はここユニティ・テンプル。
先日のロビー邸と同じくこのユニティテンプルもライトのお気に入りの一つです。

ユニティテンプルは独立後の初作品。
ユニテリアンの為の教会で、キリスト教で伝統的に用いられてきた三位一体(父と子と聖霊)の教理を否定し、神の唯一性を絶対的に強調する主義(ウィキペディアより)の為、十字架が何処にも見あたなない・・・

外観も、通常の教会建設費の1/2という予算の為、コンクリート造の質素な素晴らしい教会となっている。
教会といえば大きなバラ窓。
そういった常識を覆し、勾配屋根をやめ平らな陸屋根(ろくやねという)を持った教会です。

また、大通りに面する敷地の為、開口部を上部のみにしか設けず、遮音効果を狙ったり、入り口を奥に引っ込んだ所にする事で、都市の雑踏から離れた特別な神聖領域を作り出す事に成功しています。



後述しますが、ライトの自邸見学+オークパークのガイドウォークの後にここにやって来たのですが・・・
運悪くこの日は結婚式があるらしく予定より早く閉まってしまいました・・・

わざわざ日本から来たのにと、係りの人に頼み込んで、特別に数分間中を見させていただいたのですが、じっくり見る時間がなく、しかも写真も撮影箇所を厳選できず残念な思いを。

ただ、幸運なことに誰もいないチャペルの中を撮影できた事は貴重。
まぁ少しでも見れたことに感謝しましょう。



私たちは、フランク・ロイド・ライトの設計した自由学園明日館で挙式を挙げたもので、特にこのユニティテンプルの見学は感慨深いものでした。
計算しつくされた天窓からの明りはやわらかく空間を包み、そこで祈る人に安らぎを与えます。

先に述べたとおり、キリストを祀る教会と違って、神に祈りを捧げる事を主とするこの教会は、明るい光に包まれ、内部も一般的な教会と全く異なる雰囲気です。
※ユニティテンプルのテンプルとは神殿の意味。チャーチではないのです。



ライトは、このユニティテンプル設計にあたり随分日本文化を参考にしたといわれています。
インドのヒマーチャル地方の建築探訪の時参考にさせていただいた神谷武夫氏のHPの中に面白い記述がありました。

ユニティテンプルの平面計画が日光東照宮に類似するというものです。
シカゴ万博で日本の日光東照宮等の設計に感銘を受け、訪問。
その一ヵ月後に設計をしたというのだから、その影響は否定できません。

ただ、それが日本の真似で悪いとかそういことでなく、同じ平面計画でも全く違った空間を作り出していることが素晴らしいと思うのです。
教会というと、入り口からはいるとすぐ正面に祭壇が見え、その背後にパイプオルガンが・・・
見たいな構成が一般的だと思うのですが、そういった常識を完全に覆した事は本当に素晴らしく、それによってとても良い空間になっているのだと思います。

今回の旅行ではオークパークに丸一日時間を費やしたのですが・・・
あ~ほんと、時間が足りなかった。
残念です。

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次回はオークパーク内のライトが設計した邸宅について触れます。
↑クリックしていただくと別ウィンドウにて引き続きお楽しみいただけます。

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■ユニティ・テンプルの公式HPはこちらから

■ハイドパーク&フランク・ロイド・ライト「フレデリック・C・ロビー邸」~シカゴ・カナダ旅行①

■フランク・ロイド・ライトの玉手箱~オークパーク探索・全部見せます~シカゴ・カナダ旅行③

■建築の坩堝~ミース・ファンデ・ローエに珠玉の夜景~~シカゴ・カナダ旅行④

■地球上のブラックホール~ナイアガラの滝・トロント・ハミルトン~シカゴ・カナダ旅行⑤

■メープル街道に北米唯一の古城~シカゴ・カナダ旅行⑥

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■AkatukiのHPはこちらから
世界各国の美しい写真を多数ご覧いただけます。

■フランク・ロイド・ライト氏デザインの帝国ホテル正面玄関の写真を公開してます

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