Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

『伽羅先代萩』の飯炊き

2015年09月07日 06時02分31秒 | 講座・講演・研究会
久しぶりに歌舞伎を観劇した。→こちら

演目は『伽羅(めいぼく)先代萩』。
お目当ては『御殿』の場。


乳母政岡が幼い若君の毒殺をおそれ、
台子の茶道具でご飯を炊いて食べさせる「飯炊き(ままたき)」の場面。

茶道の所作で約20分ほどかけての演技が見せ場だ。

この極め細やかな所作と後半の場面~わが子がなぶり殺しにされても毅然としてる~
この2つを演じぬかねばならぬことから、
『伽羅先代萩』の政岡役は女形屈指の大役といわれている、らしい。

5年前の4月、前の歌舞伎座さよなら興行でで『実録先代萩』を鑑賞して以来、
→経緯はここを読んでネ。

「機会があれば見たい」と思い続けていた。

翌年の2011年3月に新橋演舞場でかかったらしいが、気がつかなかったなぁ。
たぶん、東日本大震災で歌舞伎どころではなかったと思う。

で、新歌舞伎座になってから(たぶん)初めてかけられる今回となった。
(先月、たまたま新聞夕刊を読んでいて広告に反応したワタシ、エライ

歌舞伎座の一幕見席を確認した。→こちら

一幕ごとに鑑賞できる当日券のみのこのシステム、私にとってはありがたい。

訪れたのが平日ということもあり、4時前に到着したら、まだ前の幕にチケットもあった。



この演目が「伽羅」と呼ばれる所以にもなっている「花水橋」と
飯炊きに至るまでがわかる「竹の間」も鑑賞できてヨカッタ。

さて、幕間を挟んで待ちに待った「御殿」。

政岡を演じるのは人間国宝・坂東玉三郎。

1995年の初演以来、5度目の政岡役ということで、
飯炊きも美しい~

4階からだから、オペラグラスをのぞき込んで見入った。

ふくさ捌きはもちろんのこと、柄杓で水指から水を注いだ後の引き柄杓の手!

茶釜からお湯を汲むところもね。

建水は舞台ゆえ逆勝手に棄てるものの、茶巾で茶碗を清める所作は見事。

(ちなみに、茶碗は楽に見えて楽ならず~ ←楽茶碗ではない、と謡っている)

茶筅でお米を研ぐ所作は苦笑したけど。

でも、本当に舞うようなお点前で美しかった。

点前とは点舞なのよ~という先生の仰ることが少し理解できた。

満足して、歌舞伎座を後にした。





興行は9月26日まで。

『茶飯釜の楽しみ―まぼろしの茶事、茶飯釜のさまざま』
 
淡交社 2000年刊行








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