日本橋三越本店本館6階 美術画廊(呈茶つき、たぶん6/22まで)
※6月23日(月)まで (最終日は午後4時閉場)
竹芸家として御活躍中かつ以前とてもお世話になった三代・池田瓢阿さんと御子息の池田泰輔さん展覧会。
展覧会の内容について、既に詳しく紹介されているブログがあるので、そちらを閲覧して下さい。
あ、そうそう春にも青山で観ていました。→こちら
わりと早い時間帯(10時半すぎ)に会場に到着。
初日の盛況ぶりは友人からのメールで知っていたけど、会記4日目の昨日も既に10名近い方が熱心に見学されていた。
緋毛氈をかぶせた休憩スペースに茶花がたくさんおいてあり、泰輔さんはじめ関係者の方々が一つ一つの花入に生けていらっしゃる真っ最中。
よって、会場はとても“華やかな”で明るい雰囲気。
先週きたとき、に“予告”コーナーのショーウィンドウの中で窮屈そうに並んでいた竹籠さんも生き生きしていホッとした。
今回の目玉の一つでもある柳営御物の唐物写の大きな花入に牡丹を入れられている関係者の方につい声をかけてしまう。
「やはり、これくらい立派な籠には大きな牡丹でないでもないとバランスがとれないですねぇ」
「ハイ。この籠は別名『牡丹籠』と呼ばれているくらいですから」
ひょえ~。
そうだったんだぁ。
2年前の夏、泰輔さんのご指導で作った隅田川籠も出ていた。
さすが“師匠”の作品はプロだわ~。
ん?
あの時より、竹皮が細くない? 編み方が違くない?
さっそく(?)泰輔さんにツッコミを入れる。
「網代で編んでみました。あれだどキメが細かくなります。
その分、格子に比べて涼しげな味わいが出なくなりますが」
なるほどね。
難易度にもよると、その道具を用いる季節に合わせて編み方も自在なのね。
誠実で真面目で几帳面な泰輔さんのお人柄を反映した作風のいちいち納得しながら観賞した。
瓢阿先生の作品はやはりダイナミック。(とくに茶杓!)
だけど、編み方は精巧。
3年前の茶杓削りの講師に来ていただいた際も感じたが、絶対に妥協をしない作風。
手間がかかろうが、時間が超過しようが、手抜きをなさずに受講生をご指導して下さった勉強会の時のことを思い出した。
もともと名物籠の写しを多く手がけられているけれど、今回の古典では特に力を入れておられるように感じた。
宗全籠の本歌なんて見たことがない。
比較しようがないから、一つ「型」として観ざるをえない。
縦長の唐物籠については写真を見たことがある。
「確かに、そっくりだなぁ」
が、たぶん唯一“本歌”を知っている籠の写しに気がつけなかった。
「桂川籠」は香雪美術館にあるので、何度も観ているのに。
後から目録を見て、「あ、あれは写しだったのかぁ」と意外だった。
(まぁ、手作りだから、まったくのコピーというわけにはいかないよねぇ)
茶籠も出ていた。
たぶん、これも“写し”。
本歌はたいていショーウィンドウの中だから至近距離で観れないが、こちらは触れこそしないが、かなり至近距離で観賞させていただいた。
(顔がひっつきそうなくらい)
へぇ~、わりと粗めに編んでるんだ。
内側に貼った名物裂が編みの隙間から見えるように。
名物裂も裏地と表地の2枚合わせだったのかぁ。
そ、そうか。
と、改めて気がつくこともあったり。
呈茶席も入った。
(最初に2,000円で目録を購入した際、「呈茶券もついてますよね」と念押し。「いえ、呈茶券はついてないんですけど。。。。 差し上げますね」と係員さんから強引に茶券をGetしちゃった)
故・瓢翁(二代・瓢阿)さんの作品による道具組。
棗も、茶碗も。
瓢翁さんは随筆家でもある。
味のある著作があり、「とても楽しい方だったのねぇ」という印象がある。
漆塗りや陶芸もされていたのかと感心した。
たまたま正客の茶碗で喫めたのだけど、茶碗は高麗の柿の蔕を写したもの。
高台わきの瓢箪の印がほほえましかった。
御園棚だったので、てっきり裏千家の社中の方々と思いきや、点前を拝見したら表千家。
慣れない棚で少しやりにくそうに感じた。
点前座の後ろにも瓢翁さんと泰輔さんの作品。
値札がついているので泰輔さんの作品かと思ったら、瓢翁さんの作品でびっくりした。
最初、気がつかずに泰輔さんに質問してしまった。
「この籠、なんで銘が『おいてけ籠』なんですかぁ?」
「昔話からなんですよ。どこかの坂で、ここを通ると『おいてけ~、おいてけ~』と声がかかる。それは狸のしわざだった」
なるほど、よくみるとその籠の形、たしかに狸っぽい。
やはり、瓢翁さんのウィットはすごい。
そして、孫の泰輔さんは「みみずく籠」。
実は「もし、買うとしたら、コレだな」と思ったのも、ふくろうさんがちゃんと見えるこの籠でした。
瓢阿さんの作品で今回、後からだけど注目したのは菓子器かな。
網代に丸く編んで、内側に一閑張を貼ったもの。
実物を見たときは、何も感じずに流してしまったのだが、後から目録見て驚いた。
「これって、ブータンの弁当箱バンジュにそっくりじゃないかぁ!
春に泰輔さんにお目にかかったおり、野点の新聞記事を進呈したのだけど、その際に菓子器に見立てたパンジュの写真をみて「これはなんですか?」と聞かれた。
もしかして、それを見てヒントを得た、とか~?
それはないよねぇ。
きっと、研究熱心な瓢阿先生のことだから、外国の竹芸についてもご存知だったんだろうなぁ。
と、感想は尽きないが、そろそろこの辺りにて。
※6月23日(月)まで (最終日は午後4時閉場)
竹芸家として御活躍中かつ以前とてもお世話になった三代・池田瓢阿さんと御子息の池田泰輔さん展覧会。
展覧会の内容について、既に詳しく紹介されているブログがあるので、そちらを閲覧して下さい。
あ、そうそう春にも青山で観ていました。→こちら
わりと早い時間帯(10時半すぎ)に会場に到着。
初日の盛況ぶりは友人からのメールで知っていたけど、会記4日目の昨日も既に10名近い方が熱心に見学されていた。
緋毛氈をかぶせた休憩スペースに茶花がたくさんおいてあり、泰輔さんはじめ関係者の方々が一つ一つの花入に生けていらっしゃる真っ最中。
よって、会場はとても“華やかな”で明るい雰囲気。
先週きたとき、に“予告”コーナーのショーウィンドウの中で窮屈そうに並んでいた竹籠さんも生き生きしていホッとした。
今回の目玉の一つでもある柳営御物の唐物写の大きな花入に牡丹を入れられている関係者の方につい声をかけてしまう。
「やはり、これくらい立派な籠には大きな牡丹でないでもないとバランスがとれないですねぇ」
「ハイ。この籠は別名『牡丹籠』と呼ばれているくらいですから」
ひょえ~。
そうだったんだぁ。
2年前の夏、泰輔さんのご指導で作った隅田川籠も出ていた。
さすが“師匠”の作品はプロだわ~。
ん?
あの時より、竹皮が細くない? 編み方が違くない?
さっそく(?)泰輔さんにツッコミを入れる。
「網代で編んでみました。あれだどキメが細かくなります。
その分、格子に比べて涼しげな味わいが出なくなりますが」
なるほどね。
難易度にもよると、その道具を用いる季節に合わせて編み方も自在なのね。
誠実で真面目で几帳面な泰輔さんのお人柄を反映した作風のいちいち納得しながら観賞した。
瓢阿先生の作品はやはりダイナミック。(とくに茶杓!)
だけど、編み方は精巧。
3年前の茶杓削りの講師に来ていただいた際も感じたが、絶対に妥協をしない作風。
手間がかかろうが、時間が超過しようが、手抜きをなさずに受講生をご指導して下さった勉強会の時のことを思い出した。
もともと名物籠の写しを多く手がけられているけれど、今回の古典では特に力を入れておられるように感じた。
宗全籠の本歌なんて見たことがない。
比較しようがないから、一つ「型」として観ざるをえない。
縦長の唐物籠については写真を見たことがある。
「確かに、そっくりだなぁ」
が、たぶん唯一“本歌”を知っている籠の写しに気がつけなかった。
「桂川籠」は香雪美術館にあるので、何度も観ているのに。
後から目録を見て、「あ、あれは写しだったのかぁ」と意外だった。
(まぁ、手作りだから、まったくのコピーというわけにはいかないよねぇ)
茶籠も出ていた。
たぶん、これも“写し”。
本歌はたいていショーウィンドウの中だから至近距離で観れないが、こちらは触れこそしないが、かなり至近距離で観賞させていただいた。
(顔がひっつきそうなくらい)
へぇ~、わりと粗めに編んでるんだ。
内側に貼った名物裂が編みの隙間から見えるように。
名物裂も裏地と表地の2枚合わせだったのかぁ。
そ、そうか。
と、改めて気がつくこともあったり。
呈茶席も入った。
(最初に2,000円で目録を購入した際、「呈茶券もついてますよね」と念押し。「いえ、呈茶券はついてないんですけど。。。。 差し上げますね」と係員さんから強引に茶券をGetしちゃった)
故・瓢翁(二代・瓢阿)さんの作品による道具組。
棗も、茶碗も。
瓢翁さんは随筆家でもある。
味のある著作があり、「とても楽しい方だったのねぇ」という印象がある。
漆塗りや陶芸もされていたのかと感心した。
たまたま正客の茶碗で喫めたのだけど、茶碗は高麗の柿の蔕を写したもの。
高台わきの瓢箪の印がほほえましかった。
御園棚だったので、てっきり裏千家の社中の方々と思いきや、点前を拝見したら表千家。
慣れない棚で少しやりにくそうに感じた。
点前座の後ろにも瓢翁さんと泰輔さんの作品。
値札がついているので泰輔さんの作品かと思ったら、瓢翁さんの作品でびっくりした。
最初、気がつかずに泰輔さんに質問してしまった。
「この籠、なんで銘が『おいてけ籠』なんですかぁ?」
「昔話からなんですよ。どこかの坂で、ここを通ると『おいてけ~、おいてけ~』と声がかかる。それは狸のしわざだった」
なるほど、よくみるとその籠の形、たしかに狸っぽい。
やはり、瓢翁さんのウィットはすごい。
そして、孫の泰輔さんは「みみずく籠」。
実は「もし、買うとしたら、コレだな」と思ったのも、ふくろうさんがちゃんと見えるこの籠でした。
瓢阿さんの作品で今回、後からだけど注目したのは菓子器かな。
網代に丸く編んで、内側に一閑張を貼ったもの。
実物を見たときは、何も感じずに流してしまったのだが、後から目録見て驚いた。
「これって、ブータンの弁当箱バンジュにそっくりじゃないかぁ!
春に泰輔さんにお目にかかったおり、野点の新聞記事を進呈したのだけど、その際に菓子器に見立てたパンジュの写真をみて「これはなんですか?」と聞かれた。
もしかして、それを見てヒントを得た、とか~?
それはないよねぇ。
きっと、研究熱心な瓢阿先生のことだから、外国の竹芸についてもご存知だったんだろうなぁ。
と、感想は尽きないが、そろそろこの辺りにて。
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