政府は、北朝鮮が16日朝、ミサイルの発射を試みたものの失敗したと見られることから、日本の安全保障に直ちに影響が出ることはないと見ています。
総理大臣官邸の危機管理センターに設置している、北朝鮮情勢に関する官邸対策室では、関係府省庁の情報を収集し、分析にあたると同時に、引き続き警戒監視に努めることにしています。
外務省関係者は、NHKの取材に対し、「報道されている内容は承知している。北朝鮮情勢については常日ごろから情報の収集や分析を行っているが、現時点で、わが国に飛来するミサイルは確認されておらず、
わが国の安全保障に直接の影響を及ぼす事態が起きているとは認識していない」と話しています。
北朝鮮は、去年2月に事実上の長距離弾道ミサイルを発射して以降、弾道ミサイルの発射を繰り返してきました。
去年、発射されたのは、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイル、それに、中距離弾道ミサイル「ノドン」や、短距離弾道ミサイル「スカッド」など、射程の異なる弾道ミサイルで、その数は20発余りに上ります。
ことしに入ってからは、2月にSLBMを地上配備型に改良した新しい中距離弾道ミサイル「北極星2型」を発射したのに続き、先月6日に、北西部のピョンアン(平安)北道トンチャンリ(東倉里)付近から日本海に向けて、中距離弾道ミサイルの「スカッドER」4発を同時に発射し、北朝鮮は、在日アメリカ軍基地への攻撃を想定した訓練だと発表しました。
また、先月22日には、東部のウォンサン(元山)付近からミサイル1発の発射を試みたものの、失敗しました。
さらに、今月5日に東部のハムギョン(咸鏡)南道シンポ(新浦)付近から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射しました。このミサイルについて、アメリカ国防総省の当局者は、射程が1000キロの中距離弾道ミサイル「スカッドER」だったと見られ、発射後まもなく制御不能に陥って、発射に失敗した可能性が高いとしています。
一方で、韓国軍は、ミサイルがことし2月に発射されたSLBMを地上配備型に改良した新しい中距離弾道ミサイルの可能性もあるとの見方を示し、分析を進めていました。
NHKニュースからの引用記事