「どろんこハリー」
文/ジーン・ジオン
絵/マーガレット・ブロイ・グレアム
訳/渡辺茂男
出版社/福音館書店
ハリーは黒ぶちのある白い犬です。ハリーはお風呂が大嫌い。お風呂から逃げ出してあちこち遊び、どろだらけになってしまいます。あんまり汚れて、白いぶちのある黒い犬になってしまいました。おうちに帰ってきたけれど、自分がハリーだとわかってもらえません。途方に暮れるハリ―でしたが、ふとひらめきました。そうだ!お風呂できれいにしてもらおう!きれいになったハりーのしあわせそうなこと。あぁおうちっていいなぁ・・・(絵本ナビ内容紹介)
1964年アメリカ発行で、日本でも長く読み継がれている「どろんこハリー」
腕白で愛嬌たっぷりの「ハリー」の姿は、絵本の“読み手”“聞き手”ともに心が弾みます
まず、表紙に描かれた2匹の犬 後に分かる事ですが、どちらがハリー?2匹登場するの?と子ども達の想像が表紙からどんどん膨らんできます そして、絵からは、奔放でいたずら大好きなハリーの無邪気な表情、どろんこで自分だと気付いてもらえなかったらと不安な表情、時々の様々なハリ―の表情が見事に表現されています
どろだらけになって、ハリーだと気付いてくれない家族に、逆立ちしたり宙返りしたり、ダンスや歌もするハリーの姿は、何ともいじらしく、“頑張って~”と思わず応援したくなります
ラスト、お気に入りの場所でぐっすりと眠るハリーの穏やかな寝顔は、この物語でハリーと共に楽しんだり、悲しんだりした子ども達にとって十分な満足感が得られる事でしょう・・・
「元気いっぱい」「腕白、大いに結構」ハリーからそんな事も教わったように思います
一度じっくりと味わっていただきたいそんな1冊です