読書の森

昭和30年代の物価



昭和35年9月からテレビのカラー放送が開始された。
4年後の東京オリンピックを見越して、大手家電メーカーは次々とカラーテレビの市販を始めた。
この価格が21インチの画面で52万円である。
当時の平均的サラリーマンの給与は2万円余りだったので、高嶺の花だった。
しかし、皆何れは入手しようと目標にしたのである。

事実、それから10年後カラーテレビは全国的に普及した。
日本人が、モノを入手する事を暮らしの指針にしたのは、多分高度成長期からだろう。

さて、平均給与から分かる様に当時の物価は、今の10分の1以下だった。
1000円と言えば、1万円程の重みがあって、子供の私には大金だった。



同じ年に「ダッコちゃん」というビニール玩具の腕に巻きつく人形が流行ったが、これが180円である。
この180円が割高と思えた。
今なら2000円以上というところだろう。

当時、お豆腐が10円以下で買え、菓子パンは10円だった。
私はお小遣で上にウエハースのついたカステラパンを食べるのが楽しみだった。

この頃、近所のどの家も横並びの生活程度だった。
今から客観的に見れば、貧乏だったが、「皆同じ」という気楽さがあった。

内風呂のある家が少なく、銭湯を利用した。
風呂代は子供は10円以下だった。
薪でたく銭湯は広々と湯量も豊富で、近隣の子供と背中の流しっこをした事もある。

今と反対で老人が少なく、子供が圧倒的に多い時代だった。
子供だった私は、老人になった今、往時との落差に愕然とするのだ。
それはどうしようもない事ではある。

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