放射線技師a.k.aスイッチマン

任天堂「SWITCH」ではなく、放射線の「スイッチ」を握る放射線技師スイッチマンです。

難しくないよ放射線物理学

2018年05月30日 | 日記

おはようございます。


 

放射線技師の勉強において

必ずつまずくであろう

放射線物理の基礎

伝授していきます。






放射線物理の基礎

X線の発生、電離

お勉強です!





まず放射線技師のお勉強で

結構学生時代の序盤に登場する

スーパーヘビー級選手

放射線物理学


 

なぜにこんな序盤にここまで

きつい敵が現れるのかと

僕もおもってました(笑)



でも、その分範囲は狭いので

見方につければ点取り科目です。




原子の成り立ちから

説明していきます。


原子のモデルです。


原子は原子核の周りを電子が

周回しており、この電子

−に帯電している。

※原子が−に帯電している訳ではない

周りを周回する電子の話。



原子の中心には原子核があり

この原子核陽子(+)中性子(+−は無い)

構成され、+に帯電している。



原子核が+、電子が−なので

お互い引き合い安定して存在する。




ここで、結合エネルギー

束縛エネルギーという言葉が

あるが結合エネルギーとは

原子核の中の話で

束縛エネルギーとは軌道電子の

周回場所に縛られている

エネルギーの事。


ここでは束縛エネルギー

ついてお話していきます。



放射線というのは上記の

原子の帯電バランス

崩れることで不安定となり

安定になろうとする。

この時に出すのが

『放射線』である。




たとえば



ある放射線が上記の原子に入射



軌道電子がはじかれ、

−の帯電が一つ減り

帯電バランスが崩れ

不安定になる。





緑の点線で表したところは

穴が開き、そこを

埋めようとそれより外側

周回している軌道電子が埋める。




この際、K殻の束縛エネルギーと

L殻の束縛エネルギーがある。

この差こそが特性X線として

原子外に放出される。



この特性X線を出して

安定になろうとする。



この特性X線のエネルギーは

K殻束縛エネルギーが88KeVで

L殻束縛エネルギーが14KeVならば

その差で74KeVとなります。




簡単で単純でしょ?

ということで線スペクトルにも

なってくるんですよ。

※知らない人は前回の

単一、連続スペクトルとは⁉

にて確認を。





もうひとつ特性X線の

代わりにオージェ電子

という形で安定になる

場合もあります。




本来、特性X線として放出

するものを軌道電子にあたえて

その軌道電子をはじき出す。

そのはじき出された電子を

オージェ電子といいます。



オージェ電子も特性X線同様に

束縛エネルギーの差で表せます。


 

 

オージェ電子のエネルギーは 

上記の図のような場合で

L殻の電子がオージェ電子

として放出されると

K殻束縛エネルギーが88KeVで

L殻束縛エネルギーが14KeVならば 

その差で60KeVとなります。

本来、特性X線のエネルギー(74KeV)で

一つのL殻電子の束縛エネルギーを

切るのに使うので

この74KeVから

L殻電子の束縛エネルギー14KeVを

引いたものがオージェ電子の

エネルギーとなる。



これも単純でしょう?


だから

オージェ電子も

線スペクトルなんです。



あまり難しく

考えないようにしましょう。


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