前回のブログ更新が約1ヶ月前という荒地を耕すために何かネタを探していたところ、
PCソフト起動音も商標に TPP視野(SankeiBiz 2013.9.11)
というニュース記事がありました。
これに便乗して、新しい商標についてブログを更新することとします(汗)。
上記の記事に関して、
産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会から、
「新しいタイプの商標の保護等のための商標制度の在り方について」
という報告書が平成25年2月に出されています。
産業構造審議会第1 回知的財産分科会が本日開催され、上記報告書が承認されたという流れのようですね。
上記報告書によれば、
(1)「動き」
(2)「ホログラム」
(3)「輪郭のない色彩」
(4)「位置」
(5)「音」
を新たに保護対象に加えるべきと記載されています。
(「におい」「味」「触感」「トレードドレス」等は除外の様子)
さて、新しいタイプの商標が保護されるようになると、日本国内の商標権取得の流れはどうなるのでしょう?
これを推測するには、やはり先行する他国をみるしかないでしょう。
第26回商標制度小委員会の配布資料に、「新しいタイプの商標に関する海外主要国における実態について」がありますので、そこから件数を抜粋してみますと…。
(1)「動き」
USPTO 33/59
OHIM -/-
IPA -/-
KIPO -/19
(2)「ホログラム」
USPTO 15/57
OHIM 3/10
IPA -/-
KIPO -/14
(3)「色彩」
USPTO 360/860
OHIM 272/868
IPA 200/878
KIPO -/-
(4)「位置」
USPTO -/-
OHIM -/-
IPA -/-
KIPO -/-
(5)「音」
USPTO 109/257
OHIM 129/165
IPA 39/72
KIPO -/57
(注)
数字は、登録件数/出願件数
USPTO:2012.2.9時点の大まかな件数(主・補助登録の合計値)
OHIM:1996-2012.2までの件数
IPA:1996-2008までの件数
KIPO:2007-2011.12までの件数(音は2012.3.15-4月の件数←導入初期の件数だけですね)
うむ、これをみると、件数的には「色彩」と「音」が多い。
でも、いわゆる伝統的商標と比べてあまり件数が多くない「立体形状」はというと…。
「立体形状」
USPTO 3,169/7,818
OHIM 3,700/6,719
IPA 625/1,977
KIPO -/516
うーん、「色彩」「音」が多いといっても、割と件数が少ないと感じる「立体形状」よりも大幅に少ないわけですね。
同業者の中には「音とかの商標が認められるようになったら、仕事増えるかな?」という淡い期待をもっている人もチラホラいらっしゃるようですが(というか、数人からこの話を振られたことがありまして)、導入済みの外国での件数からしても、淡い期待はもたない方がよさそうですよね~。残念
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