はなん下からさき生まれた。

日常の出来事から、旅行や趣味まで色々と。

『北の国から』 the favorite ①

2006-05-31 23:54:11 | 『北の国から』 the favorite
『北の国から』 the favorite ① はじめに

*この一連の記事については、投稿から4ヶ月ほど後に順番を差し替えました。
  ①から⑬まで、順に読んで頂くためです。

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このブログを読んで頂いている方はご承知でしょうが、僕は『北の国から』が大好きです。
先日ようやく終わった北海道旅行の記事も、ほとんどネタものになってしまっております。

さて、その記事の中で僕は、「このシーンはベスト5に入る」とかいうことを書いております。
もちろん、そこで挙げたシーンが、大好きな場面であることには疑いありません。

けれども、ホントにベスト5なのか?
そもそも、ベスト5をちゃんと5つ挙げられるのか?

…出来ませんでした。

良いシーンがあまりに多いので、絞れないんですよね。
けれども敢えて、それをやってみることにしました。
方法は簡単です。

DVDをイチから見直す!

以上です。
ファンとしては当然の嗜みですが、僕は全部持っています。
もちろん、何度も見ています。
ですが、その記憶には頼らず、もう1度最初から見て点数を付けようと思います。
採点は100点満点。
良いと思ったシーンを拾い出して点数を付けて、それで順番を決めるわけです。

この記事に限り、書き溜めをした上で、13日連続で一気に放出します。
興味のない方には苦痛以外の何物でもないでしょうが、ご容赦ください。
いえ、スルーしてください。

ちなみに、『北の国から』のDVDって、一体何時間になるのでしょう。
計算してみたところ、なんと2,569分にもなりました。
約43時間です。
恐ろしいドラマですねえ。

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『北の国から』 the favorite ②

2006-05-30 22:10:14 | 『北の国から』 the favorite
『北の国から』 the favorite ② TVシリーズ第1~6話より

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第1話より。
富良野にやって来た五郎一家。
初日は清吉(大滝秀治)の家に泊まる。
五郎と清吉が酒を飲んでいる中、正子(清吉の妻、今井和子)も話に加わる。
しかし、正子が余計なことばかり口にするので、清吉は席を外させようとする。
ツマミを持ってこいとか、五郎はいらないと言っている、とかのやり取りの後、



清吉「オレが喰うんだ。」
正子「…はい。」

これ、かなりウケました。
清吉と正子の、間が良いのです。
ちなみに、このブログのタイトルでもある「なんもさ」という言葉。
『北の国から』では、この辺りのシーンで正子が言うのが最初です。
てっきり中畑が最初だと思っていたんですけどね。

【60点】(これが以降の基準となります。)

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第1話より。
純と蛍が沢で洗い物をするシーン。
これから住むことになる家を初めて見た後だけに、純は不満だらけ。
純の不平不満は、令子の話にまで及ぶ。
黙って聞いていた蛍だったが、純がふと目をやると涙ぐんでいた。



純「ごめん。」
蛍「その話はもうしないって、約束したじゃない。」
純「…ごめん。」

この2人、当時からものすごい演技力でしたね。
特に、吉岡秀隆はホントにすごいと思います。
中島朋子のほうは、蛍が五郎に気を遣っていることから、「良い子」の台詞が目立ちます。
そういう時は棒読みっぽくなるのですが、これも計算だとしたら?
背伸びしている子を演じていたとしたら、これまた恐ろしいことです。

【71点】

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第4話より。
純は、令子(いしだあゆみ)の弁護士(宮本信子)が泊まるホテルへ行く。
その弁護士は、五郎の悪口を言う。
言われていること自体は、純の日頃の不満とそう変わりはない。
けれども、アカの他人がそれを言うことに、純は耐えられない。
そんな中、令子への電話をつながれるが、純はホテルを飛び出してしまう。



純(少なくとも、僕は父さんの子供であり…。)

純の複雑な心情がよく描かれていましたね。
僕にとっては、『北の国から』で初の泣きどころです。

【78点】(涙)

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第5話より。
純が家に1人でいるところに、杵次(正吉の祖父、大友柳太朗)がやって来る。
昔話をする中、杵次は今を嘆く。
自分たちが苦労して切り開いてきた土地を、若い世代があっさり捨てるのが我慢ならないのだ。



杵次「熊や木や馬に、何と申し開く。」

これ、すごい台詞ですよね。
開拓者の世代の言葉なのでしょう。
こういった台詞を言うのは、杵次の他には清吉(大滝秀治)のみです。

【75点】

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第5話より。
純は、五郎に嫌われているのではないかと考えていた。
そんなある夜、蛍が餌付けしていたキツネに、純は石を投げつける。
それを見た五郎は、純を張り倒す。
森へ駆け出した純を、草太が追いかける。



草太「どこの世界に、テメエの子供を分け隔てするような親がいる?」

純が草太を尊敬しはじめたのは、ここからだと思います。
草太が「草太兄ちゃん」なったのです。

【70点】

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第6話より。
雪子のことで悩む草太は、タケ(小松政夫)に相談する。



タケ「ガバーっと押さえて、ブチューっとキスして、オメエ、ポンで終いよ。」

小松政夫です。
この人、第11話では打って変わって、草太とつらら(松田美由紀)のヨリを戻そうとします。
おまけに自分が、雪子にちょっかいを出そうとします。
この人に相談したのが間違いですね。
何にせよ、出番が少ないのにものすごいインパクトでした。
その意味では、『'87初恋』の古尾谷雅人と同格です。
方向は全く違いますけどね。

【74点】

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『北の国から』 the favorite ③

2006-05-29 12:40:02 | 『北の国から』 the favorite
『北の国から』 the favorite ③ TVシリーズ第7~12話より

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第7話より。
クリスマスの夜を中畑の家で過ごそうとする純と蛍。
そんな2人を、五郎のもとへ帰す中畑。
不満そうな純を、中畑は叱り付ける。
この夜のことだけではない。



中畑「それに比べて、お前はダメだ。父さんの手助けを何にもしていない。」
   (中略)
   「今のままではダメだぞ。」

中畑は、基本的には優しいおじさんです。
もう少し後になると、こごみ(児島美ゆき)との件でアタフタもします。
けれどもこの通り、締めるべきところは締める人です。

【68点】

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第8話より。
大晦日。
水を沢から引くことに成功する。
歓喜する純と蛍、そして五郎。




良いシーンです。
純と蛍が、純粋に五郎を頼りにしていた頃です。
『北の国から』では、こういうモノ作りのシーンが多いですよね。
この中で、五郎や中畑がホントに手慣れているように見えます。
演技のレベルを超えていますよね。

【82点】(涙)

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第12話より。
分校での授業中。
罠に掛かった蛍のキツネのことで、純たちは議論する。
それを見て、ニコッと笑う涼子(原田美枝子)。



このシーン、涼子先生の真骨頂です。
キツネのことを焚きつけたのも彼女です。
黒板には算数の問題が書かれていて、生徒はこれをやっている最中でした。
この時、彼女がキツネのことをボソッと口にしたのが始まりです。
先生が1番、授業に集中していない。
素晴らしいことです。
大事なのは、勉強そのものではなく考えること。
それが彼女の教育方針なのでしょう…多分。

どーでもいいことですが、キレイですよね、この人。
いしだあゆみや竹下景子ももちろんキレイなのですが、僕は特に好きです。
メイクのせいもあるでしょう。
他の年頃の女性は皆、頬紅やアイシャドウに力が入っています。
昭和のメイクです。
けれども、彼女だけはナチュラルメイクなのです。
北海道の女性だから、ということではないようです
つらら(松田美由紀)のメイクも気合が入っていますからね。
浮世離れした役柄だからなのでしょうか。

【72点】

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『北の国から』 the favorite ④

2006-05-28 23:32:14 | 『北の国から』 the favorite
『北の国から』 the favorite ④ TVシリーズ第13~18話より

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第14話より。
入院した令子(いしだあゆみ)を見舞うため、雪子とともに東京へ来ていた純。
富良野へ帰る前の日、純は東京に残るべきか迷う。



令子「いてくれるの?ホントに純ちゃん、こっちにいてくれるの?」

令子は、純や蛍のことになると必死です。
それが描かれる場面はどれも良いものばかりなのですが、ここは特にそう感じます。
病に倒れて、気が弱くなっていることもあるのでしょう。

【75点】(涙)

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第15話より。
くまげらで酒を飲みながら、清吉(大滝秀治)は五郎に愚痴る。
清吉の家では、彼が雪子を東京に帰したのだと思われていた。
ただの誤解なのだが、妻の正子(今井和子)も息子の草太も、まったく口を利いてくれない。



清吉「人と話するのも、今日が久し振りじゃ。」

内容はともかく、大滝秀治が早口でまくし立てるのが、僕にはツボでした。
全く別の場面ですが、第1話では、彼は牧場で走ってもいます。
まだまだ若かったんですね。

【72点】

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第15話より。
雨の夜、泥酔した杵次(大友柳太朗)が五郎の家にやって来る。
18年間も苦労を共にした馬を手放した日のことだった。



杵次「アイツがオラに、何言いたかったか。信じてたオラに、何言いたかったか。」

この帰りに、杵次は橋から転落して亡くなります。
それも含めて、とても印象的なシーンです。
杵次は一方的にしゃべることが多いですが、その後、ピタッと口を紡ぎます。
まるで、話しすぎたことを後悔するようにです。
独特なキャラクターでしたね。
純や蛍に与えた影響は、決して少なくなかったと思います。

【80点】(涙)

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第17話より。
退院後、離婚手続きのために富良野に来ていた令子(いしだあゆみ)。
その間、蛍はずっと無愛想で、駅への見送りにも来ない。
しかし、電車の窓から、令子は蛍を見つける。
蛍は令子に別れを告げたくて、空知川の河原で電車を追いかけてきたのだ。




大きな感情をあまり表に出さない蛍ですが、こういう時はさすがに違います。
ちなみに、この河原へ蛍を連れてきたのは草太でした。
少し後の話になりますが、『'84夏』で草太が雪子を見送ったのもこの河原です。
それに付き合ったのも蛍。
蛍が草太になついたのは、この辺りなのかも知れません。
『'98時代』で、蛍が妊娠していることを初めて打ち明けたのも草太です。
この2人の、何とも言えない関係。
それが、ここまでずっとつながっているように、僕には思えるのです。

【87点】(涙)

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第18話より。
イカダ下り。




話はほとんど進みません。
大部分がイカダ下りの光景で占められていますからね。
けれども、僕は好きです。
出演者もほとんど参加していますが、みんな楽しそうです。
この回ばかりは、どこまでが演技で、どこまでが素だか分かりません。

【80点】

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『北の国から』 the favorite ⑤

2006-05-27 15:54:24 | 『北の国から』 the favorite
『北の国から』 the favorite ⑤ TVシリーズ第19~24話(最終話)より

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第19話より。
ボクシングの試合を目前に控えた草太。
新聞記者が取材に来るが、ジムの会長である新吉(ガッツ石松)が出しゃばる。
スパーリングでも草太を攻めたて、まさに一方的。
草太にも良いところを、と言われ、彼に打たせるが、



新吉「この野郎!」

…振り出しに戻ります。
ガッツはきっと素でしょう。
いえ、彼に演技など求めてはいけません。

【74点】

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第21話より。
こごみ(児島美ゆき)に惚れてしまった五郎。
しかし彼女は、以前に中畑とも関係があった。
五郎のことを知った中川(尾上和、中畑の会社の従業員?)は、そのことを中畑の耳に入れる。



中川「五郎さんです。親友がついに兄弟におなりで(ニヤリ)。」

彼は、いったい何者なのでしょう。
最初からずっと出ているのですが、良いところは全部、クマ(南雲佑介)に持っていかれます。
そんな彼の、数少ない見せ場がこれなのです。

【65点】

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第21話より。
草太のボクシングの試合。
はじめは草太が押すが、1Rの終わりに形勢が逆転し、次の2RでKOされた。




この試合、本気のガチンコだったそうです。
もしも草太が勝った場合、倉本先生はシナリオを書き直す約束になっていたとか。
その雰囲気は、画面を見ていると伝わってきますね。
例えば1Rと2Rの間。
普通の「スポーツドラマ」なら当然あるはずの、「草太さんがんばって」的なものがないのです。
いえ、それどころか、何一つ描かれていないのです。
あるのはゴングの音だけです。
余計な演技など、差し込む余地がなかったのでしょうね。

【85点】

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第23話より。
令子が急逝し、再びと東京へ来た純と蛍。
外に出ていた2人は、公園で吉野(伊丹十三)に会う。
吉野は純に、女の人を好きになったことがあるかと聞く。



吉野「今に好きになる。何度も。何度もいっぱい好きになる。これから始まる。」
   「…おじさんは終わった。」

これは予言ですね。
まさしく純の将来です。
伊丹十三の話し方は淡々としていますが、こういう時によく似合いますね。

【80点】

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第23話より。
吉野に靴を買ってもらった純と蛍は、それまで履いていた靴を手放してしまう。
思い出の詰まった靴を捨ててしまったことを後悔した2人は、靴屋やその周辺のゴミ捨て場を探し回る。
それを警官に見咎められるが、



警官「母さんはどこにおる?」
純  「4日前に死にました。」
警官「…このゴミの中に、確かにあるのか?」

優しいお巡りさんですよね。
これも良いシーンです。
この場面、倉本先生も気に入っているそうです。

【79点】

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第24話(最終話)より。
蛍のキツネが帰ってきた。
純に石を投げつけられ、罠に掛かって左の前足を失った、あのキツネだ。
キツネは蛍の手から餌をとり、次いで純にも近付く。



最終回にふさわしいシーンですね。
でもこれ、実際には順序が逆なのだそうです。
撮影が始まったばかりの頃、足のないキツネが不意に現れたのがきっかけだったとか。
とりあえずこのシーンを最終回用に撮っておいて、罠とかの話は後で考えたそうです。
その証拠にこの場面だけ、純と蛍の背が縮んでいます。
撮影の1年間で、吉岡秀隆は8cm、中島朋子は10cmも背が伸びていたそうですからね。
こればっかりは、ごまかしようがありません。
彼らが着ている服も、はじめの頃のものに戻っていますよね。
それはともかく、上手くつなげたものです。

【79点】

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『北の国から』 the favorite ⑥

2006-05-26 19:26:40 | 『北の国から』 the favorite
『北の国から』 the favorite ⑥ 『'83冬』『'84夏』より

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『'83冬』より。
五郎は、みどり(正吉の母、林美智子)の借金を背負ってしまう。
借金を返すといっても、財産と呼べるものは土地だけである。
麓郷の仲間が手を差し伸べようとするが、彼は頑として聞かない。



清吉「地べた放したら、最後だぞ。」

TVスペシャルになってからは、清吉(大滝秀治)の出番はめっきり減ります。
ですが、こういう台詞はやはり、彼が言うと説得力がありますね。
杵次(大友柳太朗)亡き後、土地への執着を語れる者は清吉しかいません。
今作ではもう1人、松吉(笠智衆)が登場しますが、ボケちゃってますからねえ。

【67点】

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『'83冬』より。
五郎が負った借金のことで、みどり(正吉の母、林美智子)が詫びに来る。
彼女は直ぐ帰らなければならず、五郎は雪の中、富良野駅で見送る。
そこで五郎は、正吉をしばらく預かろうと申し出る。



みどり「どうして五郎ちゃん、そんなに優しいの?」

ダメな人間ですが、どこか憎めませんよね。
飲む、拝む、走る、正吉を張り倒す。
僕はこの人、大好きです。
母親のいない純と蛍の家。
父親のいない正吉の家。
『北の国から』では、この対比が良く描かれているように思います。
その分、この一家のこともよく語られていますね。

【71点】

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『'84夏』より。
丸太小屋の火事。




五郎「2年半か。儚い丸太小屋だったねえ。」

これはすごい迫力でしたね。
丸太小屋をもう1件建てて、ホントに燃やしてしまったんですからね。
上の台詞は、消火後、五郎が中畑と2人きりの時に言ったものです。
あまり泣き言を言わない五郎ですが、さすがにこたえたようですね。

【85点】

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『'84夏』より。
富良野駅で正吉を見送った後、五郎一家はラーメン屋に入る。
そこで純は、火事のことなど、自分の胸に詰まっていたことを全て打ち明ける。
そんな空気を察しない店の者は、ろくに手もつけていない純のラーメンを下げようとする。



五郎「子供がまだ喰ってる途中でしょうが!」

このシーンのインパクトはすごいですよね。
どんな流れだったかを忘れたまま、五郎のこの台詞だけ覚えている人も多いのではないでしょうか。

【90点】(涙)

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『北の国から』 the favorite ⑦

2006-05-25 19:02:37 | 『北の国から』 the favorite
『北の国から』 the favorite ⑦ 『'87初恋』より

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草太はアイコ(美保純)から、つらら(松田美由紀)が結婚したことを聞く。

草太 「相手は…。」
アイコ「職業?」
草太 「いや。…いい奴か?」
アイコ「いい奴。」
    (中略)
草太 「そうか、良かった。そりゃ良かった。」



こういう草太こそ、「いい奴」です。
彼にとって唯一のわだかまりが無くなった瞬間なんでしょうね。
この後、すぐにアイコを口説きます。
さすが草太兄ちゃんです。

【73点】

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れい(横山めぐみ)の家の納屋にて。
尾崎豊の話。
東京の定時制高校の話。
父親の話。
純とれいは意気投合する。



文章で書いてしまうと上の通りなのですが、何とも言えないドキドキ感がありましたよね。
雨とカミナリ。
下着姿。
濡れ髪。
大林宣彦監督の『台風クラブ』のようです。

【88点】

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五郎の誕生日。
五郎は、純が東京行きの話を自分にだけ打ち明けなかったことに怒っていた。
純は純で、五郎に余計な負担をかけさせまいとしていたのだが、



純「情けないじゃないか!父さん近頃、ホントに情けないよ!」

『北の国から』唯一の、五郎と純の取っ組み合いです。
この頃すでに、純のほうが少し背が高くなっていたようですね。
それにしても、五郎は必ず誕生日をぶち壊しにしますね。

【81点】

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五郎と純の大ゲンカの後、家を飛び出した純。
草太が追いかけ、純を諭す。



草太「男は見栄で生きてるもんだ。いくつになっても、男は見栄だ。」
   (中略)
   「男は誰だって、労わられりゃ傷つく。それが男だ。本当の男だ。」

このシーン、TVシリーズとだぶって見えますね。
その時と同じく、純に男とは何たるかを言い聞かせるのです。
草太一番の名言でしょう。

【82点】

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事故で母親を亡くしたれい(横山めぐみ)。
ある雪の日、富良野の街中で純は、久し振りに彼女に会う。




純「大変だったな。」
  「何とも言えねえよ。俺もお袋、亡くしてるから。」

この後2人は、麓郷までずっと歩いて帰ります。
このシーンはけっこう長いのですが、全て好きです。
いえ、この時のれいちゃんが大好きなのです。
1枚目のキャプ写真なんて、最高だと思いません?
まさに美少女。
ホントは、これだけで100点を付けたいくらいなんですけどね。
けれども、これはお話への評価ではなく、れいちゃん個人に惚れているだけなので…。

【87点】

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クリスマスの夜。
れい(横山めぐみ)の家が夜逃げしたことが発覚する。
純は、れいと約束していた納屋の外で、彼女の足跡を見つける。



純(れいちゃん。そりゃあ…ないじゃないか、れいちゃん。)

夜逃げというのもすごいことですが、この情景も印象的でしたよね。
雪の中にぽつんと建つ納屋。
そこに立ち尽くす純。
尾崎豊の『I LOVE YOU』も上手く使われていました。

【79点】

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五郎は純に、東京行きの手筈を整えたことを話す。



五郎「疲れたら、いつでも帰って来い。息が詰まったら、いつでも帰って来い。」
純  「父さん…。」
五郎「クニヘ帰ることは、恥ずかしいことじゃない。」

これから五郎は、ずっと子供を待ち続けることになります。
純と蛍がそろって富良野に帰るのは、これから約10年後になりますからね。

【62点】

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東京へ出る日を迎えた純は、五郎が頼んでおいたトラックに乗せてもらう。
そのトラックの運転手(古尾谷雅人)は、五郎が謝礼として置いていった金を純に渡す。




運転手「ピン札に泥が付いてる。お前の親父の手に付いてた泥だろう。」
     「おら受け取れん。」
     「お前の宝にしろ。貴重なピン札だ。一生とっとけ。」

古尾谷雅人はこの1シーンだけの登場ですが、誰もが忘れられない存在でしょう。
このピン札は、次の『'89帰郷』でも重要な役割となりますからね。
文句なしの高得点です。

【97点】(涙)

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『北の国から』 the favorite ⑧

2006-05-24 23:09:32 | 『北の国から』 the favorite
『北の国から』 the favorite ⑧ 『'89帰郷』より

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五郎は風呂に入っており、蛍は火加減を見ている。
蛍は五郎に、次の春からは旭川に住み込みになることを話そうとするが、



蛍「父さん、寝ちゃダメ。」

このシーンは、最後の純のものと対応させているのでしょうか。
似たような台詞もありますね。
ところで、蛍が大きな声で人を呼ぶ時の、声の張り方。
この時の「父さん」もそうなのですが、既に大人の声になっています。
彼女は当時15~16才のはずですが、やはり女性は早熟ですね。
この点、この時期の純が作品ごとに違って見えるのと対照的です。

【67点】

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蛍と勇次(緒方直人)のファーストキス。
しかし勇次には東京行きの話があり、2人は直ぐに離れ離れになるかも知れない。
木に「H・Y」とイニシャルを彫り始める勇次。




勇次「東京なんか、行きたくねえんだ。」
   「オレはずっと、富良野にいてえんだ。」

ものすごくキレイなラブシーンです。
蛍に対する、スタッフの愛情が感じられますね。
けれども僕は、蛍の恋愛話はあまり好きではありません。
直情的だから、などと理由を付けてもみました。
…が、ただ妬いているだけなのかも知れません。

【82点】

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泥のついたピン札が無くなる。
盗ったのは、水谷(山田明郷)への借金に追い詰められていたアカマン(矢野泰二)だった。




純「金じゃねえ!」
  「…あの札だ!」

この後、水谷への傷害事件へと発展します。
純のピン札への執着。
それを通しての五郎への強い思いが感じられる、迫力のあるシーンでした。

【85点】

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傷害事件の夜。
純は利彦(雪子の夫、村井国夫)から、いつから不良になったのかと説教される。
しかし、大事なものを守りたかっただけの純は、その言葉に強いショックを受け、家を飛び出す。




純「オレは不良じゃない…。」

雨の中で電柱を殴るシーンは、とても印象的でした。
けれども僕は、その前の演技がもっとすごいと思うのです。
利彦に説教されている最中の、純の虚ろな目。
茫然自失というか、頭の中で色々なことがグルグル回っているような雰囲気です。
吉岡秀隆は、この時期にして既に相当な域に達しているように見えます。

【88点】(涙)

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富良野へ帰ってきた純。
次の朝起きると、




純(富良野が誇る往年の番長が、ずらっと4人座ってた。)

これは最高ですね。
髪を染めて帰ってきた純が、有無を言わさず元通りにされます。
年の順に、
・新吉(ガッツ石松)
・クマ(南雲佑介、この『'89帰郷』からは勇助と改名したようです)
・草太
・シンジュク(布施博)
…これは逆らえませんね。

【84点】

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急に東京へ出ることになった勇次(緒方直人)。
彼の家族の手前、表に出れなかった蛍だが、電車を追いかけて見送る。



蛍の十八番、「走って見送る」です。
五郎や純もやりますから、これは家系なのかも知れません。
このシーンに台詞は一切ありませんが、長渕剛の『乾杯』がずっと流れていました。

【83点】

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五郎が入る風呂の火加減を見つつ、純は東京でのことを打ち明ける。




純  「父さん手伝って、一緒に丸太小屋つくっちゃダメかな。」
五郎「そりゃあダメだ。あれは誰にも手伝わせない。」

五郎は子供たちと一緒に暮らしたいはずなのですが、ここでは純を突き放します。
もう少し頑張ってこい、ということなんでしょうね。

【81点】

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『北の国から』 the favorite ⑨

2006-05-23 12:52:43 | 『北の国から』 the favorite
『北の国から』 the favorite ⑨ 『'92巣立ち』より

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数年ぶりに五郎のもとを訪れた正吉。
彼は五郎に金を差し出し、これからもまた返しに来ると言う。
母のみどり(林美智子)が五郎に負わせた借金や、自分が燃やしてしまった丸太小屋のためだ。



正吉「あの時期オレ、おじさんに育ててもらって、オレも息子だと思ってますから。」

この台詞はもちろん本心でしょう。
けれども、純や蛍がほとんど家に帰っていないのを知ったこともあるのでしょうね。
彼は昔から一貫して、強くて優しい子です。

【89点】

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ラブホテルでビデオ鑑賞会をすることになった純とタマコ(祐木奈江)。
タマコは本当にそれだけのつもりであったが、純は気が気でない。
そして、



純(結局、僕はその午後、健さんの目の前で大人の壁を越えた。)

このシーンは、あれこれ説明しても仕方ありませんね。
キャプ写真も健さんです。

【73点】

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タマコ(祐木奈江)のことで連絡を受けた五郎は、東京へ飛んでくる。
純を連れて彼女の叔父(菅原文太)のもとへ行き、頭を下げるが、



叔父「誠意って、何かね?」
   「あんたにとっては、遠くから飛んできて、恥を忍んで頭を下げてる。」
   「それで気持ちは済むのかも知れんがね。」
   「もしも実際、あんたの娘さんが、現実にそういう立場に置かれたら…。」
   「…もういい。わかった。これ以上話しても始まらん。」

「誠意って、何かね?」という台詞。
『北の国から』のファンであれば、誰もが覚えてるであろう名台詞ですよね。
この時、タマコの叔父は、これでもう終いのつもりだったのかも知れません。

【83点】

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誠意とは何か?
これをずっと考え続けた五郎は、丸太を売って慰謝料を作る決意をする。
自分の家のために、2年間1人で皮むきをしてきた丸太だ。
販売の仲介を請け負った金次(大地康雄)だが、やはり理由が気になる。



金次「あんたには、100万は大金だろうさ。」
五郎「大金だ。ギリギリの大金さ、オレにゃ。ギリギリだから、どうしても要るんだ。」
   「誠意ってやつさ。」

結局、タマコの側はこれを受け取らず、純を介して返そうとします。
しかし、五郎は五郎で、頑として受け取りません。
相当な覚悟だったのでしょうね。

【77点】

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五郎が丸太を売ってしまったことを知った中畑。
大慌てで五郎を探すが、




五郎「熊に遭っちゃった。」
   (中略)
中畑「お前さっき、髪の毛逆立ってたもんなあ。」
五郎「逆立ってたかい?」
中畑「髪の毛逆立つって、初めて見たぞ。薄くても髪の毛って逆立つもんなんだなあ。」

この時、中畑は五郎をどやしつけるつもりだったのでしょう。
…が、完全に毒気を抜かれてしまいましたね。
このシーン、僕は大ウケでした。

【84点】

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タマコ(祐木奈江)が、久し振りに純の前に現れた。
彼女は、鹿児島へ帰ると言う。



タマコ「東京はもういい。あたし、卒業する。」
    「純君とのこと、楽しかった。あたし全然、後悔してないから。」

純の歴代の恋人たちの中で、彼女は一番影が薄いですね。
1話限りだったからでしょうか。
けれども、「東京を卒業」というキーワードは、この後も使われ続けますね。

【81点】

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吹雪の中で事故に遭った五郎。
長い間もがくが、ついに気を失いそうになる。
その時、令子(いしだあゆみ)の幻が現れる。



五郎「オイラ…もう、これでいのかな?あいつらへの責任を…。」
令子「まだダメよ。」
五郎「どうして?」
   「これ以上、オレがしゃしゃり出たって、あいつら、迷惑に感じるだけだ。」
   「あいつら、自分で責任取りたがってる。」
令子「ダメ。」
五郎「なぜ?」
令子「あの子たち、まだ巣立ったばかりだから。」
五郎「しかし…。」
令子「また直ぐきっと、巣に戻りたくなるから。」

「令子の幻」と書きましたが、これは幽霊なのでしょうね。
五郎を追い返しに来たのですから、彼の思いが生み出したものではないように思います。
そう考えると、彼女が大事そうにラベンダーを抱えていることに、少し涙が出ました。

【82点】(涙)

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五郎が事故にあった翌々日。
純と蛍は、手を貸してくれた金次(大地康雄)に礼を言いに行く。
五郎が助かったのは運が良かったと皆が言うが、



金次「あいつは、自分で生きたんだ。」
   「お前ら若い者に、このまねが出来るか?」
   (中略)
   「あいつは…すごい。たった一人で…。オラ、涙が出る。本当に…涙が出る。」

ホントに涙が出ます。
ここまで書いて気付きましたが、『'92巣立ち』は数々の名優に支えられていますね。
・高倉健(え?)
・菅原文太
・いしだあゆみ
・大地康雄
豪華なゲスト陣です。

【89点】(涙)

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五郎の心配をする蛍は、決まっていた札幌行きを止めると言い出す。
しかし、富良野に帰る決意をしていた純は、その必要はないと言う。
親父はもう割り切っているはずだ、と。



純「オレに任せろよ。今度は、お前の番だもんな。」
  (中略)
  「親父のことは、オレに任せろ。」

珍しいと言っては失礼ですが、純の兄らしい発言です。
『'87初恋』で草太に言われたことを、ようやく実感しはじめているようですね。

【86点】

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『北の国から』 the favorite ⑩

2006-05-22 17:01:24 | 『北の国から』 the favorite
『北の国から』 the favorite ⑩ 『'95秘密』より

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古時計がきっかけで知り合った純とシュウ(宮沢りえ)。
お互いに東京へ出ていたことも知り、二人は意気投合するが、




シュウ「ねえ、東京…楽しかった?」
純   「どうかな。まあ、けっこう…いろいろあったよ。」
シュウ「うん。」
純   「卒業したんだ。東京はもう。」
シュウ「いい言葉。私も…卒業した。」

前作『'92巣立ち』からのキーワードが使われています。
シュウは基本的にハイテンションですよね。
その分、辛いことがあった時との落差が大きいようです。
いや、「元気を装ってる」と言ったほうが正しいのかも知れません。

【70点】

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純は、シュウ(宮沢りえ)と毎日会うようになっていた。
五郎とところへも、何度となく連れて行っている。
一方で純は、蛍が駆け落ちしたことを五郎には言えないでいた。
五郎はシュウのことをすっかり気に入り、娘のように可愛がるが、それが純には辛かった。



石の家はこの『'95秘密』から登場します。
このシーンで風車を取り付けていますが、和やかでキレイな場面ですよね。
ところで、この風車は発電用ではないようです。
よく見ると、五郎が『'92巣立ち』で掘った井戸の上に取り付けられています。
井戸水の汲み上げ用の動力だったんですね。

【76点】

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蛍が純のアパートに姿を現す。
これから落石へ行くという彼女を、純は車で送ってやる。



純(改札口に入っていった蛍の後姿が、焼きついていた。)
  (それは、これまで僕が知る蛍とは全く違った、蛍の背中だった。)
  (背中は、世のしきたりに逆らう、妙に凛とした強さを持っており、)
  (父さんや僕や家族のしがらみなど、小気味良い程に拒絶していて…)

このシーン、実は数に入れるかどうかを迷っていました。
…が、キャプ写真にしてじっくり見て、ひとつ思ったことがあります。
これは「蛍そのもの」なのではないでしょうか。
虫のホタルです。
1人で必死に輝く、季節外れのホタル(劇中の季節は秋でした)。
画面の光は駅や街灯のものでしょうが、純には蛍がまぶしく見えたのではないでしょうか。
それに思った時、僕は泣けてきました。

【93点】(涙)

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シュウ(宮沢りえ)がAVに出ていた過去を知ってしまった純。
れい(横山めぐみ)の声を聞きたくなってTELするが、彼女は結婚することを決めたと告げる。



純  「おめでとう。」
れい「本当に、喜んでくれる?」
純  「寂しいけど、ホント…良かったと思ってるよ。」
れい「ありがとう。」
   「純君、何かあったの?」
純  「どうして?」
れい「すごく…何だか、優しいから。昔の純君と話してるみたい。」

れいは、ここでは声だけでの出演です。
この時期、あまり上手くいってなかった2人ですが、やはり純は、彼女には心を開いているんですね。

【73点】

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蛍と駆け落ちした医者、黒木の妻(大竹しのぶ)が五郎のもとを訪れる。
五郎ははじめて事実を知り、呆然とする。




黒木「同棲しています。駆け落ちしたんです。」

このシーンは、『北の国から』で唯一、田中邦衛が撮り直しを要求した場面だそうです。
「呆然とする」場面。
彼は最初、そういう演技をしたそうなのですが、演技をした時点で既に意識が働いてしまっている。
つまり、本当には呆然としていない。
そう考えて、次の日にやり直しをお願いしたとか。
奥が深いですねえ。

【70点】

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五郎と純は、落石にいる蛍の様子を見に行った。
ずっと本音を言えなかった五郎だが、





五郎「蛍!」
   「いつでも、富良野に帰って来るんだぞ!」
蛍  「父さん。あたし1人の時は、ホントは毎日、自分を責めてるの。」
   「でも、今は、どうしようもなくて…。」
   「ごめんなさい…。」

このシーン、一連の流れで言えば20分弱の長さがあります。
・落石へ着いたは良いが、蛍にかける言葉が思いつかない五郎。
・とりあえず、純が1人で会いに行く。
 しかし蛍は、五郎も来ていることを感付いている。
・純と蛍は、五郎のいる食堂へ行く。
 しかし五郎は、上辺のことしか言えない。
・そして…(キャプ写真のシーンへ)
ちょうど真ん中、食堂のあたりから、僕は泣きっ放しになります。
五郎が言いたいことは、いつも1つだけ。
ずっと涙をこらえていた蛍も、ついには感情を爆発させます。
最後は号泣でした。
というか、思い出すだけで泣けます。

【100点】(涙)

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五郎とシュウ(宮沢りえ)は、2人で吹上温泉へ行く。
そこでシュウは、純とはもうダメかも知れないと話す。



シュウ「昔のことがね、引っ掛かってるみたい。」
五郎  「昔の?」
シュウ「私の…人に言いたくない、昔のこと。それを、純君が気付いたみたいで。」
    「言ってもいいのよ、私は別に…。」

宮沢りえは、信じられないくらいキレイですねえ。
今もキレイですが、この頃は若さもありました。
学生時代のれい(横山めぐみ)といい、純はいいとこ取りですね。
ところでこの後、中畑と新吉(ガッツ石松)が乱入してきます。
こごみ(児島美ゆき)のことといい、五郎は何かあると直ぐに人にバレますね。



【76点】

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純は、シュウ(宮沢りえ)が待つ喫茶店へ行く。
そこでシュウは、自分の過去を打ち明ける。



純はここで、シュウの過去を受け入れてやります。
「そういう(洗って落ちない)汚れは、どうしたらいい?」
ここへ来る前の、五郎の言葉が聞いているのでしょうね。
ここで出てくる喫茶店は、「北時計」というお店です。
窓の外の雪と、中のランプの灯りとが印象的でした。

【87点】

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