連日デートで疲れるわ

2号側室は父親の顔を知らないそうな　従って我を父親と思って懐いて

慕っているのだという　優しく接する程に次回のデートを約束させられる

のである　出生の経緯を問うのを憚れるほどに痛々しいのでこちらも強いて

は聴かないのである　で彼女は最近いい踊りの先生に巡り会えて喜んでいる

孤独な女性なのです　そうそれで彼女と食事しにニーハオという屋号の中華店に

行った時のことである　店員に注文した後ふと窓越しにその店の駐車場を

見ると今、車椅子のマークの付いたワゴン車から運転してきた娘が車から母親の

乗った車椅子を下ろして店の扉前で石段を押して上がろうとしているのだが

なかなか上がれないのである　それを見た2号側室は直にそこへ駆けつけて

くるりとその母親の乗った車椅子を回転させて180°向きを変えて引っ張って

上げて店内に入れて上げたのです。　なんて機敏なことか　その娘と母親

は丁重にお礼をしていたが　彼女は今介護の仕事を遣っているので

自然に手が出たのであろう　彼女はいつも自分はダメな女と卑下しているが

どうしてどうして立派に今も社会の役に立っているではないか

見て見ぬふりする現在　斯様に自然に体が動く彼女は素晴らしいと口には

出さねど感心したものである　と我々は食事を済まし店を出る時に又々彼女は

その娘と車椅子の母親へ店を出る時あの石段の下ろし方のアドバイスをしていた

のであります　何て親切なことよ