素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

ウルトラマンジード 第7話「サクリファイス」

2017-08-19 22:00:00 | ウルトラマンジード
“大いなる計画”の障害となるウルトラマンゼロを抹殺すべく、ついに伏井出ケイが動き出す。自らの講演会を利用して、集まった大勢のファンを人質に取ると、講演会に招いていたレイト=ゼロの前にギャラクトロンを召喚し、ある条件を突きつける! 危機的状況を打破しようと戦いに臨んだウルトラマンジードもギャラクトロンを相手に大苦戦。卑劣なケイの策略に、ゼロは真っ向から立向う!


不穏すぎるサブタイトル「サクリファイス」
「目だけ切り抜かれた影絵」を
子供たちが「怖い」とたいへん怖がっていました。なんか怖いよね。

「駒の配置は整いました。が、予想外の一手が道をふさいでしまった。
 ゲームにバグはつきもの、早くとりのぞけば済む話です。
『すべてを無に帰す虚空の数、ゼロ』 面白くなってきましたね」


6話「そろそろ邪魔者には退場していただきましょうか」は、やっぱりゼロさんのことでしたよ。
というわけでケイ先生。人気シリーズの元ネタは、まさかの実体験だったというオチ。

「正義の名の下に輝きの騎士団をあやつり、宇宙のすべてを支配したヴァルグ王に
 勇者アガムは戦いを挑みます。しかし返り討ちにあい、反逆者として追放される」

「初期三部作の中で、人気の高いキャラと言えば誰でしょう?」
「輝きの騎士、ゾーラ!」
「そうです。悪役にも関わらずゾーラの人気はとても高い。
 勇者アガムと幾度も激しい戦いを繰り広げます」


「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」を下敷きにしてるんだから
そりゃ人気小説になるわけですよね!って思いましたが、
面白い事象があったとしても、それを文章化して面白く仕上げるにはそれなりの才能が必要なわけで
(普段から駄文を書いてると、その辺を痛感するんだぜ)
やっぱケイ先生はすごいよな!

っていうか、ケイはベリアルとは別の存在なんですよね。
でも、ゼロいわく「この本も内容も、あの戦いを見たとしか思えない」ということで、
じゃあ執筆したのはベリアルの戦いすべてに参加している腹心の部下? ・・・そんな人いたっけ?
ベリアルが懇切丁寧に過去の経験を語ってくれたんだろうか。意外と自慢好き?
もしくは、宇宙に浮いてるだけで暇してる陛下が、自ら筆をとって書き上げたのかもしれん。陛下にこんな文才が!

ケイに求められ、握手に応じるゼロ。
この場合は応じざるを得ないだろ、という気はしますが、
それにしても、握手したよ、しちゃったよ!感がすごい。絵面がすごいぞ。

そして、続くシーンがめちゃくちゃ面白かったですね。

「では新しい登場人物は普通のお父さんにしましょう。
 彼は何がきっかけで輝きの騎士になるのか。なにか、アイデアはありませんか?
 ・・・いきなり聞かれても困りますよね? ではこうしましょう。
 私は、あなたの敵役です。そしてあなたをこう脅す。
 『動くな、動けばこの建物ごと集まった人間を吹き飛ばす。
  おまえの妻と、子供も一緒だ。跡形もなく焼き尽くす』」
「お前はどうなる?」
「迫真の演技、いいですねぇ。もちろん、私は無事です」
「目的はなんだ!」
「目的は・・・お前だ。
 お前の中にはゾーラの魂が宿っている。その魂を、肉体ごと滅ぼしてやる」


大衆の目の前で地球の運命を左右する真剣勝負が行われているというのに
気づくことなく、エンターテイメントだなと楽しく見ている、その温度差が、いいよな。

さて頼れる兄貴なゼロさん、何があっても死なないだろうとタカをくくっていたんですが、
現状では、レイトが死んだら道連れなんですね。倒すなら!いまが超絶!チャンスじゃないですか!

というわけで。

「誰もがウルトラマンジードの戦いを見ています。あなたの死を見届ける者はいない。
 一人さびしく、逝きなさい」


という残酷なケイの言葉を背に、リクやレイト、そして彼の愛する者たちを守るために走りだすゼロ。
サブタイが怖いよ。犠牲とかやめようぜ。誰か一人を犠牲にした未来なんていらないよ!

その他あれこれ。

・特別講演会の抽選会に外れて荒れる店長が、もう他人事とは思えない

・伏井出ケイにあったレイト(ゼロ)が何か反応見せるかと思ったけど
 意外とその辺は嗅覚働かないんですね。

「ペガも小説書けたらなぁ・・・造花より儲かるのに」
 判断基準そこかい!っていうね。ネットビジネスでも始めてみてはどうか。アフィリエイトとか。

・ケイの小説を読まなくちゃいけないゼロと、別段読む気もないレイトとの激しい攻防が
 すごい演技ですよね。電王の、名高い一人芝居を思い出させるなぁ。あっちは四人分ですが。

・店長の正装や丁寧言葉がとにかくひどい(苦笑)

・ケイににらまれて退散するペガの、くるくるボッシュートが超絶可愛い。

・講演会会場に貼られたポスター「好評発売中 時空破壊」
 これもう完全にリアルタイムで進行中なやつじゃん!
 ほかにも「暗黒遺伝子」っていうポスターもあって、
 伏井出先生の本はアマゾンでも買えますか? 取り寄せしたいんですけど!

・ライハ
 ライハは最初からケイに疑惑の目を向けていたし、
 なんか知ってる雰囲気がすごいんですよね。
 あげくにこのセリフ。

「あなたが怪獣を操っているの? あの怪獣に変身した人間は誰!?」
「人間が怪獣に?面白いアイデアですね」


 どういうことなんだ。怪獣とは、人間が変身したものなのか?
 ここのセリフがめちゃくちゃ怖いです。いずれ回収されると思いますが。

・ギャラクトロン。
 お久しぶり。ハワイ以来。
 アクションに伴う魔法陣テイストな効果が、やっぱりめちゃくちゃ格好良い。
 本名が「シビルジャッジメンター ギャラクトロン」だとは知りませんでした。二つ名的な?
 解説によると「争いをなくすために、文明を破壊しようとするロボットです」とのこと。

 外見や音声、特殊効果とか大好きな怪獣である一方、
 「ここの惑星、争いばっかしてるから全部リセットするね!」っていう、迷惑このうえないおせっかい体質で
 見知らぬ他人がずかずかと茶の間に上り込んできて、
 頼みもしないのに勝手に断罪してくるっつー印象があります。あれな、暴走する正義。

 つまり「お前の言いたいことはよーくわかったから、帰って自分ちでやれ」っていう。
 もーう、よりにもよってこんな面倒なヤツ呼んでくるなよな!

・ケイ先生。ジャグラー枠を埋めるには先人が偉大すぎるよね?と思ってましたが、
 だんだん、こう、ねばっこいイヤラシイ感じをむんむんと漂わせてきたので
 「いいぞ!もっとやれ!」的に応援しております。
 頑張れケイ先生! ちなみに作家先生スタイルの方が好みです。

前のエピソード <<<     >>> 次のエピソード