退去予定の時の更新料

2017-03-14 18:09:32 | 借地借家人の更新料問題の情報

サルスベリ 実になった種には遠くへ飛んで行く翼がある

相談者

2年前から建物を借りていて、今回更新の時期を迎え、家主から2年間の期間の更新をするかどうかを聞かれました。ただ、あと2ヶ月で大学を卒業し、その後は就職先の寮に入ることになっています。この場合も、更新料として全額を支払わなければいけないのでしょうか。

契約書には、更新する時は賃料の1か月分の更新料を支払わなくてはならないと記載されています。

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弁護士の回答

約定更新料の24分2、(12分の1)で交渉してみて下さい。交渉がまとまらず、家主が敷金から差し引いてしまったら、調停又は訴訟で裁判所の判断を受ける事を勧めます。

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貴方の相談は、更新料の法律的な性質に関係します。「更新料は、一般に、賃料の補充ないし前払い、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である」との最高裁の判例(平成23年15日判決。判例時報2135号)の趣旨からすれば、更新期間2年(24ヶ月)のうちの2ヶ月分、すなわち12分の1の更新料でいいとも考えられます。

なぜなら、「賃料の補充ないし前払い」であるなら2年分のうちの居住する機関分(あなたの場合2ヶ月)で十分であり、「賃貸借を継続する対価」の支払いも2年分の2ヶ月でいいはずだからです。

たった2ヶ月しか継続しないのに2年継続する分の更新料を全額支払わなければならないというのは、著しく公平の原則に反し、借家人に酷です。

したがって、家主が全額請求してきたらこの点を強調して交渉すべきでしょう。

交渉がまとまらないと家主は敷金から差し引いてしまうことが考えられますが、その場合は、第三者、つまり裁判所の判断を仰いでみるのも一方法です。

そのためには、こちらから調停の申し立てをするか訴訟を起こすことになります。そこでは、家主の請求が違法・不当であることの法律上の根拠として、信義誠実の原則、権利濫用を主張することになるでしょう(民法1条)

学校を卒業して就職する方、転勤、結婚と引っ越しの多い季節、皆さん参考にしてください。

借地借家の問題はどんな些細な問題も、借地借家人組合に相談に来て下さい。

足立借地借家人組合

足立区千住1-26-7

問い合わせ番号

電話03-3882-0055

☎080-5378-1881


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