マーラーのCD、LP、SACD、ライブ演奏等から
最高のマーラー演奏は何かを、
少しずつ追記していく形で
まとめてみたいと思います。
指揮、楽団(ホール)、録音と
3拍子揃う事例は少ないけれど、
私の現時点の独断と偏見で、
マーラーのお勧めCD(SACD)、ライブ演奏から、
優れた指揮者に的を絞ります。
☆〔ランクはAが最も高くなっています〕
★★★★★ ランク A ★★★★★ 最高!
A----------------------------------------------------
A 指揮 :マイケル・ティルソン・トーマス (MTT)
A オーケストラ:サンフランシスコ交響楽団
A----------------------------------------------------
photo sfs mahler 2
講評 ダントツのランクAです。
他を大きく引き離しています。
演奏も最高だけど、驚くべきは録音!!!
ドイツの録音集団が担当しているという
この、ライブのDSD録音は、リアルさ、音色の自然さ、
気品ある雰囲気と
今までの録音を数倍も上回る
驚異的レベルに達しています。
指揮者、録音、オーケストラと3拍子揃って素晴らしいです。
録音はどれもこれも超絶的自然音響(表現がおかしいか?)
弦も管も打楽器もリアリティが高いという意味です。
8番、大地の歌、10番はまだリリースされていません。
既出については、どれをとっても格別の出来栄えですが、
まず、どれかを聴いてみようと思われる方には、まず6番、
次に3番をお勧めします。
新宿タワーレコード、新宿HMV等大きなところでしか
扱っていないけど、HMVのWEBサイトで結構格安で
買えるのであなたも簡単に手に出来ます。
SACDプレーヤーでマルチ録音を聴くと、2chとは
まったく違う世界が広がります。
http://www.shopsfsymphony.org/category.jsp?category=11
★★★★ ランク B ★★★★ 高水準
ランクB どれもこれも、水準が高く、甲乙付け難いです。
順番は、お勧め順かもしれませんが、順不同ともいえるかもしれません。
B--------------------------------------------------------
B 指揮 :リッカルド・シャイー
B オーケストラ :ロイアル・コンセルトヘボウ(アムステルダム)
B--------------------------------------------------------
講評 これはなかなか良い出来です。
惚れ惚れするような、ハッとする美しさが随所で聴かれます。
特に木管を核とした楽器のブレンドの絶妙な上手さは
なかなか他で聴けるものではありません。
マーラーをよく研究している指揮者だと感じます。
B--------------------------------------------------------
B 指揮 :ガリー・ベルティー二
B オーケストラ :ケルン放送交響楽団 及び 東京都交響楽団
B--------------------------------------------------------
講評 写真はケルン放送交響楽団との全集です。
ケルン放響との全集は、
マイケル・ティルソン・トーマス(MTT)が、
まだ全集を完成させていない現時点では、
全集としては、最高の出来ではないでしょうか?
マーラーが良く分かっている指揮者で、
解釈では相当高いレベルです。
録音は曲によって少々むらがあるものの、
概して好印象の録音です。雰囲気が出ています。
東京都交響楽団とのマーラー集は、
私も、6,7,8番と実際に浦和の埼玉会館で聴いています。
多少早めのテンポで中庸にまとめていました。
CDについては、SACD(CD)が揃ったところで、
書こうと思います。
B--------------------------------------------------------
B 指揮 :レナード・バーンスタイン
B オーケストラ :ヴィーンフィル 及び
B ニューヨークフィル、コンセルトへボウ
B--------------------------------------------------------
B--------------------------------------------------------
B 指揮 :クリストフ・エッシェンバッハ
B オーケストラ :パリ管弦楽団 及び フィラデルフィア管弦楽団
B--------------------------------------------------------
B--------------------------------------------------------
B 指揮 :クリストフ・フォン・ドホナーニ
B オーケストラ :クリーブランド管弦楽団
B--------------------------------------------------------
B--------------------------------------------------------
B 指揮 :クラウディオ・アッバード
B オーケストラ :ベルリンフィル 及び ルツェルン祝祭.O
B--------------------------------------------------------
B--------------------------------------------------------
B 指揮 :ベンジャミン・ザンダー
B オーケストラ :フィルハーモニア.O
B--------------------------------------------------------
B--------------------------------------------------------
B 指揮 :ズービン・メータ
B オーケストラ :イスラエルフィル 及び ロサンジェルスフィル
B :バイエルン放響
B--------------------------------------------------------
★★ ランク C ★★ 平均的
平均的・・ むらがあるけど お勧めです。
C--------------------------------------------------------
C 指揮 :クラウス・テンシュテット
C オーケストラ :ロンドン響
C--------------------------------------------------------
講評
まず録音ですが、EMIの録音ですのでかなり個性的な音作りです。
何か全編垢抜けず、うっすらと朝もやを感じながらも
それなりにまとめてある感じ。
結構超低音なんか入っていて、ビリビリと部屋を振動させる部分もあります。
トータル水準をちょっと下回るレベルです。
演奏は、力が入って熱気が感じられることもありますが、
たとえば、3番の第6楽章は、異様に速いテンポで進み、
「この指揮者は何も感じないんだな!!」と思うことも。。
熱気もいいのですが、デリカシーと言うか。。。
マーラーが分かっていないのではないかという疑問も・・・(きつい一言)
C--------------------------------------------------------
C 指揮 :ミヒャエル・ギーレン
C オーケストラ :SWR Sinfoniker
C--------------------------------------------------------
講評
個人的には、Bでもいいと思っています。
むか―――し N響 を7番で指揮していました。
TVで見たのを覚えています。
6番の第2楽章は、遅めに雰囲気たっぷりなちょっと神秘的な演奏で
私は一番好きな演奏ですけど、4番を聴いていると、何だろうな??
と思ったりします。
部分的に素晴らしい解釈、個性的な解釈が点在していて、
とても好きな指揮者の一人です。
★ ランク D ★
------ お好きならば ------ 部分的にはお勧めです。
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D 指揮 :ゲオルク・ショルティ
D オーケストラ :シカゴ響
D--------------------------------------------------------
D--------------------------------------------------------
D 指揮 :ピエール・ブーレーズ
D オーケストラ :ヴィーンpo クリーヴランド管
D--------------------------------------------------------
講評
6番が発売になった時はあの人もマーラーを振るのかと
ちょっと驚きでした。6番はまぁまぁのまとめ方で、
後続も期待して聴いていきました。
結局『大した事無いな・・』と思うに至りました。
やはり深層に共感できるものが無いと駄目です。
MTTが素晴らしいと思う理由は、
(録音も知的解釈も素晴らしいのですが)
やはり魂の深層の部分でマーラーとMTTに共感できるからだと思います。
ブーレーズは特に6番を気に入っていて、十八番にしている節があります。
マーラーユーゲントオーケストラと東京で6番を演奏していました。
NHK-TVで見ただけですが、1st トランペットですが、
音が合っていませんでした。ちょっと上ずっている。
聴きづらいったらありゃしないのに、結局最後まで直させもせず、
平気で指揮しているブーレーズって・・・・疑問符
もう、80歳を過ぎているんですね。若かりし頃は現代音楽の
作曲家として周知されていた筈なのに、
もう、耳も老化しているのでしょうか?
もしかしたら、ブーレーズっていうだけで
皆、魔法にかかってしまうのでしょうか。
私は魂の深い部分で、共鳴できないのです。
あの人が本当にマーラーを好きだとは思えない。
★ ランク E ★
お勧めできない 最悪のマーラー(指揮者にはかわいそうだが)
E----------------------------------------------------------
E 指揮 :エリアフ・インバル
E オーケストラ :フランクフルト放送交響楽団
E----------------------------------------------------------
まず演奏ですが・・・・
ううんん。
全体としてパッとせず、少々退屈します。
まぁ、細部には工夫の跡がありますが、
インバルファンには悪いが・・・・「へたくそ!!」
そして・・・・録音が最悪!! 一体何! この録音は!!!
DENONのPCM おそらく16ビットPCMだろう
初期の救いようも無い自社デジタル技術を過信していたのか、
ワンポイント録音ときた。。。。。。
最初はそれほど変わった録音とは分からないかもしれません。
聴き進むうちに、「何かおかしい、不自然だ」と思うようになるのです。
音のセンスが変だし、残響もとても不思議なくらい拾えていないかも。
音楽的録音とは言えないような気がします。
初期のPCMといえども、他社の録音なら、
超高音域が物理的に入っていなくとも、
それなりの気配が感じられるものなのに、
この録音には超高音域の雰囲気が微塵も感じられず、
ばさっりと切られています。
作られた人工的な音。
明瞭さも、よく聴くと不足。
音も甘め。弦も、管も本当の楽器の音ではない!!!
楽器をやったことのある、本当の音を知っている人なら、
絶対分かるはずです。
とにかく、聴けば聴くほどおかしな録音であることが分かってくる。
私は、インバルを東京で実際に聴いています。
個人的に特別なこだわりはありませんが、この録音は失敗ですね。
がんばって欲しいとは思っているが・・・・・残念です。
しかし18年ほど前、例えばマーラーの8番がCD2枚組みで
出た当時、私は 6、000円も出して購入したのに、
一回聴いてお蔵行き。
本当に高すぎる買い物でした。
今は、その値段で全集が買えるようですよ。
安くてもお勧めはしませんけど。