弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

バングラデシュのニュース(2019/10/29) ◆ロヒンギャ難民について

2019年10月30日 | バングラデシュのニュース

◆イベント情報◆
〇BJITとバングラデシュ国立ダッカ大学がプログラミングコンテスト
 「Code Samurai 2019(コードサムライ2019)」を開催 11/1,2
 http://www.codesamuraibd.net/
〇バングラデシュICT人材活用セミナー・交流会 11/15
 https://www.fujitsu.com/jp/group/fri/resources/events/other/bangladesh-humanresource-201911.html
〇「広島支局」外国人材活用セミナーのお知らせ 11/20
 http://www.imm.or.jp/images/20191120.pdf
〇ソーシャルビジネスの第一人者が集結!一歩踏み出すヒントを得る6時間 11/20
 https://ideasforgood.jp/2019/10/18/social-business-forum/
〇2019年度地球市民のための講座&交流シリーズ 
 「バングラデシュを知ろう!~ロヒンギャ難民と少数民族の村を訪ねて~」 11/23
 https://www.pref.kagawa.lg.jp/content/dir5/dir5_6/dir5_6_3/wf65li191024132131.shtml
〇Japan Action Tank Forum 2019 11/24 
 http://japanactiontank.jp/forum2019.html
〇【小学生対象】世界のゴミ問題を知ろう!-バングラデシュのクイズに挑戦!- 11/24
  https://www.jica.go.jp/hiroba/information/event/2019/191124_01.html


■見出し(2019年10月29日) No2019-49
〇2019年度地球市民のための講座&交流シリーズ
 「バングラデシュを知ろう!~ロヒンギャ難民と少数民族の村を訪ねて~」
〇声明案にロヒンギャ問題言及なし
〇ロヒンギャ迫害問題でミャンマー政府を批判 国連
〇ロヒンギャ帰還、ミャンマーは善処を=安倍首相
〇安倍首相「ロヒンギャ帰還を」スー・チー国家顧問と会談
〇バングラ政府によるロヒンギャの島移住計画、人権団体が「同意」に疑問符
〇バングラデシュ政府、ロヒンギャ族を島に移住させる計画
〇バングラのロヒンギャ難民、20年前に出現した島への移住に一部が同意
〇デヴィ夫人、“マレフィセント”なりきり特別映像公開 アンジーも大絶賛
〇解決見えないロヒンギャの現場 大流出から2年の今を見た


■2019年度地球市民のための講座&交流シリーズ
 「バングラデシュを知ろう!~ロヒンギャ難民と少数民族の村を訪ねて~」
 https://www.pref.kagawa.lg.jp/content/dir5/dir5_6/dir5_6_3/wf65li191024132131.s
html
 (香川県 2019年10月24日)

バングラデシュのロヒンギャ難民や少数民族の問題について聞いたことがありますか?日
本ではあまり報道されていないバングラデシュの現状や課題について、現地を訪れたメン
バーがわかりやすく報告します。また、高松市に拠点を置き、現地で少数民族の子どもた
ちへの教育支援を行っているNGO「aste(アステ)」の活動紹介や、バングラデシュのお菓
子を楽しみながら、現地の人々の生活や食文化などについて紹介するコーナーもあります
ので、ぜひご参加ください!

日時:11月23日(土曜日・祝日)13時から15時(受付12時30分から)
会場:アイパル香川 中2階交流フロアー(高松市番町1ー11ー63)
参加費:無料
主催等:
[主催]aste、公益財団法人香川県国際交流協会
[後援]高松市教育委員会
問合せ
実施事務局090ー8971ー5000
事前申し込みは不要です。
詳細は、別添のチラシをご覧ください。

バングラデシュを知ろう チラシ(pdf形式 727 KB)
 https://www.pref.kagawa.lg.jp/content/etc/web/upfiles/wf65li191024132131_f01.pdf

 

■声明案にロヒンギャ問題言及なし
 https://www.nishinippon.co.jp/item/o/554429/
 (西日本新聞社 2019年10月27日)

 タイの首都バンコクで来月4日に開かれる東アジアサミットの議長声明草案が、ミャンマ
ーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャの迫害問題に全く言及していないことが27日明らか
になった。共同通信が草案を入手した。昨年の声明はロヒンギャが置かれた人道状況に対
し「懸念」を表明していた。
 東アジアサミットには、日米中ロや東南アジア諸国連合(ASEAN)など計18カ国の首脳ら
が出席。ASEAN外交筋によると、ミャンマーがロヒンギャ問題を記載しないよう強く求めた。
ミャンマー国軍幹部に制裁を科すなどして批判を強める米国の干渉を嫌ったとみられる。

 

■ロヒンギャ迫害問題でミャンマー政府を批判 国連
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191024/k10012146561000.html
 (NHK 2019年10月24日)

 ミャンマーで、少数派のロヒンギャの人たちが迫害されている問題で、国連の調査責任
者は、ミャンマー政府は解決に向けた措置をとっていないと批判し、早期の対応を求めま
した。
 ミャンマーでは、おととし8月、少数派のイスラム教徒ロヒンギャの武装勢力に対して
軍が大規模な掃討作戦を行ったのをきっかけに、70万人余りが隣国バングラデシュに避難
する人道危機になり、帰還のめどは立っていません。
 国連はロヒンギャへの迫害を追及する独立調査委員会を設置し定期的に報告書をまとめ
ていて、調査責任者を務めるダルスマン委員長などが23日、国連本部で記者会見しました

 この中でダルスマン委員長は、今もミャンマー国内で避難を余儀なくされている60万人
のロヒンギャの人たちは地域社会から隔離され移動も制限されているとしたうえで、「ミ
ャンマー政府は解決に向けた措置をとっていない」と批判し、早期の対応を求めました。
 また、同席したイ・ヤンヒ特別報告者は、ロヒンギャへの迫害を主導する軍が、ミャン
マーの特産品で世界の産出量の9割を占めるひすい鉱山の利権を握っていて、産出された
ひすいを中国がすべて輸入することで軍を支援する形になっている、などと指摘しました。
 そのうえで「投資やビジネスをする場合は人権問題を優先すべきだ」と述べ、ミャンマ
ーとの経済的な取り引きは慎重に行うよう、中国をはじめとする周辺国に呼びかけました。

 

■ロヒンギャ帰還、ミャンマーは善処を=安倍首相
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2019102100904&g=pol
 (時事通信 2019年10月21日)

 安倍晋三首相は21日、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問と東京・元赤
坂の迎賓館で会談した。同国西部ラカイン州で迫害を受けたイスラム系少数民族ロヒンギ
ャが隣国バングラデシュに避難している問題をめぐり、首相は「ミャンマー政府・国軍が
適切な措置を速やかに取ることが不可欠だ」と善処を要請。スー・チー氏は「必要な措置
を取ることにちゅうちょしない」と応じた。

 

■安倍首相「ロヒンギャ帰還を」スー・チー国家顧問と会談
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191021/k10012142231000.html
 (NHK 2019年10月21日)

安倍総理大臣は、22日の「即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)」に参列するため
日本を訪れているミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問と会談し、隣国に避難
している少数派・ロヒンギャの人たちの速やかな帰還に向けて適切な措置をとるよう求め
ました。
会談は、21日午前、東京・港区の迎賓館で、およそ15分間行われました。

このなかで、安倍総理大臣は、アウン・サン・スー・チー国家顧問が取り組んでいる、ミ
ャンマーの民主的な国づくりを、引き続き支援していく考えを伝えました。
そのうえで、隣国のバングラデシュに避難している、少数派のイスラム教徒・ロヒンギャ
の人たちに対する人権侵害の疑いについて「ミャンマー政府と軍が、適切な措置を速やか
にとることが不可欠で、帰還に向けた環境整備も重要だ」と述べ、適切な措置をとるよう
求めました。
これに対し、スー・チー氏は「必要な措置をとることにちゅうちょせず、正しく対応する
考えだ」と応じました。
また、安倍総理大臣は、インド洋の島国・モルディブのソリ大統領とも会談し「モルディ
ブは、海上交通路の要衝に位置する重要なパートナーであり、アメリカやインドとともに
連携を強化したい」と述べ、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、協力を強化し
ていくことで一致しました。

 

■バングラ政府によるロヒンギャの島移住計画、人権団体が「同意」に疑問符
 https://www.afpbb.com/articles/-/3251862?cx_part=search
 (AFP通信 2019年10月28日)

 ミャンマーから逃れてきたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)をめぐり、多数
のロヒンギャがベンガル湾(Bay of Bengal)に浮かぶ島へ移住する用意ができているとす
るバングラデシュ政府の主張に対し、国際的な人権団体が25日、疑問の声を上げた。この
島をめぐっては、自然災害を受けやすいなどの指摘がある。
 政府当局は6000~7000人の難民が11月に開始される島への移住に前向きな意思を示して
いると話していた。
 ミャンマーとの国境に近いコックスバザール(Cox’s Bazaar)にある複数のキャンプに
は、100万人近いロヒンギャが過密状態の中で暮らしている。このため、バングラデシュ政
府は以前から、沈泥によって形成された島「ブハシャンチャール(Bhashan Char)」に約1
0万人を移住させたいと考えていた。
 ロヒンギャをめぐっては2017年8月、ミャンマー軍の弾圧に直面して既に約74万人の難民
がミャンマーを逃れ、既にコックスバザールのテント村で暮らしていた20万人に合流した

 しかし、米国に本拠を置く人権団体フォーティファイ・ライツ(Fortify Rights)は、3
か所の難民キャンプで移住を希望しているとされる難民のリストに名を連ねている人ら計1
4人に話を聞いたところ、誰も移住を打診されたことはなく、また「全員が反対していた」
という。
 同団体によると、リスト上に名前がある女性は「もしバングラデシュ政府が島に行くこ
とを私に強いるなら、このキャンプで毒を飲んで自殺する。向こうにはいかない。誰も私
がリストに載っているとは言わなかった」と話したという。
 同団体の代表であるマシュー・スミス(Matthew Smith)氏は「この島は難民らにとって
持続的な解決策とはなり得ないし、ロヒンギャの人々自身よりも、そのことが分かってい
る者はいない」と語った。
 その他の複数の人権団体も、本土から船で3時間ほどかかり、繰り返し壊滅的な被害をも
たらすサイクロンが直撃するこの島に難民を移住させることについて、懸念を示している。

 

■バングラデシュ政府、ロヒンギャ族を島に移住させる計画
 https://www.trt.net.tr/japanese/shi-jie/2019/10/23/banguradesiyuzheng-fu-rohing
iyazu-wodao-niyi-zhu-saseruji-hua-1292803
 (トルコ・ラジオ・テレビ協会 2019年10月22日)

バングラデシュ政府は、ミャンマー・ラカイン州のムスリム、ロヒンギャ族10万人をミャ
ンマー国境にある一杯のキャンプからベンガル湾にある島に移住させることを計画してい
る。
コックスバザールの政府当局者カマル・フサイン氏は発言で、島に移住したい100家族のリ
ストを作成したと述べた。

移住作業を11月末または12月に開始したいと述べたフサイン氏は、政府はロヒンギャ族10
万人を段階的に島に移住させると述べた。
バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は、ロヒンギャ族が移送される島に住宅、学校、
モスク、洪水用の堤防を含めたインフラの建設を指示した。

 

■バングラのロヒンギャ難民、20年前に出現した島への移住に一部が同意
 https://www.afpbb.com/articles/-/3250436
 (AFP通信 2019年10月20日)

 ミャンマーから逃れ、バングラデシュ南部コックスバザール(Cox’s Bazaar)の難民キ
ャンプで暮らす多数のイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が、ベンガル湾(Bay o
f Bengal)に浮かぶ島への移住に同意した。バングラデシュの当局者が20日、AFPに明らか
にした。一方でこの島については、洪水の恐れが高いとの懸念もある。
 ミャンマーとの国境に近いコックスバザールにある複数のキャンプには、100万人近いロ
ヒンギャが過密状態の中で暮らしている。このため、バングラデシュ政府は以前から、沈
泥によって形成された島「ブハシャンチャール(Bhashan Char)」に約10万人を移住させ
たいと考えていた。
 ロヒンギャをめぐっては2017年8月、ミャンマー軍の弾圧に直面して既に約74万人の難民
がミャンマーを逃れ、既にコックスバザールのテント村で暮らしていた20万人に合流した

 バングラデシュ政府の難民担当官であるマハブブ・アラム(Mahbub Alam)氏はAFPに対
し、ロヒンギャ難民の移住を管轄する当局者を数日内にも同島に配置すると説明。「約600
0~7000人の難民が既にブハシャンチャール島への移住に前向きな意思を示している」と話
し、「その数は増えている」と述べた。
 アラム氏は移住の時期には触れなかったが、同島で施設の建設に関与する海軍幹部は、1
2月までには移住を開始することが可能だとし、毎日約500人のロヒンギャ難民が移送され
ると語っている。
 アラム氏によると、ロヒンギャの指導者らは、施設や生活環境を視察するため、同島を
訪問することになっている。
 バングラデシュ政府は昨年から、同国本土から船で1時間ほどの距離にあるブハシャンチ
ャール島にロヒンギャ難民を移住させる計画を立てていた。
 だが人権団体などは同島について、わずか20年ほど前に隆起して海面上に現れた脆弱(
ぜいじゃく)な島であり、雨期(モンスーン)の暴風雨に持ちこたえられることができな
い可能性があると警告している。
 同島が位置するメグナ(Meghna)川の河口では過去50年にわたり、強力なサイクロンに
よって数十万人が死亡している。
 ロヒンギャ難民の一人で、子ども4人の父親であるヌール・フセイン(Nur Hossain)さ
ん(50)はブハシャンチャール島の施設を撮影した動画が披露された後、同島への移住に
同意。フセインさんはAFPに対し、「移ることに同意した。ここのキャンプはとても混んで
いる。食料や住居に関する問題がある」と述べた。(c)AFP

 

 

■デヴィ夫人、“マレフィセント”なりきり特別映像公開 アンジーも大絶賛
 https://www.topics.or.jp/articles/-/274588
 (徳島新聞 2019年10月24日)

 タレントのデヴィ夫人が、 ハリウッドの人気女優アンジェリーナ・ジョリー演じる美
しき最強のヴィラン“マレフィセント”に完全になりきった特別映像が解禁された。その
姿を見たアンジーも驚いた表情で「ゴージャス! デヴィ夫人、とても美しく変身したわ
ね。本当にゴージャスよ!」と、「ゴージャス」を連発。アンジーも認めたデヴィ夫人の
マレフィセント姿は日本中で大きな話題を呼びそうだ。
 解禁となった映像は、マレフィセントになりきったデヴィ夫人が、徐々に素顔に戻って
いくユニークな逆再生動画。アンジーの大ファンだというデヴィ夫人は「彼女の映画はた
くさん見ています。もちろん前作『マレフィセント』も見ましたよ。素晴らしかったです
ね。冷酷なマレフィセントとわかっていながら彼女の美しさにひかれました」と、話す。
 さまざまなセレブたちと交流があるデヴィ夫人だが、アンジーの生き方そのもの に称賛
を送る。「彼女は美しいだけでなく、決断力と行動力を持った方だと思うんですね。社会
に向けても目を向けてらっしゃって、この間私はバングラデシュのロヒンギャの難民キャ
ンプに行ったのですが、そこに彼女も来ていました。彼女は今国連の難民問題のアンバサ
ダーをやっているのですが、この世の中の不公平さとか矛盾していることとか、いろいろ
なことに目を向けて行動に移していますから、それが他の女優さんたちとは違うところか
なと思います」と、女優の範疇におさまらない彼女ならではの魅力を熱く語った。
 そんなデヴィ夫人はアンジーが演じるマレフィセントに少しでも近づくため、自ら緑色
のカラーコンタクトを装着したり、真っ赤なリップを塗ったり、アイメイクを施したりと
ノリノリの様子。どこから見ても妖艶なマレフィセントそのものに化けたデヴィ夫人。見
た目だけでなく心までマレフィセントになりきったそうで、「私の大好きなアンジェリー
ナ・ジョリー扮するマレフィセントに似せるため、グリーンのカラーコンタクトを入れた
んですけれども、入れた途端にマレフィセントの魂が私に宿った気がしました。とっても
エキサイトしました」と、大興奮だった。
 今月18日より全国公開されたディズニー映画『マレフィセント2』。初日から3日間の累
計では動員20万人を突破し、興行収入3億円に迫る好スタートとなった。ディズニー・クラ
ッシック・アニメーションの金字塔として、半世紀以上も世界中で愛され続けている『眠
れる森の美女』に登場するヴィラン・マレフィセントの物語をアンジー主演で描き、大ヒ
ットした『マレフィセント』(2014年)の続編で、ほかにエル・ファニング、ミシェル・
ファイファーらが出演。監督は『パイレーツ・オブ・カリビアン最後の海賊』のヨアヒム
・ローニングが務めている。

 

■解決見えないロヒンギャの現場 大流出から2年の今を見た
 https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17708
 (WEDGE Infinity 2019年10月24日)

 2019年8月25日。バングラデシュの南東部にあるクトゥパロン難民キャンプ。午前9時か
ら何かが起こるという情報を聞きつけた私はホテルを出発し現場へと向かった。世界最長
の天然ビーチを持ち、新婚旅行のカップルや家族連れで賑わうバングラデシュ随一の観光
地コックスバザールから車でおよそ1時間。目的地に近づくにつれ人が湧き出るように増え
ていく。うだるような暑さの中広場には数十万人の人が集まり異様な雰囲気で始まりを待
っていた。
 ミャンマー政府による弾圧でラカイン州から逃れたイスラム系少数民族ロヒンギャたち
が弾圧による大流出から2年が経過しても、帰還の目処が立たない苛立ちと母国の改善され
ない人権状況に対して抗議の声を上げていた。2年前の弾圧時に軍に10歳の息子が銃殺され
た40代の女性は「ここは食料が不足している。早く故郷に戻りたい」と語る。また少年(1
3歳)は「食糧が不足しているしキャンプは汚い。一日中何もすることが無く故郷のことを
いつも考えている。以前のように学校に通いたい」と訴える。
 ロヒンギャの一部過激派が警察施設を襲撃したことが発端とされる軍を主体とする報復
活動は、民族浄化と言っても過言ではないほどの凄惨さを極め、70万人以上のロヒンギャ
が隣国バングラデシュに逃れてきた。ほとんどが家族や親戚を殺されたり家を焼き討ちに
されたりし、命からがら何日もかけて国境を越えて来た。また多くの女性が性的暴力やレ
イプされるなど非人道的な行為を受けたと報告されている。「食料もお金もいらないから
武器をくれ。奴らに仕返しに行くんだ」とある青年は怒りをぶつける。
 犠牲者の数は少なくとも1万人、最大で2万5千人と推測される。ただ、ミャンマー政府が
海外のメディアや調査機関の受け入れを制限しているため、被害の全容は未だ掴めない。
 私は2014年から毎年のようにロヒンギャ難民を記録している。「ミャンマーからやって
来たロヒンギャという国籍を持たない民族が、国境沿いの難民キャンプに数十年にわたり
暮らしている」。ロヒンギャを知ったきっかけは現地の友人から聞いた話だった。歴史、
宗教、文化、人種、民族、言語などを起因とする衝突。ロヒンギャ難民は私たち人間が直
面しているあらゆる課題を提起している。それはジャーナリストとして取り組まなければ
いけないテーマだと感じた。
 飛行機で首都ダッカに降り立ち、夜行バスに8時間乗り、車でさらに1時間ほどかけてよ
うやく難民キャンプに辿り着いた。悪路をけたたましくクラクションを鳴らしながら、猛
スピードで走るバスに揺られ私はほとんど眠ることが出来なかった。長旅の疲れで体の芯
が重くなる中、初めてキャンプに足を踏み入れた時の衝撃は今でも忘れられない。
 過密な土地にゴミや汚水が散乱し、トイレや水道といったインフラは整っておらず、と
ても人間が住むのに適した状態とは言えなかった。そんな劣悪な環境下で数十万人が暮ら
していた。現代においてこんなにも凄惨な体験をし、悲惨な暮らしを余儀なくされている
人たちがいるのかと思い知らされた。それでも彼らは貧しいながらも身なりを整え、コー
ランを諳んじ毎日の礼拝を欠かさない。民族としてのアイデンティティに誇りを持ち、い
つか故郷に帰る日を信じて気高く生きていた。

「ここには仕事がない。家族はいつも空腹」
 広大な農地が広がり住んでる人もまばらで木々に覆われた丘陵地帯の、アジア象を含む
豊富な野生動物が暮らす自然豊かな一帯。そうしたミャンマーとの国境近くにあるキャン
プには、もともと過去にミャンマーから逃れてきたおよそ30万人のロヒンギャがいる。新
たに流入した70万人を加えると100万人以上が暮らしていることになる。ごく一部のロヒン
ギャは国連が運営する公式キャンプで暮らしているが、残りの大多数が暮らすキャンプは
劣悪な環境で食糧は慢性的に不足しており、水道やトイレなどのインフラも十分ではなく
常に感染症などのリスクと隣り合わせだ。
 「ここには仕事が無い。家族全員がいつも空腹だ。米や油の援助はあるが鶏肉や魚は現
金が無いと手に入らない。家は狭く雨が降るとすぐに壊れてしまう。故郷では広い土地と
沢山の家畜を持っていたが全てを失った」と男性(42歳)は現在の生活を話す。彼らは就
業が許可されておらず、現金収入は殆ど無い。違法に日雇い労働などをしてわずかな稼ぎ
を得る。キャンプでは人身売買やドラッグが蔓延するなど治安も安定しない。
 ミャンマーとバングラデシュの両国は難民の早期帰還開始に合意し、昨年11月と今年の8
月に2度の帰還計画が実行された。しかし、これに応じるロヒンギャは誰もいなかった。「
目の前で家族や親戚を殺された。家も焼かれ家畜も奪われ全てを失った。たとえ帰ったと
してもまた同じ目に会うのだろう」「母国での安全の保証や基本的権利が認められない限
り帰るわけにはいかない」と多くの人が口にする。帰還計画は度重なる国際社会からの非
難と国連での非難決議に対するミャンマー政府の単なるパフォーマンスに過ぎないとも言
われている。両国は相手国の不備や不手際が原因だと責任の擦り付け合いをしている状態
で計画は頓挫したままだ。

 両国政府、そして日本の取り組みは
 ミャンマー政府は一貫してロヒンギャを国民として認めず、あくまでもバングラデシュ
からやってきた不法移民と見なし国籍を与えていない。政府は移動、就業、出生、結婚、
教育、宗教の制限など様々な迫害を軍事政権発足以降数十年にわたり行ってきた。
 民主化の象徴であるアウン・サン・スーチー国家顧問に状況改善への期待が高まったも
のの、彼女には軍をコントロールする権利が憲法で認められていない。また大多数が仏教
徒のミャンマー国民の間でも反ロヒンギャ感情が根強く、ロヒンギャをバングラデシュか
らの不法移民と見なし、自分たちの文化や土地が奪われると考えている。
 最近の調査では、大弾圧以降ロヒンギャが暮らしていた村は更地にされ、新たに軍や国
境警備隊の施設、ミャンマー人のための住居が建設されたと報告されている。ミャンマー
政府が本腰を入れてロヒンギャを帰還させる気があるのかは甚だ疑問である。
 一方の受け入れ国であるバングラデシュ政府も我慢強くロヒンギャを支援してきたが、
それも限界にきている。アジア最貧国のひとつでもある同国は決して豊かではない。地元
住民を差し置いてロヒンギャを積極的に支援することは出来ず多くの援助を国連、NGO、イ
スラム諸国に頼っている。政府はベンガル湾に浮かぶ無人島バシャンチャールに10万人を
収容できる施設を建設し、ロヒンギャの移住を検討している。しかし同島は医療や教育へ
のアクセスが制限され、また頻発するサイクロンにより浸水、最悪の場合水没する可能性
も有り安全が懸念されている。
 日本政府も河野前外務大臣がアウン・サン・スーチー国家顧問と会談し、早期の帰還に
向けての協力を約束しており国連でのミャンマーへの非難決議に欧米諸国が賛成を表明す
る中、日本は全て棄権している。またロヒンギャという呼称も使わずあくまでラカイン州
のイスラム教徒というミャンマーの立場に同調している。一方で2度にわたりロヒンギャ難
民キャンプを視察しバングラデシュ政府に対し支援を強化する考えを示した。日本として
は両親日国に対して独自の外交で解決への道を探り存在感をアピールしたいところだろう
が、どちら側にも曖昧な日本の姿勢は決して歓迎はされているわけではない。私が出会っ
たあるロヒンギャの老女は「日本軍は昔、仏教徒と一緒に私たちロヒンギャをたくさん殺
した。そして今でもミャンマーの味方をしている」と語った。
 大弾圧への公正な裁き、早期の帰還や母国での基本的な人権を求め続けていても、状況
は一向に変わらずロヒンギャの苛立ちは募るばかりである。国連やNGOの援助でキャンプは
整備されつつあるが、彼らの暮らしは貧しいままだ。トイレや炊事場は共同で電気はほと
んど通っていない。火を起こすための薪を遠くの山まで取りに行かなければならない。
 またバングラデシュ政府は治安への不安から、キャンプ周辺での携帯電話のインフラを
遮断した。自由に移動が出来ない彼らにとって唯一外の世界とつながる手段が絶たれたこ
とにより疎外感や閉塞感が一層増している。行き場のないロヒンギャが過激な思想に陥っ
たりドラッグなどの犯罪行為に及ぶことも懸念される。
 最近では新たに流入したロヒンギャと過去にバングラデシュに逃れてきたロヒンギャ、
地元住民との間に軋轢が生じてきており緊迫した状況が続いている。あらたに70万人もの
ロヒンギャが流入したことによる治安の悪化、物価の高騰、雇用の奪い合い、環境破壊と
いった問題がその背景にはある。
 歴史、宗教、文化、人種、国際関係など様々な要素が複雑に絡み合い、世界で最も迫害
されている少数民族と言われているロヒンギャの行き先は未だ不透明である。

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