ヘッドハンチング

「キャリアサーチの高松さんという方から連絡があって
　時間があるときに電話くださいとのことでした」
というコメントに携帯電話らしき番号が添えられたメールが
自分が所属する会社の採用担当のひとから送られてきた。

キャリアサーチという会社は聞いたことないし、
高松さんというひとはひとり知ってるけど
キャリアサーチでは働いてないし。

ネットで調べると
名前のまんま人材派遣会社ぽい模様。

あれー、登録したことあったかな・・・と思って
はっとした。

転職活動するのに
自分の会社の電話番号を登録するはずがない。

だとしたら何関係？
借金もしてないし、
プーだったころの国民健康保険と都民税と住民税は
確かに相当滞納してるけど関係なさそうだし。

確かに三田図書館に借りてる本２冊がかなり貸出し期限過ぎてるけど
関係なさそうだし。

やましいことはこれぐらいか・・・

気持ち悪いので
非通知で教えられた番号にかけた。

電話口の「高松さん」は頭の悪そうな話し方をする小娘。
どうやらヘッドハンティングの話らしい。
何やらどこぞの企業があたしに興味を持ってくれてるらしい。

会社の概要や自分の立場などに触れずに
なぜあたしの連絡先を知り得たかも説明せずに
いきなりそんなことを話されたら不信感を抱く。
やはり高松さんは頭が悪いか、社会人になりたてなのか。

話を遮って、なぜあたしの連絡先を知ってるのかをきくと
「個人情報保護法が施行されましたのでそれはお答えできません」との回答。

それはあたしのセリフだよ、と内心つっこむ。

どこぞの企業はあたしの名前と会社の連絡先を元に
キャリアサーチにあたしへのコンタクトを依頼したという経緯が
やっと飲みこめたと思ったら

高松さんは
「帝国ホテルのラウンジでまずコンサルタントに会っていただき
　30～40分ヒヤリングさせていただくことになりますが
　５月下旬のご予定はいかがですか？」ときた。

それまではどこぞの企業のことも全く教えられないという。
あまりに馬鹿げた話なので
これからはフリーメールに
何をしようとしてるのかを説明した内容を送ってくださいと言って通話終了。

あたしの名前と会社の連絡先しかわからないということは
心当たりがあるのは
先々月に会社の求人案内に未経験で入社した社員として掲載されたくらい。
それなら採用担当の番号に連絡があっても辻褄があうかも。

転職活動してるのかと人事のひとに有らぬ勘違いされるかもしれないのに
傍迷惑なヘッドハンティングだ。

今の会社に所属してるのは居心地がいい。
それでも自分の市場価値が一体どれほどのものなのか
実は興味津々なので
もう少し高松さんの話につきあってあげよう。