近代建築撮影日記

日本全国の近代建築を
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撮影した写真で紹介していきます

震災前の神戸 その3

2016-05-14 01:45:37 | 近畿

前回の続きです。
震災前後の比較に加えて、震災後に撮り加えた物件も紹介します。

2018/2/6追記
現況写真として2018年2月撮影の写真を追加します。
追加分は写真の上に(2018年)と表示します。

表題写真は
旧 トーマス住宅(現 風見鶏の館)(震災前)
(ゲオルグ・デ・ラランデ/M37/煉瓦・石・木/重要文化財)
です。


(震災前)と表記の有る写真が1995.1.1撮影分、使用カメラ:Nikon F-601QD。
(震災後)と表記の有る写真が1995.3.20撮影分、使用カメラ:Nikon FA。
(2018年)と表記の有る写真が2018.2撮影分、使用カメラ・レンズ:SONY α7・Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-mount



旧三井銀行神戸支店(震災前)
(長野宇平治/T5/SRC2/現存せず

(震災後)


(2018年)

旧ビルとは余りにも違いすぎる、ちょっと?な外観復興。

(震災前)


(震災後)


(震災前)


(震災後)


(震災前)


(震災前)


(震災前)


(震災後)

無垢の御影石による6本の列柱は無残にも崩れ落ちましたが、大きな石を積んだ構造体は壊すのに手間取ったのか3/20時点でかなり残っています。
 



旧村井銀行神戸支店(震災前)
(吉武長一/T9/RC6/現存せず


(震災前)


(震災後)

震災時、前面の壁だけ残して崩れ落ちました。放置すればいつ崩れるか分らない為、すぐに取り壊されました。
 



旧湯浅商会(震災前)
(不詳/T5頃/煉瓦2/現存せず


(震災後)

震災に耐え、補修後数年使われましたが取り壊されました。
 



シノザキ栄町ビル(震災前)
(不詳/T頃?/煉瓦?/現存せず

西隣(空車庫の看板の右側)に旧明治火災保険神戸支店の軒持送りが部分保存されています。

(震災後)

2階左の窓周りに破損が見えます。修復されること無く、取り壊されました。外観から見て由緒正しい建築かと思われますが、ネットや文献を調べてみましたが詳細の判る資料は発見出来ませんでした。
 



旧第一銀行神戸支店(震災前)
(辰野金吾/M41/石・煉瓦造2/外壁保存


(震災後)


(2018年)


(震災後)

壁面にヒビが入っています。その後、外壁だけ保存して地下鉄みなと元町駅の出入り口になりました。
 



旧兵庫県庁舎(震災前)
(山口半六/M35/煉瓦・RC3/登録文化財)


(震災後)

門柱が倒れて撤去されています。(後に修復されました)

(2018年)


(震災前)


(震災後)

どこが破損したのか分りませんが、3/20時点では修復中です。

(2018年)

 



神戸栄光教会(震災前)
(曾禰・中條建築事務所/T11/煉瓦2/現存せず


(震災後)

レンガは地震に弱いですね。既に撤去されています。その後しばらくはテントの仮教会堂でしたが、2004年にほぼ同じ外観で再建されました。

(2018年)

 



名称不明アパート(震災前)
(不詳/不詳/木2/現存せず


(震災後)

外観からは殆ど破損が見えませんが、すぐに取り壊されたと思います。

(2018年)

 


旧 A.P.ディスレッセン邸(現 門兆鴻邸)(震災前)
(A.N.ハンセル/M28/木2/重要伝統的建造物群保存地区「北野町山本通」の伝統的建造物) 


(震災後)

1995年中に修復が完了しました。

(2018年)

 



旧 A.N.ハンセル邸(現 シュウエケ邸)(震災前)
(A.N.ハンセル/M29/木2/重要伝統的建造物群保存地区「北野町山本通」の伝統的建造物) 


(震災後)

隣の門兆鴻邸には遅れをとりましたが、修復されました。

(2018年)

増築部分が撤去されています。



神戸ムスリムモスク(神戸回教寺院)(震災前)
(ヤン・ヨセフ・スワガー/S10/RC3/文化財指定なし)


(震災後)


(2018年)


(震災後)

左後方の鐘楼?が落下しています。その後、修復されて今日に至ります。
 



中山手カトリック教会(震災前)
(不詳/T11/RC/現存せず) 


(震災後)


(2018年)


(震災前)


(震災後)


(震災前)


(震災前)


(震災後)

この壮麗なゴシック建築も、修復されるこよなく1998年に取り壊されました。ステンド・グラスは解体時に取り外され、祭壇の後ろの部分に設置されていた部分が2004年に同所に再建されたカトリック神戸中央教会の聖堂に設置されました。その他の部分は、2008年に高松のカトリック桜町教会、2015年にカトリック宮崎教会の新聖堂に設置されました。
 



旧 三菱銀行神戸支店(現 ファミリアホール)(震災後)
(曽禰達蔵/M33/石・煉瓦3/神戸市景観形成重要建築物)

震災に耐えましたが、先日残念なニュースが飛び込んできました。大手不動産会社に土地ごと売却されたということで、外壁保存の上タワーマンションを建設する方針とのことです。何も残らないよりはましかもしれませんが、帯巻建築はもううんざりです。せめて戦災で失われた上部の三角ぺディメントが復元されれば良いと思いますが、無理でしょうね・・

(2018年)

 



山手ビルディング(震災後)
(不詳/不詳/RC?/現存せず

外観から昭和10年前後の建築だろうと思いますが、詳しい資料は見つかりませんでした。
2002年頃に取り壊されたと思います。
 



神戸放送会館(震災後)
(不詳/S46/RC4/現存せず

1995年1月17日早朝、震災の一報はここからでした。1997年撤去、2005年新ビル竣工。

(2018年)

 



名称不明(震災後)
(不詳/不詳/煉瓦/現存せず

外観から見て、明治末頃でしょうか。裁判所の近くにありましたので、裁判所にあやかってレンガ造りにしたのかもしれませんね。

(2018年)

取り壊されて、小さいタイムズになりました。



旧 日濠館(現 海岸ビルヂング)と裏手の倒壊した煉瓦ビル(震災後)
(河合浩蔵/M44/煉瓦/登録文化財)(不詳/不詳/煉瓦/現存せず

旧 日濠館(現 海岸ビルヂング)の表面は石造りですが側面から見るとレンガ造りです。
もう一棟のビルは完全に倒壊しています。
 



旧 神戸市役所本庁舎(現 神戸市役所2号館)(震災後)
(不詳/S32/RC8/文化財指定なし)

6階以上を撤去し、1996年に5階建として復旧。2016年現在、建替の検討が始まったそうです。

(2018年)

 



そごう神戸店(震災後)
久野節/S8/RC/文化財指定なし)(右の旧ビル部分のデータ)

右からS8竣工の阪神三宮ビル、S41竣工の正面自社ビル、左はさくら三宮ビル。
正面に見える自社ビル部分のみ撤去建替、1996年に竣工・営業再開しました。

(2018年)

 



三宮センター街(震災後)
せいでん近辺だと思います。ビル名などは不明です。


『震災前の神戸』 シリーズは今回で終わりです。


 【関連記事】
『失われた神戸の近代建築~1995年元旦撮影~』 
『神戸の近代建築(EBONY SW45 で撮影)』
『震災前の神戸 その1』
『震災前の神戸 その2』


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