ヴィウのルールをご紹介します。文字で説明するより例題とそのコタエを見ながらどんなパズルかお話します。
例えばこんな問題、
・・・2・
・3・・・
・・・・・
・・・1・
・5・・・
これのコタエはこうなります。
2・・20
03201
2・・3・
1・312
05・・・
「・」は空きマスだと思ってください。各数字からみて、上下左右の方向にまっすぐ見える「・」の数が、その数自身となっています。例えば0の周りには必ず他の数字がくっついていますよね。一番下の行にある5は上に2マス、右に3マス「・」が見えています。
で、それに加えて、同じ数字はタテヨコにとなりあわず、かつ、全体の数字をタテヨコにひとつながり(数字のカタマリが二つ以上に分断されない)にします。タテヨコにタテヨコにうるさいですが、ナナメに同じ数字をくっつけるのはかまいませんし、ナナメにしか接していない二つの数字はつながっているとはいいませんよってことは強調しておかなければならないことなのです。
ルールは以上です。では、どんな風に解けていくのか、この例題を解いていってみましょう。ちょっと長いですが、記事は分けず一気に行きます。
・・・2・
・3・・・
・・・・・
・・・1・
・5・・・
0か大きな数字が簡単な入口になります。この問題は0がないので、5にまず着目してみましょう。左に1マス、上に2マス、右に3マス、合わせて6マスしか「・」が見えていません。このうち5マスはこの「5」の位置から見えるようにしなければいけません。
左1マス上2マスをすべて見えるようにしても3マス。少なくともあと2マスは右方向に見えるはずです。
・・・2・
・3・・・
・・・・・
・・・1・
・5■■・
空きマスと確定したマスには黒マスを置いておくことにします。このように右方向に黒マスを2個置いておきます。
同じように考えると、
・・・2・
・3・・・
・・・・・
・■・1・
・5■■・
上方向も少なくとも1マスは見えるはずです。
ところで、数字は全体でひとつながりにする必要があるので、5が他の数字とつながることができるように左方向に数字の道を作ってやらなければいけません。
・・・2・
・3・・・
□・・・・
□■・1・
□5■■・
こんなふうに。これら「□」のマスは数字マスということは決まったけれど、数字は何が入るかまだわからないマスということをあらわしています。
これまでにいただいたヴィウに対するコメントを総合すると、この「□」マスに、このパズルを面白く思えるか思えないかの一つめの分岐点があります。数字が後から改めて決まることにワクワクされる方は、このパズルのことを好きになっていただける可能性が高いです。が、そうでもない、むしろめんどくさい、という印象をお持ちでしたら、もうおすすめできません。この先に目を通してもあまり収穫はないのではないかと思います。
では続き。左下隅のマスに注目。ここは上に数字マス、右に5、左と下は外周なので、すでに空きマスは見えない状況になっています。
・・・2・
・3・・・
□・・・・
□■・1・
05■■・
なのでここは0です。今こういう状況になって、もう一度5のマスを見てみると、上に2マス、右に3マスめいいっぱい空きマスをもってこないと、5の役目が果たせません。
・・・2・
・3・・・
□■・・・
□■・1・
05■■■
なのでここまで決まります。
・・・2・
□3・・・
□■・・・
□■・1・
05■■■
数字の道がひとマス伸びますね。
さて、気づくと右下にある「1」の役目が終わっています。下方向に1マス空きマスが見えていますので。
・・・2・
□3・・・
□■・□・
□■□1□
05■■■
したがって、1の左右、上方向には数字が入らないといけないことになります。
・・・2・
□3・・・
□■・□・
1■□1□
05■■■
ここでまた1マス数字が確定しました。左下隅0のマスのすぐ上です。空きマスはこれ以上見えることはありません。
ところで、まだ使ってないルールがあります。同じ数字はタテヨコに隣り合いません。今入った1ですが、その上に隣接する数字マス。現状どうなっているかといいますと、1マス空きマスが見えている状態です。このままでは1が上下に隣接してしまいます。なので少なくとももう1マスは空きマスが見えている状態にしてやる必要があります。
・・・2・
□3・・・
□■■□・
1■□1□
05■■■
こんなふうに。でもこれ以上に空きマスを見える状態にはできません。数字が確定しました。
・・・2・
□3・・・
2■■□・
1■□1□
05■■■
ここは2ですね。
同じようにして決まる場所がもう1箇所ありました。右下隅のすぐ上の数字マスです。ここは現状空きマスが1つ見えていて、左には数字1があるので、少なくともこの上のマスは空きマスになります。
・・・2・
□3・・・
2■■□■
1■□1□
05■■■
ここはまだ数字は確定しません。さらに上に空きマスが伸びる可能性があるからです。
ところで、今決まった空きマスで、実は数字が分断されそうになっています。
・・・2・
□3・□・
2■■□■
1■□1□
05■■■
このように逃がしてやらなければいけません。
・・・2・
□3・□・
2■■3■
1■□1□
05■■■
また数字がひとつ決まりました。
右上の2について、最初の5の考え方と同様にして、左側に少なくとも1マスは空きマスが見えているはずです。
・・■2・
□3・□・
2■■3■
1■□1□
05■■■
また数字が分断されそうです。これはちょっと気づきにくいかもしれませんね。
・・■2・
□3□□・
2■■3■
1■□1□
05■■■
分断されないように数字をつなぎます。
・・■2・
□32□・
2■■3■
1■31□
05■■■
今の数字マス確定により、数字が2マス確定しました。
左上の3ですが、役目を果たすためには上方向に1マス空きマスが見えている必要があります。
・■■2・
□32□・
2■■3■
1■31□
05■■■
右上の2が役目を果たしきったので、それ以上に空きマスが見えないように数字マスを置きます。
□■■2□
□32□・
2■■3■
1■31□
05■■■
左上の「□」マス2マスは数字が決まりますね。
さて、大詰めです。右上隅の「□」マスに注目です。
2■■2□
032□・
2■■3■
1■31□
05■■■
この下のマスがもし空きマスになったら、この右上隅のマスには数字2が入ることになります。左に接しているのは2なので、ここを数字2にすることはできません。
なので、右上隅のマスの下には数字が入ることになります。
2■■2□
032□□
2■■3■
1■31□
05■■■
盤面がすべて埋まりました。あとは数字を入れていって、同じ数字が隣り合わなければOKです。
2■■20
03201
2■■3■
1■312
05■■■
大丈夫でした。数字も全体でひとつながりになり、完成です。
2 20
03201
2 3
1 312
05
黒マスを抜いておきましょう。これがヴィウの完成形となります。この完成形も実は好き嫌いの分岐点になっています。こういった数字の抜けた場所のある完成形は美しくないと捉えられることが多いのですが、それでは達成感もあまり感じられないでしょうし、結果として面白かった、ということにはなかなかならないのではないでしょうか。
今の私から見ても、やはり美しいと思うんですがね。
初めてそういうコメントをいただいたとき、全体に数字が埋まっているオモパを別途作って、それよりもヴィウの完成形の方がキレイでしょ?と確認したら、ヴィウよりそっちのオモパの方がいいという回答でした。驚きでしたね。のちのち、他の長所と思っている点についても、自分みたいなのが少数派であることがわかっていき、ヴィウの行く手にある壁は予想以上に大きいことを悟りました。
ところで、そのヴィウと対比させるために作ったオモパが「波及効果」であることはオモパ大全のインタビューでも話したことですが、やはりあなたも波及効果の完成形の方がキレイだと思われますか?
今回例題を作って、そして解いてみて、やはり私にとってはヴィウはまだまだ楽しめるパズルであることを再認識しました。お蔵入りさせるにはまだ早い。ひょっとしたら10年前とは解き手もだいぶ変わってきてるかもしれない。また新たな理解者が現れることを願って、しばらくこのブログでヴィウを出題していこうと思います。
例えばこんな問題、
・・・2・
・3・・・
・・・・・
・・・1・
・5・・・
これのコタエはこうなります。
2・・20
03201
2・・3・
1・312
05・・・
「・」は空きマスだと思ってください。各数字からみて、上下左右の方向にまっすぐ見える「・」の数が、その数自身となっています。例えば0の周りには必ず他の数字がくっついていますよね。一番下の行にある5は上に2マス、右に3マス「・」が見えています。
で、それに加えて、同じ数字はタテヨコにとなりあわず、かつ、全体の数字をタテヨコにひとつながり(数字のカタマリが二つ以上に分断されない)にします。タテヨコにタテヨコにうるさいですが、ナナメに同じ数字をくっつけるのはかまいませんし、ナナメにしか接していない二つの数字はつながっているとはいいませんよってことは強調しておかなければならないことなのです。
ルールは以上です。では、どんな風に解けていくのか、この例題を解いていってみましょう。ちょっと長いですが、記事は分けず一気に行きます。
・・・2・
・3・・・
・・・・・
・・・1・
・5・・・
0か大きな数字が簡単な入口になります。この問題は0がないので、5にまず着目してみましょう。左に1マス、上に2マス、右に3マス、合わせて6マスしか「・」が見えていません。このうち5マスはこの「5」の位置から見えるようにしなければいけません。
左1マス上2マスをすべて見えるようにしても3マス。少なくともあと2マスは右方向に見えるはずです。
・・・2・
・3・・・
・・・・・
・・・1・
・5■■・
空きマスと確定したマスには黒マスを置いておくことにします。このように右方向に黒マスを2個置いておきます。
同じように考えると、
・・・2・
・3・・・
・・・・・
・■・1・
・5■■・
上方向も少なくとも1マスは見えるはずです。
ところで、数字は全体でひとつながりにする必要があるので、5が他の数字とつながることができるように左方向に数字の道を作ってやらなければいけません。
・・・2・
・3・・・
□・・・・
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□5■■・
こんなふうに。これら「□」のマスは数字マスということは決まったけれど、数字は何が入るかまだわからないマスということをあらわしています。
これまでにいただいたヴィウに対するコメントを総合すると、この「□」マスに、このパズルを面白く思えるか思えないかの一つめの分岐点があります。数字が後から改めて決まることにワクワクされる方は、このパズルのことを好きになっていただける可能性が高いです。が、そうでもない、むしろめんどくさい、という印象をお持ちでしたら、もうおすすめできません。この先に目を通してもあまり収穫はないのではないかと思います。
では続き。左下隅のマスに注目。ここは上に数字マス、右に5、左と下は外周なので、すでに空きマスは見えない状況になっています。
・・・2・
・3・・・
□・・・・
□■・1・
05■■・
なのでここは0です。今こういう状況になって、もう一度5のマスを見てみると、上に2マス、右に3マスめいいっぱい空きマスをもってこないと、5の役目が果たせません。
・・・2・
・3・・・
□■・・・
□■・1・
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なのでここまで決まります。
・・・2・
□3・・・
□■・・・
□■・1・
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数字の道がひとマス伸びますね。
さて、気づくと右下にある「1」の役目が終わっています。下方向に1マス空きマスが見えていますので。
・・・2・
□3・・・
□■・□・
□■□1□
05■■■
したがって、1の左右、上方向には数字が入らないといけないことになります。
・・・2・
□3・・・
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1■□1□
05■■■
ここでまた1マス数字が確定しました。左下隅0のマスのすぐ上です。空きマスはこれ以上見えることはありません。
ところで、まだ使ってないルールがあります。同じ数字はタテヨコに隣り合いません。今入った1ですが、その上に隣接する数字マス。現状どうなっているかといいますと、1マス空きマスが見えている状態です。このままでは1が上下に隣接してしまいます。なので少なくとももう1マスは空きマスが見えている状態にしてやる必要があります。
・・・2・
□3・・・
□■■□・
1■□1□
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こんなふうに。でもこれ以上に空きマスを見える状態にはできません。数字が確定しました。
・・・2・
□3・・・
2■■□・
1■□1□
05■■■
ここは2ですね。
同じようにして決まる場所がもう1箇所ありました。右下隅のすぐ上の数字マスです。ここは現状空きマスが1つ見えていて、左には数字1があるので、少なくともこの上のマスは空きマスになります。
・・・2・
□3・・・
2■■□■
1■□1□
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ここはまだ数字は確定しません。さらに上に空きマスが伸びる可能性があるからです。
ところで、今決まった空きマスで、実は数字が分断されそうになっています。
・・・2・
□3・□・
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このように逃がしてやらなければいけません。
・・・2・
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また数字がひとつ決まりました。
右上の2について、最初の5の考え方と同様にして、左側に少なくとも1マスは空きマスが見えているはずです。
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□3・□・
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1■□1□
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また数字が分断されそうです。これはちょっと気づきにくいかもしれませんね。
・・■2・
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1■□1□
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分断されないように数字をつなぎます。
・・■2・
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今の数字マス確定により、数字が2マス確定しました。
左上の3ですが、役目を果たすためには上方向に1マス空きマスが見えている必要があります。
・■■2・
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右上の2が役目を果たしきったので、それ以上に空きマスが見えないように数字マスを置きます。
□■■2□
□32□・
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1■31□
05■■■
左上の「□」マス2マスは数字が決まりますね。
さて、大詰めです。右上隅の「□」マスに注目です。
2■■2□
032□・
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05■■■
この下のマスがもし空きマスになったら、この右上隅のマスには数字2が入ることになります。左に接しているのは2なので、ここを数字2にすることはできません。
なので、右上隅のマスの下には数字が入ることになります。
2■■2□
032□□
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盤面がすべて埋まりました。あとは数字を入れていって、同じ数字が隣り合わなければOKです。
2■■20
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大丈夫でした。数字も全体でひとつながりになり、完成です。
2 20
03201
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黒マスを抜いておきましょう。これがヴィウの完成形となります。この完成形も実は好き嫌いの分岐点になっています。こういった数字の抜けた場所のある完成形は美しくないと捉えられることが多いのですが、それでは達成感もあまり感じられないでしょうし、結果として面白かった、ということにはなかなかならないのではないでしょうか。
今の私から見ても、やはり美しいと思うんですがね。
初めてそういうコメントをいただいたとき、全体に数字が埋まっているオモパを別途作って、それよりもヴィウの完成形の方がキレイでしょ?と確認したら、ヴィウよりそっちのオモパの方がいいという回答でした。驚きでしたね。のちのち、他の長所と思っている点についても、自分みたいなのが少数派であることがわかっていき、ヴィウの行く手にある壁は予想以上に大きいことを悟りました。
ところで、そのヴィウと対比させるために作ったオモパが「波及効果」であることはオモパ大全のインタビューでも話したことですが、やはりあなたも波及効果の完成形の方がキレイだと思われますか?
今回例題を作って、そして解いてみて、やはり私にとってはヴィウはまだまだ楽しめるパズルであることを再認識しました。お蔵入りさせるにはまだ早い。ひょっとしたら10年前とは解き手もだいぶ変わってきてるかもしれない。また新たな理解者が現れることを願って、しばらくこのブログでヴィウを出題していこうと思います。
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