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伝説となった吊りかけ車 江ノ電1000形

2016-01-03 01:23:39 | 中小私鉄・専用線

突然ですが、みなさんは吊りかけ駆動の電車と聞くと
どんなのを思い浮かべるでしょうか?







こんなのとか・・・・



こんなのじゃないでしょうか?



\ぐぉおおおおおおん/という迫力のあるモーター音が特徴の
モーターと車軸を直接繋ぐこの駆動方式、

今では間にギアを挟むカルダン駆動という方式にとって変わられ、
一般の営業用車両ではどんどん稀少になりつつあります。
電気機関車とかでは今でも採用され続けれるんですけどね・・・


そんな貴重レアな吊りかけ駆動の中でも
最期に製造されたのがこいつ




この江ノ電1000形です。

以前から何度か紹介しているこの形式、
今日はそんな1000形の「今」についての記事です。



まぁでもちょっとややこしい話になるので、
この形式について、簡単におさらいしておきましょう。

もう今から遡ること30年以上前の1979年。
1000形は、江ノ電で48年ぶりの新型車両として華々しくデビューしました。

というのも今はイケイケの江ノ電も
当時は譲渡車とか改造車といった旧型車両ばかり。
この車両はそれの置き換え用だったんです。

久しぶりの自社発注の新型車両ということもあり
江ノ電としても、かなり期待をかけていたのか

内装にはFRPを
ワンハンドルマスコン、熱線吸収ガラスの採用など・・・
当時の最新技術を注ぎ込んだ意欲的な設計がなされ



↑1000形の運転台


中小私鉄では始めて
「ブルーリボン賞」を受賞していたりします。




正直、文句無しの名車ではあるんですが、
一つ不思議ポイントがありまして
「江ノ電の急カーブでカルダン駆動はあかんやろ・・・」
って事でこの年代の製造にも関わらず
駆動方式は昔ながらの吊りかけ駆動なんです。




↑上の動画を見れば「あっ・・・(察し)」ってなると思います。


1000形はその華々しいデビュー後も、
2次車の1100形、3次社の1200形とマイナーチェンジを続けつつ
長きに渡って製造され
結局、1986年に登場した、4次車「1500形」というグループで
技術的に目途が立ち、カルダン駆動が採用されるまで
計4編成に吊りかけ駆動が採用される事になります。

因みに、1000形3次車の「1200形」1201Fは
日本の狭軌で最後の新造吊りかけ車両だったりします。
だからさっき「最期に製造された」って書いたんですね。


さて、そんな1000形、
クーラーを載せてみたり、連結器を変えてみたりと
微妙に改造はされたものの、
他はほぼ原形で最近まで走り続けてたんですが…

流石にデビューから30年以上経った
2013年から、サービス向上の何とかで
江ノ電はこの1000形全車に対しての
「リニューアル工事」を始めたんです。


まぁ前置きが長くなりましたが、
今日の話はここからが本題です。
1000形の色んな意味での""伝説""の始まりでした。




まず最初にリニューアル工事が行われたのは
1500形の第1編成 1501F。



復刻サンライン号としても人気だった同車は、
江ノ電の匠の手によって
圧倒的リフォームを施され
↓こんな車両に生まれ変わって帰ってきました。




ご覧の通り、方向幕は今時のLEDに…
集電装置も菱形からシングルアームパンタグラフへと変貌を遂げ…




車内にはドア上に二画面の液晶モニター「ツインディスプレイ」を装備した
“今時の電車”へと大進化を遂げたのです。




しかも前面に充てがわれたLEDはまさかのフルカラー!
2000形同様、季節のイラストも表示できる
割と最先端の代物です。


流石にこの劇的ビフォーアフターには僕もただただ唖然。
ここまでやるか・・・・って正直思いました。

車内には黄色いテープとかまで付いちゃって、
何かどっかの緑の会社で見るような雰囲気になってるんですよね。


まぁでもこの車両は、「カルダン駆動の新性能車両」。
まだわかります。

問題はこの後です。



2013年9月、
1200形1201Fが入場。

車内に例のツインディスプレイを搭載し、
シングルアームに換装して帰ってきました。







…………。

あ……れ……?
思い出してください。
「1500形以外は吊りかけ駆動」です。



そう、2013年にもなって
「車内にツインディスプレイを搭載した、
シングルアームの吊りかけ駆動の電車」

が誕生したのです。









恐らく日本では始めてと思われる奇跡の改造内容・・・
もうこれだけでも相当に“カオス”なんですが、


単車をニコイチしたり、
旧型車を幾度となく近代化改修してきた
この会社を甘く見てはいけません……

江ノ電の魔改造は、
この程度では終わらなかっのです。




2015年夏、



左の1000形1002Fが入場、
右の様な車両になって帰ってきました。



ご覧の通り、シングルアームとLED行き先表示への改造。
もちろん車内にはツインディスプレイ付きです。


何度も言いますけど
この車両は吊りかけ駆動。


そう…2015年ここに
「車内にツインディスプレイを搭載した、
シングルアーム・LED行き先表示の吊りかけ駆動の電車」
が誕生したのです。







もう古いんだか新しいんだか・・・
吊りかけ史とかあったら絶対載るレベル。
たまげたなぁ…。

このレジェンド級の車両の登場後も
江ノ電の魔改造リニューアルは続いていきます。




その後もm
1001Fとかをちまちま改造しつつ
江ノ電のリニューアルは他編成にも波及していき…




↑旧塗装+方向幕+シングルアームという出で立ちの
 改造途中の1001F





何か気づいたら




こーなってました。


最終的に去年で
1000形の吊りかけ車
1000・1100・1200形の全編成がリニューアルされたんですね。

ツインディスプレイ・シングルアームは勿論の事、
1201F以外は全てLEDに換装されました。


…………。
江ノ電ぱない。





もう何度も言いますけど



これで・・・




これで・・・



これで・・・



吊りかけ駆動です・・・




一応改造後の動画も撮っておきました。





…………。
カオスというかシュールというか。

乗ってるとほんとよく分からなくなってくるんですよ。
車内で液晶広告を見てると、
下からあの吊りかけサウンドが響いてくるんです。
僕がおかしいのかな……。




あ、そういえば、1000形より前の旧型車に対しては
1989年にリニューアル工事が行われ
駆動装置を2000形同等のカルダン駆動へと変えられてるんですが、



結果として
「左の電車の方が右の電車より走行性能は上」という事態も発生してるんですね。
元々、なんかおかしくね?とか思ってたんですが、
リニューアル工事でその違和感がブーストされた気がします。


まぁでもよくよく考えたら、
VVVFインバーター制御と抵抗制御の吊りかけ駆動の電車が
併結して普通に走ってる路線だし

ここらへんは気にしたら負けなのかもしれません。

1000形吊りかけ車の存在による、カオスな要素が多すぎます。
もう考え出したらキリがないんですよね・・・。





江ノ電最期の吊りかけ車は
今日もモーター音高らかに湘南の地を走り続けています。

フルカラーLED、シングルアームパンタグラフ、ツインディスプレイも誇らしげに・・・













*おまけ*


1000形リニューアル車に採用された
前面のフルカラーLED。

行き先は勿論の事、
実は「2種類のイラストを交互に表示でき
季節ごとにイラストを30種類程揃えている

かなりの優れものなんです。
鉄道車両向けだとトップクラスの代物なんじゃないでしょうか・・


例えば元旦には
こんな表示が出てたりします。







凄さが伝わりますかね・・・?





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