現代中国考察

現代の中国に独自の考察を加える。(エキサイトからの引っ越しです)

それぞれの事情 その2 ~日本の場合~

2015-06-26 19:15:41 | 日記
安倍総理が安保法制の今国会成立に拘るのか、それは政治的力量を試されているからです。

素人考えでも首を捻らざるを得ない法律を、しかも何が何でも今国会における法案通過を期しているのか、値踏みされているのです。

出来ないことでもやり遂げる手腕の持ち主なのかどうか、各方面が目を凝らして視ています。


各方面とは。


ロシア(プーチン大統領)、北朝鮮(金正恩第一書記)、南朝鮮(=韓国、朴槿恵大統領)、中国(胡錦濤「長老」陣営)です。


安保法制が成立すれば、理屈の上では政府が自衛隊を世界に派遣することが可能になります。

日本の軍事力は確かに脅威ですが、裏を返せば日本と手を結ぶことで第三国を牽制することが出来ます。

直接的には、韓国が矢面に立つことになりますが、韓国の国政を牛耳る同国の財閥にとっては有難くない話、逆に財閥解体を標榜する朴大統領にしてみれば、場合によってはこれ程までに心強い味方はありません。

また、中国海軍も封じられて逼塞せざるを得ないため、反日の領袖たる習近平国家主席にとっては面白くな話、その政敵で日中戦略的互恵関係の再構築を目指す「長老」とその周囲にとっては吉報です。



政治の世界では無力な者は相手にされないと言う鉄則があります。

腕力がある人物であって初めて交渉の窓口として認められるのです。

日本は軍事面でも高い潜在力を秘めていますが、それを行使するのに躊躇してきました。

云わば宝の持ち腐れだったのですが、それを今、解放しようとしているのであって、各方面が結末に「及第点」を付ければ地ならしは進みますし、落第すればお流れになってしまいます。

ですから安倍総理としては何としても「及第点」をとって日露首脳会談並びに日朝交渉、更には日韓関係修復に臨む必要があります。

換言すれば、如何に衝撃を蒙ろうが、延長国会会期末時点で法案が成立していれば、日本国内でどれだけ叩かれても、海外から救いの手が差し伸べられることになり、それが安倍政権の起死回生の妙薬になることは間違いありません。

ここが勝負所です、ここからが見所です。

(続く)

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