パソコン上達日記2

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古畑任三郎 特選シリーズから 古畑VS「骨董商」最高傑作の一つ

2016-01-31 16:38:07 | ミステリドラマ批評

第2シリーズ 7話「動機の鑑定」

この作品の素晴らしさは、演技バトル・物語展開・ミステリ度・古畑度 どれをとっても、たぶん平均を越えている点。

何度見ても、色あせない名作で、古畑傑作品の一つ。

 

 

2人を殺してもなお、平然としてラストの5分前まで、柔和な笑みを崩さない。穏やかで上品すぎる極悪人・を演じるのは、歌舞伎役者澤村藤十郎氏。このドラマで初めて知ったが、立ち居振る舞い、物腰し、言葉遣い・・・圧倒的な存在感。最後まで古畑と堂々と向き合う姿、美しいの一言。

演技バトルが面白いのは、古畑の見どころだけれど、この回は、この現代劇で、あまりおみかけしない澤村氏の凄みのある上品な悪人を堪能できる。

ミステリドラマとしても、「骨董商」というジャンルをもとに、専門用語が多種出てきて、興味を引く。いくつか小ネタがあるのも面白い。物語の展開も早く、シーンの切り替えが多いけれど、それが何層にも重なって、古畑の推理から、自然に最初の犯罪シーンに戻る。そこから犯人の心理に迫る過程が、スムーズで見事。そしてミステリの鉄板ネタ アリバイ崩しのパターンが披露される。が、最高傑作だなと思うのは、このアリバイを崩した後の澤村氏の独白にある。

思わず唸ってしまうぐらい、この独白には説得力がある、見るものを圧倒させる。「動機の鑑定」タイトルの意味が深い。


 古畑度というのは、ずっとドラマを見ていないと分からないネタ。動機の鑑定では、冒頭「結婚式帰りの古畑」が登場。古畑と今泉の短い台詞から、以下のことが推察される。

古畑記念すべき第1回のゲスト犯人 女性漫画家(ちなみ・中森明菜)は結婚した。良かった・・・。三谷氏は、彼女にだけ幸せな結末を用意したのだ。第1回を見てすぐ古畑のファンになった私だけど、何故第1回を見たのか?というと 中森明菜が出演していたから。

★ところで、古畑は彼女の結婚式で「サントア・マミー」を歌ったと今泉に話す。今泉は「それはマズイじゃなんですか?恋人よさようならという曲でしょ」と返すのだが、深読みすると 古畑とちなみ 二人の恋の終わりにひっかけて古畑が歌ったという解釈ができる。古畑の中で、たびたび後日談が語れるちなみだが、それは脚本家の三谷氏が中森明菜の大ファンのためという理由にあるらしいね。

 

 

 

 


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