戸山の日々

東京の大学に勤務する教授の日常を綴る
  うつりゆくよしなしごとを書きつくる
       ブログの文の狂ほしきかな

C大学での初講義

2008-03-04 | Weblog
3月3日~3月4日
さてC大学での初講義のため、
地下鉄1号線に乗ってブロードウェイを北上、
116stで降りて地上に出ると、
そこはもう大学の門なのであった。
ホテルから20分くらいである。

いささか早く着いてしまったので、
しばしベンチに腰掛けてキャンパス内を見渡す。
すると、おお、ドナルド・キーン博士が
よたよた歩いていらっしゃるではないか!
昨年、勤務先大学の創立記念企画で、
所属学部がご講演をお願いし、
私も拝聴した。おなつかしや!

さてKent Hallという建物にある
S先生の研究室に行く。
ここで授業を行うのである。
S先生と簡単な打ち合わせをした後、
早速講義開始と相成った。

受講生は大学院生8名と、
アルゼンチンから来たというゲストの御仁、
それにS先生も脇で聴いていらっしゃる。

別に緊張しなかった。
いつもの国内の集中講義と一緒である。
反応がよくて、結構ツカミも有効だが、
日本人なら誰でも知っている歌が分からなくて、
ハズしてしまいました。
オチがつかないというやつである。
次回までの課題を出して、時間通り終了した。

S先生のお連れ合い(同じくC大学教授)も見える。
雅楽の公演をちょっと覗いてから、
タクシーに乗り、ホテルに割合近い、
「Restorante la grolla」という
北イタリア料理のお店に連れて行っていただいた。
Amsterdam Aveと79stを上ル東側、という位置。
ニューヨークはほんと、京都みたいである。

2時間半ほど食事をしながら歓談する。
これからのスケジュールも
いろいろ打ち合わせることができた。
S先生リクエストの論文リストを、
早速明日にでも作らなければ。
これもオンラインデータベースで
埒が明く仕事だ。

いただいた赤ワインも美味しかったが、
銘柄は確認し損なった。
ニューヨークに来て、
初めてきちんとした食事をした感じ。
ホテル近くのS先生お薦めのスーパーは、
私が思っている店とは違うようだ。
明日確認してみよう。

ミルバーンホテルに戻り、
メールチェックをすると、
学部の事務所から成績照会が来ている。
3月3日と4日は進級がかかる1年生と、
卒業がかかる4年生(以上)の成績発表日だが、
私がコーディネータを務めるある科目について、
「不可」の理由を照会してきた受講生があったらしい。
職員の方は、
出張中で成績資料が確認できないでしょうから…
云々と書いてきたが、どうしてどうして、
この科目は完全にインターネット上で行われる
オンデマンド授業であるため、
受講状況つまり授業への出欠から、
提出されたレポートの内容・評点にいたるまで、
NYに居ながら確認できるのである。

すぐさま「不可」の理由を説明し、
レポートを採点したK教授に
必要があれば照会して欲しいと書いて返信、
K教授にもCCしておく。これで万全。
事務所でも、
照会して1時間以内にNYから返信があれば、
文句はあるまい(そのかわりこちらは深夜である)
なんと熱心な教員であろう!

繋がっている

2008-03-04 | Weblog
3月3日。
コース主任からある委員への就任の打診を受ける。
他に適当な人がいないなら仕方がない。
活動は4月になって、授業開始前からでよいそうだ。
了解の返信を送る。

本年度の卒業生総代は、
学部、修士課程とも、
我がコースの学生になったそうだ。
祝着至極。
優秀な修了者を輩出して、
存在感を示す以外にコースの生き残る術はない。
ちょっと危機感が強すぎるか?
我が研究室の院生諸君も、
ご精進あれかし!

M教授からは、入試の改革私案が送られてきた。
もう私の委員会の問題じゃないんだけどね。
りっぱなご意見であると感想を返信。

イタリア人大学院生のPさんからもメールが来る。
今日、S先生のオフィスでお目にかかれるようだ。
彼はC大学の博士候補生で、
日本滞在中の受け入れ教員を務めた。
お連れ合いは日本人だが、
昨年お子さんが生まれたばかり。

これからC大学での最初の講義に出かける。
夜眠れなくて、午前中は起きられない。
体内時計がまだ適応できていないようだ。

【本日の一首】古今和歌集
いかならむ巌の中に住まばかも世の憂きことの聞こえこざらむ
*以前、同じ和歌を書いたかも・・・
 記憶で書いているので、重出ご容赦ください。