二面楚歌 グラビアレビュー備忘録

「二面楚歌」http://petri.tdiary.net/
のグラビアレビュー備忘録。
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週刊プレイボーイ 2011 No.32

2011-08-11 | 週刊プレイボーイ
SKE48
6ページ15カット、見開き1箇所。 撮影は今村敏彦。
表紙は松井珠理奈を挟んで、左に高柳明音、右に松井玲奈。 高柳明音がここまで出世するとは思わなかった。
グラビア本編には、この三人に加えて矢神久美、須田亜香里、木本花音、大矢真那、小木曽汐莉、秦佐和子。 矢神久美は表紙の3人に準ずる扱い、
さて、SKE48も遂に水着展開。 NMB48にこれだけ形振り構わぬ売り方をされてしまうと、先行者としてやらざるを得ないのだろうか。

例の如く流れ作業のグラビアではあるが、出来はそれなりに良い。 しかしもう少し丁寧に撮って欲しくはある。
額に浅草海苔をペタリと貼り付けたような高柳明音の髪型は素材の持ち味を減殺しているように思うのだけれど、なんでこれに拘るのか判らない。
ブログに上がるセルフポートレートでは、岡本太郎が憑依したかの如く目を見開いた写真ばかり載せる小木曽汐莉は、このグラビアでも目に力を入れてこじ開けたような表情が多い。 そこまでしない表情の方が可愛らしいのだけれど、その辺りが判っていない。

今村敏彦らしくはない写真だが、表紙の松井珠理奈が実に良い。 元々の大人びた顔立ちに、実年齢が追い付いて来た。

峯岸みなみ
5ページ5カット、撮影は中山雅文。
例によって退屈極まる中山雅文のグラビア。
ピントも露出もきっちり合わせて来る撮影技術は、街の営業写真館の主としてなら良い仕事。 ヒトをモノとして撮る技術には長けているが、その場にある空気から何から、被写体の物自体以外の部分がまるで写し取れて居ない。
その場で何をすべきか判断して複数の答えを用意できる峯岸みなみの小悧巧な部分に助けられて表情の幅は出ているが、そればかりが目立ちすぎて逆に鼻につく皮肉。
峯岸みなみが守備的な仕事をさせられている。

奥仲麻琴
5ページ17カット、撮影は川島小鳥。
可憐な外見だけが先行しがちな奥仲麻琴の"それ以外"の部分が切り取られている。
造形美だけではない、仕草や佇まいの可愛らしさまでちゃんと撮って貰えている。
グラビアでの定番のポーズが無いのも良い。

森田涼花
5ページ7カット、撮影は今村敏彦。
浜辺とその近くの民宿と思われる昭和の日本家屋での撮影。 その場にある光で撮っているので、顔に影が挿したり被写体ブレが起きたりもしているが、その分生々しく撮れている。
森田涼花は生々しく撮っても生々しくなり過ぎないので、今村敏彦のロケでの撮影手法との親和性は高い。
SKE48もスタジオに押し篭めての流れ作業の割には良い出来であったが、本領はこちらにある。
被写体に魔法を掛けるが如く自然な表情を引き出すのが今村敏彦。

熊田曜子
7ページ9カット、撮影は沢渡朔。
洋館、窓からの光、背景に木々の緑。 これが先ず巧い。
舞台を整えたところに、撮られ慣れた熊田曜子。 大人が大人を撮った、大人のグラビア。

bump.y
3ページ7カット、撮影は熊谷貫。
路線変更が賛否両論(私の周りでは、主に「否」)のbump.y ではあるが、売り出し方のブレも感じる3ページ。
熊谷らしくない、切っ先の鈍いグラビア。 まるで切り込んでいない。
貶すほど酷い出来では無いが、褒めるほど良くも無い。

丸高愛美
6ページ8カット、見開き1箇所。 撮影は栗山秀作。
モデルとしての良し悪し以前に、撮られる写真にハズレが多すぎた丸高愛美であったが、このグラビアは良い。
これまでより露出度を上げざるを得なかったのでは無いかと思われるが、実に綺麗に撮って貰えていてうらぶれた感じはしないし、程よく生々しい。

週刊プレイボーイ2011 No.30

2011-07-18 | 週刊プレイボーイ
板野友美
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は渡辺達生。
板野友美のグラビアとしては最低に近い出来。 もっとも板野友美そのものはカット毎に表情を変えてきっちり仕事はしているので、出来の悪さはカメラマンと編集者に係る部分。
2nd シングルの発売に合わせての巻頭グラビアなのだと思うが、さながらダメージキャンペーン。

光が強すぎて肌は白っ飛びしてのっぺりした質感、あまり眩しげな表情をしない板野友美であるが、下瞼が上がってしまっている。
人はモノではないので、光が強すぎれば表情も硬くなる。 そして質感の表現にも失敗していると言う事は、ブツ撮りとしても落第。
巻頭に値しない仕事、板野友美の無駄使い。

剛力彩芽
5ページ5カット、撮影は橋本雅司。
80年代っぽいメイクと構図、これが癖の有る顔立ちの剛力彩芽には合っている。
写真の選択や配置も最適解に近いのではないだろうか。
好みではないが、良く出来たグラビア。

佐山彩香
5ページ8カット、撮影は薮下剛士。
単調な表情の続く、退屈な8カット。
身体を見せるグラビアとして見れば、及第点ではある。

小林さり
3ページ7カット、撮影は井ノ本浩二。
何をどう生かして撮りたいのか判らない写真。 綺麗々々に撮るでもなく、下衆な視点でもなく、些か中途半端。
手馴れた感じの表情もいただけない。

梅宮万紗子
7ページ9カット、見開き1箇所。 撮影は西田幸樹。
例によって例の如く、見えそうで見えない(見せない)グラビア。
熟れた無花果を手掴みで婪り食わせるベタな演出は興醒めだが、全体を通して綺麗に撮れてはいる。

菊地あやか
借金のカタに売り飛ばされて脱がされたかのような、陰惨なグラビア。  尾木プロは全カット没にすべきであった。
ポージング、ライティング、構図、全てが菊地あやかの良さを消す方向に働いている。
「おさわがせしてごめんなさい」とキャプションが被せられているが、読者に謝罪すべきは巻頭にアイスの実の広告をグラビアと偽って載せたプレイボーイ編集部である。
厚顔無恥、ここに極まれり。


週刊プレイボーイ 2011 No.29

2011-07-18 | 週刊プレイボーイ
Not yet
8ページ7カット、見開き1箇所。 撮影は今村敏彦。
作りこんで撮っていないので、大島あたりは顔に疲れが出ているカットも有るが、その分それぞれがそれぞれに「らしい」表情。
横山由依が変に構えずに素でカメラの前に立てるようになり、4人のバランスも良くなった。
セットや小道具を仕込んだ撮影に今村敏彦を使うのが的外れではあるが、写真そのものの出来は良い。

武井咲
写真集からの other cut で4ページ4カット、撮影は橋本雅司。
綺麗は綺麗なのだけれど、一本調子で面白みが無い。 橋本雅司にして撮りあぐねた感じ。

荻野可鈴
4ページ7カット、撮影は萩原和幸。
あまり上手くは行っていないが、様々な角度から素材の良さを引き出そうとした形跡は見られる。
写真の選択が悪く、1ページ使ったカットより、2ページ目に小さく使われたものの方が表情も構図も良い。
カメラマンが編集者の審美眼の無さに足を引っ張られている。
荻野可鈴も慣れが悪い方向に働きつつあるように思える。 それをなんとかするのがカメラマンの腕である訳で、その辺りが物足りないグラビアではあった。

川村ゆきえ
写真集から4ページ6カット、撮影は西田幸樹。
1ページ目と3ページ目、特に3ページ目の横からのカットが上手い。
過不足無い光と厳密な構図での一枚、匠の技。
川村ゆきえも撮られ慣れ過ぎて新鮮味に欠けるところがあるが、まだ開いていない引き出しも有る。 それをこじ開けるのが、カメラマンの腕。

篠崎愛
7ページ9カット、見開き1箇所。 撮影は西條彰仁。
童顔の篠崎愛を、なんとか大人っぽく撮るべく秘術を尽くしたグラビア。
3ページ目と6ページ目上段の木漏れ日を使ったカットが巧い。
真正面から撮らないことで、丸顔から来る子供っぽさに打ち消されがちな「大人」の部分を引き出している。

吉井怜
写真集からの other cut で6ページ7カット、撮影は橋本雅司。
こちらは橋本雅司らしい写真。
これはモデルのカメラに対する向き合い方の違いから来るものてはないかと思う。 撮り甲斐の有無で、写真の出来も変わってくる。

総評
前号の出来が酷かったので買わずに済まそうと思ったが、立ち読みしてみたら予想に反して出来が良かったので購入。
撮り下ろしは少なめだが、無理に撮り下ろして質を下げるよりは良い。

週刊プレイボーイ 2011 No.28

2011-07-06 | 週刊プレイボーイ
週刊プレイボーイ 2011 No.28
リニューアルしたところで、最早買うに値しない代物であることに何ら変わりは無いのだけれど、買わずに貶すのもフェアではないので、とりあへず290円をドブに棄ててみた。

「グループアイドル大特集」との事で買った訳なのだけれど、これがまた実にヒドい。 月刊ゴシップ誌の方が、余程まともな記事を載せている。
年齢非好評の東京女子流の平均年齢が大書されていたり、「男装ではない」のが建前である腐男塾が男装ユニットとして紹介されていたり、取材し掲載するにあたって踏まえておくべき事柄が悉く無視され、踏み躙られている。

ぱすぽ☆の根岸愛にしてもそう。 腹黒を指摘されても頑なに否定し、心まで純白であると強弁するのが根岸愛の根岸愛たる部分なのである。
嗚呼、それなのにそれなのに、「腹黒くってごめんなさい」とキャプションが付いている。 こんな事ぁ口が裂けてもお天道様が西から昇っても言いっこない。

アストロホールの Super☆girls をグチグチ貶しながら観ていたライターが、シレっと礼賛記事を書いているのにも呆れた。

廃刊寸前だったプレイボーイも、AKB48人気に肖ってなまじ生き永らえてしまったが為に社会に害毒を垂れ流す存在になってしまった。
これもAKB48が世に齎した災いの一つであると言えよう。

石原さとみ
5ページ7カット、撮影は西田幸樹。
外光のふんだんに入る屋内での撮影。 斜めからの光で陰翳を付けて、顔の立体感を程好く出しているのが上手い。 余計な光を使わないので表情も柔らかい。
3ページ目の最後の見開き、そして扱いは小さいが2ページ目下段左側の横顔も良い。
こうした良質のグラビアを提供するだけの地力がありながら、この号はこれ以降のページが劣悪。

アイドリング!!!(大川藍、遠藤舞、横山ルリカ
5ページ5カット、見開き1箇所。 撮影は栗山秀作。
並べると横山ルリカだけが突出してしまい、あとの二人が引き立て役になってしまうので、左右を入れ替えたり並びを変えたり、判りにくく気を遣ったグラビア。
どうしても横山ルリカに目が行ってしまうが、遠藤舞の気だるげな表情も面白い。

ぱすぽ☆
5ページ12カット、横並びの集合と1人1カットずつのコラージュで見開き2箇所。 歌衣装と米村弘光の装飾水着で2パターン。 撮影は樂満直城。
先ずは増井、奥仲、根岸で1カット。 「誰某と誰某は人気が有る」と言う予習はしたようだが、そこまで。
横並びの集合は、何時もの「ぱすぽ☆」。 安斉奈緒美は澄ました表情の方が映えるが、この場合はこのクシャッとした笑顔で良い。
しかしコラージュのページが酷い。 ベルトコンベア式に撮った割には良い表情だが、キャプションが切腹どころか打ち首ものの酷さ。
「それぞれのキャラクターを一文で」と言う意図が有るにしても、傍から見てはそうかも知れないが本人自らは発することが無いであろう言い回しが並ぶ。
知らないなら調べれば良いし、判らないなら訊けば良い。 それをせずにテキトーにデッチ上げたやっつけ仕事。 対象に対する敬意もへったくれも無く、「載せてやるから有り難く思え」式の思い上がりが如実に表れた、この号の「グループアイドル大特集」なるものの腐臭が強く出た5ページ。
ぱすぽ☆パッセンジャーはこんなのに載ったのを喜んではいけない。 寧ろ扱いの酷さに憤るべき。
編集者(もしくは担当ライター)に誠意があれば、グラビア誌でなくとも、過日の電撃ゲームス Vol.18のような見応えのあるグラビアは作れるのである。

ももいろクローバー
5ページ10カット、見開き1箇所。 撮影は渡辺達生。
当てる光が強すぎるので、楽しげでありつつも表情が硬い。 特に高城れには凶相と言って良いほど。
この号が手元に有る方は下瞼に注目して頂きたい。 撮影現場の雰囲気作りの上手さではどうにもならない事もあり、一見こぼれる様な笑顔に見えても顔のこわばりが全てのカットに見られる。
こうした写真は上っ面は綺麗に見えるかもしれないが、中身は空疎なので見ても何ら感興を催さない。
メンバーの紹介文も何時の情報なのだか呆れる、古文書から抜書きしたような駄文。

東京女子流
1ページ1カット、撮影はHIROKAZU。
経費節減のあおりのザラ紙カラーグラビア。
これも光が強すぎてお話にならない屑写真。 光が強いのに顔に妙な影が差していたり、呆れるほか無い。
先般書いた通り、年齢非公表なのに平均年齢が大書されているインタビューも含めてお話にならない。

スマイレージ
見開きで2ページ1カット、撮影は岡本武志。
寺田が売りにしている「脚」を見せる為か、公園の花壇か何かに腰掛けさせたのを正面から撮っている訳だが、レンズがデルタゾーンの高さと言うデリカシーの欠片も無い写真。 真っ昼間にこんな所で撮って眩しくない筈が無く、またぞろ強張った作り笑顔。

腐男塾
1ページ1カット、撮影はHIROKAZU。
「男装ユニット」と書いてしまうところからして、取材対象の設定や世界観を閑却した屑仕事。
写真もライティングが粗雑でお粗末。

SUPER☆GIRLS
巻中グラビア4ページ12カット、撮影はTakeo Dec.
「可愛くない娘がいないのに、送り手が醜悪」でお馴染みの SUPER☆GIRLS から6人で水着グラビア。 送り手から漂う腐臭は42ページからのグループアイドル関連記事で嗅ぐことが出来る。
閑話休題、グラビアの話。 6人に絞ったこともあり、流れ作業感は薄いが、紋切り型の表情に終始。
素材の良さは伝わるが、調理の仕方が悪く、刺身にすらなっていない切り身写真。
これはカメラマンだけの責任ではなく、この6人でどうページを組み立てるかを考えられない編集者の無能に帰するところが大きい。

総評
碌すっぽ調べもしないでデッチ上げた「特集」と書くのも憚られるくらいの惨憺たる出来。
今回掲載されたグループの多くは、既にアイドル専門誌やゲーム誌、ゴシップ系月刊誌などで取り上げられており、特集としての新鮮味が無い上に内容も空疎というどうしようもないモノであった。

週刊プレイボーイ 2011 No.17

2011-04-21 | 週刊プレイボーイ
綾瀬はるか
表紙と巻頭グラビア6ページ5カット、見開き1箇所。 撮影は今村敏彦。
前号を酷評したところ、「いや、今週号の今村さんの綾瀬はるかは良いですよ」とお知らせをいただき、仕事帰りに探しに走ったのが金曜の夜。 ところが最寄りのコンビニエンスストアでは売り切れ。 別の店にも行ってみたが、無い。
結局コンビニ6軒、本屋2軒梯子して漸く購入。 青年漫画誌なら、同じ曜日に発売したものが残っている店もあったので、売れたと言うより仕入れ数が少なかったのではないかと思われる。
一時間近く自転車で走り回って草臥れはしたが、それだけの甲斐はある良質のグラビア。

身体の線を出すでもなく、消すでもない衣装。 前号の倉科カナのような不自然さは無くて、これが「売れる」と言う事なのだと納得。
被写体の微妙なブレで動きは出しつつ芯はしっかりと有り、ピントは合うべきところに合っていて手ブレも無い。 理想的なポートレート。 こう言う今村敏彦が見たかった。

宮澤佐江
6ページ7カット、撮影はHIROKAZU。
何かと言うとボーイッシュな部分だけを強調されてしまう宮澤佐江。 今回もその線だが、それはそれとしてそれ以外の部分も撮って貰えており、中々の出来。
1カット目のお茶目な表情と、7カット目の ennui な表情の落差も利いている。
水着は蛇足だと思うのだけれど、それ無しでグラビアを成立させるには未だ売れ方が足りないと言う事か。

愛衣
巻中グラビア7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は熊谷貫。
笑顔無し、暗めの屋内で撮ったグラビア。 対象に迫って撮る熊谷貫の本領が出た6カット。
斜めからの光で陰翳を出し、正面を外して様々な角度から切り取って変化をつけている。