映画少年

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本能寺ホテル

2017-10-16 18:24:19 | 日記


「本能寺ホテル」(2017年1月14日公開)綾瀬はるかの天然ぶり満載のコメディ映画である。

(あらすじ)
勤務先が倒産して就活中の主人公倉本繭子(綾瀬はるか)は、交際していた吉岡恭一(平山浩行)からプロポーズされて迷うが、友人たちから「永久就職」を勧められ流されるままに婚約してしまう。
ある日、吉岡の両親の金婚式の祝賀パーティーに出席するため京都を訪れた繭子は、手違いで予約していたホテルに泊まることができず、街をさまよったあげく路地裏にひっそりと佇む「本能寺ホテル」というホテルに辿り着く。


エレベーターに乗った繭子は気が付くと、戦国時代の京にタイムスリップしていた。しかも、彼女の前に現れたのは、織田信長(堤真一)とその小姓・森蘭丸(濱田岳)。繭子は、次第に信長の人間性に惹かれていく。


(ネタバレコメント)
エレベーターが止まりドアが開くとその先は、本能寺の変(1582年6月2日)が起きる前日の本能寺の長廊下という設定。
エレベーターを出て後ろを振り返るとエレベーターは消えていた。このあたりがちょっと怖い。突然現れた繭子を不審に思いながらも蘭丸がかくまおうとするが、信長の理不尽さに怒った繭子が無礼を働いたため切られそうになる。


しかし、なぜか繭子は信長に気に入られ、着物を買ってもらい一緒に京のまちを散策するうちに信長の人柄に惹かれていく。


通常冷酷で無慈悲なキャラクターとして描かれる信長であるが、本作品では天下を統一して争いのない国を目指す人物としての一面が強調されている。そんな信長に惹かれた繭子は、本能寺の変から信長を救おうと思い明智光秀の謀反が起きることを告げてしまう。通常こうした行為は歴史を変えてしまうことになるのでタブーなのであるが、繭子はそれをやってしまうのである。果たして信長は生き延び、そして歴史は変わるのか?
いやいや、そうならないところに本作品の面白さがある。信長は運命を受け入れ、長州攻めに向かっている秀吉に明智の謀反と自らの死について記した手紙を送り、後のことを託すのである。秀吉が本能寺の変を知り直ちに京に戻り明智光秀を討ち取る「中国大返し」が何故出来たのか? これが歴史的事実かどうかは別にして、「中国大返し」への疑問に答えるエピソードである。

吉岡との歓談中に信長のことが気になり炎が燃え盛る本能寺に向かうが、信長を説得できずに吉岡の所に戻る。、


吉岡は、戻ってきた繭子の行動を深く追求することなく、失業中の繭子の弱みに乗じてプロポーズをしたことを詫び婚約を白紙に戻すことを申し出る。予想外の展開である。
そして「ほかに好きな人がいるんだね」と尋ねる。繭子はそれを否定せず、「どんな人?」と尋ねる吉岡に対して「とても凄い人」と答える。それはそうだろう。

映画の前半で就活中の繭子がハローワークを訪れ、担当者から特技を尋ねられた際に「教員免許を持っています」と答えるシーンがあるが、担当者に軽くあしらわれてしまう。実はこれが伏線になっていて、映画の最終版で繭子が臨時教員の申し込みのために教育委員会に電話をする場面がある。「歴史の先生を希望します!」それはそうだろうとまたまた思ってしまった映画少年であった。

それにしても綾瀬はるか、いい女優さんである。


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