映画少年

映画と音楽を愛し 教育の未来を想う 少年のつぶやき

夢の中へ

2017-06-13 18:53:02 | 日記


井上陽水のダウンロードランキングを調べてみた。
1位は「少年時代」
陽水最大のヒット曲と言えるこの曲は、発売から27年を経た今でも人気が衰えていない。

そして2位が、現在NHKで放送されている人気番組「ブラタモリ」のエンディング曲「瞬き」である。

洗練された曲想と甘い歌声は実にお洒落で、気の利いたバーでかかっているような素敵な曲である。


3位は、同じく「ブラタモリ」のオープニング曲「女神」
ハロー ハロー お元気?
今夜 なにしてるの?
TVなんか 見てないで
どこかへ一緒に 行こう

この番組は、特別な演出もなくタモリとアシスタントの女子アナが、全国各地をまさにブラブラと歩くだけのものなのだが、時折博識ぶりを披露するタモリのトークに惹かれて一緒に歩いているような気になる。
ご当地の案内人も登場して解説してくれるのでちょっとした教養番組とも言える。
ちなみに、博多編の際に案内人を務めた当時博物館職員だったA氏は知り合いで、今でも会った時にその時のことが話題になる。

話をランキングに戻そう。
その後、「いっそセレナーデ」(1984年)、「リバーサイドホテル」(1982年)と往年の名曲が続く。
他にも中森明菜に提供した「飾りじゃないのよ涙は」(1984年)やパフィの「アジアの純真」(1996年、作曲は奥田民生)などがある。凄い才能である。


しかし、はじめに陽水の才能を思い知らされた曲は、「夢の中へ」(1973年)である。
今でもテレビ番組のテーマ曲やBGMとして耳にすることがある時代を超えた名曲だと思う。


探し物は何ですか
見つけにくい物ですか
カバンの中も机の中も
探したけれど見つからないのに
まだまだ探す気ですか
それより僕と踊りませんか
夢の中へ 夢の中へ
行ってみたいと思いませんか
ウフッフー ウフッフー ウフッフー
サーアー

探し物とは、なんだろう。
自分の生き方?
悩みの答え?
それとも恋の行方?
それらはさておいて、目の前の楽しいことをやろうじゃないか。
そんな感じの曲である。
先の見えない若者、悩み多き若者の気持ちを代弁しているのかもしれない。

そう言えば、ファーストアルバム「断絶」(1972年)に収録された「傘が無い」もそんな感じだったなぁと思う。


都会では 自殺する 若者が増えている
今朝来た 新聞の 片隅に書いていた
だけども 問題は 今日の雨 傘が無い
行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の町に行かなくちゃ 雨にぬれ
つめたいたい雨が 今日は心にしみる
君のこと以外は 考えられなくなる
それは いいことだろう

これも「それはさておき、・・・」的曲である。

今回のタイトルは、「夢の中へ」であったが、話があちこちに及び、まとまりのないものになってしまった。
これも陽水特集らしい?ということでお許し願いたい。


東へ西へ

2017-06-13 05:00:52 | 日記


仕事を終え帰宅する車のラジオが懐かしい歌を奏でてくれた。奏でると言ったが正確に言えば「叫ぶ」かもしれない。

その歌とは、井上陽水の「東へ西へ」(1972年)である。初めてこの曲を聴いた時の衝撃をいまだに覚えている。

昼寝をすれば夜中に眠れないのはどういう訳だ
満月 空に満月 明日はいとしいあの娘に逢える
目覚まし時計は母親みたいで心がかよわず
たよりの自分は睡眠不足で だから
ガンバレ みんなガンバレ 月は流れて東へ西へ

意味不明・・・
しかし、心に響く何かを感じる
イントロのギターがまず聴く人の耳を奪う
今までにないインパクト
いったいこの歌い手(陽水)は何を伝えたいのか?
いや、そんなことを考えさせるスキも与えない怒涛の歌声

電車は今日もスシズメのびる線路が拍車をかける
満員 いつも満員 床にたおれた老婆が笑う
お情無用のお祭り電車に呼吸も止められ
身動き出来ずに夢見る旅路へ だから
ガンバレ みんなガンバレ 夢の電車は東へ西へ

井上陽水(福岡県出身)
歯科医を目指し大学受験に臨むがことごとく失敗。「歌手でもやろうか」といったノリでプロへ。福岡のKBCラジオで紹介されたのをきっかけに世に知られるようになり、3作目のアルバム「氷の世界」(1973年)は、日本市場で初のミリオンセラーとなる。


「東へ西へ」は、その前年に発売されたセカンドアルバム「陽水II センチメンタル」に収録されている。

全作詞・作曲:井上陽水
SIDE A
つめたい部屋の世界地図
あどけない君のしぐさ
東へ西へ
かんかん照り
白いカーネーション
夜のバス
SIDE B
神無月にかこまれて
夏まつり
紙飛行機
たいくつ
能古島の片想い
帰郷(危篤電報を受け取って)

陽水の様々な側面が見えるアルバムである。
ストリングスで始まる「冷たい部屋の世界地図」は、幻想的であり、博多湾に浮かぶ能古島が舞台の「能古島の片想い」は、メルヘンチックである。

「東へ西へ」に話を戻そう。
実はこの曲は、1990年代に本木雅弘がカバーしている。大きなヒットには繋がらなかったが、ちょっとした話題になったのを覚えている。そう言えば陽水と同じ福岡県出身のチューリップの大ヒット曲「心の旅」(1973年)を俳優の吉田栄作がカバーしたのも90年代だったような気がする。当時人気者の彼らがカバーしても本家本元には、かなわなかった。

花見の駅で待ってる君にやっとの思いで逢えた
満開 花は満開 君はうれしさあまって気がふれる
空ではカラスも敗けないくらいによろこんでいるよ
とまどう僕にはなんにも出来ない だから
ガンバレ みんなガンバレ 黒いカラスは東へ西へ

ガンバレ みんなガンバレ 月は流れて東へ西へ
ガンバレ みんなガンバレ 夢の電車は東へ西へ
ガンバレ みんなガンバレ 黒いカラスは東へ西へ

1972年は、あさま山荘事件をはじめ、様々な出来事があり、先が見えない時代であった。そんな時代の若者の心情を代弁したのが陽水なのかもしれない。今また、同じような時代を迎えているが・・・