166.6のおちゃめな毎日

バンド166.6のライブ案内、CD情報などのブログです。

シンフィールドの詩の力 by PJ

2006-09-28 | CD・ミュージシャン紹介
"器楽曲"と"歌"の違いって何だろう?
乱暴に言ってしまうと、前者は楽器のソロもしくはアンサンブルでもって曲の世界を表現する、後者は歌詞とその歌い手がいて、詩と歌と演奏をもってして世界を表現する。

ピート・シンフィールド(Pete Sinfield)、名前を知らない人もどこかで彼の詩を耳にしたことがあるかもしれない。いろいろな人に詩を提供していて近年は映画「タイタニック」の主題歌詩も書いている。
お仕事モード?の最近の作品はよく知らないので、昔の仕事、彼が一般に知られるようになったキング・クリムゾン(King Crimson)在籍時の作品を例に、詩の力に触れてみたいと思う。

クリムゾンの1stアルバムに収録されている「I talk to the wind」(邦題:風に語りて)。わりと有名な牧歌的な曲だが、この曲の魅力の半分以上は彼の詩にあると思っている。当時の彼は半端でなく深く含蓄を入れた歌詞を書いていて、私なんかには詩の真意はさっぱりわからない。なのに幻想の世界へと引きずり込まれそうになる。
最初を一部引用すると(引用に問題があればすぐ削除します...)
Said the straight man
to the late man,
Where have you been
I've been here and
I've been there and
I've been in between...
どうでしょう?よくわからないでしょ?たぶん世相も反映されていると思うので、the straight manやthe late manを解釈するにはいろいろと知る必要があるのだけど、フルートをはじめとする木管楽器が骨格を作る牧歌的メロディーにこの韻を踏みまくりの詩を乗せて語りかける。この風を感じるには曲を実際に聴いてもらうしかないのだけれど、この詩がなくて、例えばこの曲が器楽曲だったりしたら、多少美しいにしても単なる軟弱ソングにしか成り得なかったと思う。
当時の彼の写真を見る限り、なんか純粋な文学青年のように見えて、だからこそこんな詩を書けたのではないかと思ったりもする。(他の詩を読む限り、実際はかなりヒネクレてたかもしれないんだけれども)

そんな彼も大人になったのか、仕事と割り切るようになったのか、近年は前述したセリーヌ・ディオン(Celine Dion)の曲のようにわかりやすい恋愛歌詞も書くようになっているようである。韻を踏みまくりなのは相変わらずみたいだけど。

歌がある曲も器楽曲と同じ感覚で聴く人もいる。例えば「歌も楽器の一部でしかないから歌詞なんかなくてもいいよ」というように。音楽ジャンルによってはそれも否定する気はないのだけど、せっかく詩があるのにスルーさせているのはもったいないと思う。それによって曲の印象がガラッと変わることもあるのだから。

最後に166.6の歌詞は166.6ホームページに入ってから左のフレーム「Words」をクリックすることで見ることができます。

イケイケな風神「風神雷神図」 by PJ

2006-09-27 | アート
出光美術館で開催されている「国宝 風神雷神図屏風」展を見てきました。

同題材を描いた3人の絵描き.....正確には俵屋宗達が描いた作品を後年になって尾形光琳が見つけ感銘を受けた光琳が自分の色を加えつつ模写的に描いた、それをまた酒井抱一が後年に見つけて感動し宗達の作品の存在を知らぬまま光琳の作品をベースに己の手でも描いてみた.....不思議な因縁というか、つながりがある作品達です。

今回の展示ではそれぞれの作品のパーツ毎の比較などもしていて、新鮮な発見があります。
私は尾形光琳といえば「紅白梅図」をはじめとする樹々・植物のイメージを持っていたので、彼の有名な作品にこのような躍動的な生物を描いたものがあったとは恥ずかしながら知りませんでした。

でも、やっぱり宗達のが一番かな。初物の強みというのもあるのかもしれないけれど、鮮度が違います。今にも動き出しそうな風神、この「へっへっへ、やったるぜぇ」という、ちょっと悪戯っぽい表情が最高でした。他の2人の風神にはこの悪戯っぽさがなかった分、真面目っぽくなり躍動感が落ちた感じ。

「国宝 風神雷神図屏風」展は10月1日(日)まで無休で毎日19時までやっています。お薦めです。

2007「日印交流年」プレイベント『ナマステ★インディア』by青樹

2006-09-26 | イベント
2007「日印交流年」プレイベント『ナマステ★インディア』が渋谷で開催されていたので、いってきました。
会場は代々木公園とたばこと塩の博物館でし。
代々木公園は、食べ物や物産の販売、民族舞踊、民族音楽などのイベントです。
たばこと塩の博物館は、東北のミティラー美術館の展示です。
代々木公園でカレーをたべまくった後、シタールとタブラの演奏を聞きました。
すごい迫力があって良かった。二人が互いに良い演奏をすると、目を合わせてニヤニヤするのがかわいかったです。

そして、たばこと塩の博物館のミティラー美術館展ですが、ミティラー美術館は実は、東北で、ミティラー画など、インドの美術品を集めた美術館です。
そして、震災にあい、しばらく公開をやすんでいました。
今回はそんな震災時のすごさも展示されていました。美術品も、美術館の人々が、危険な倒壊しそうな建物から運び出したものです。
今回の展示は大変大きいものが多いのですが、どれも大変緻密に描かれています。
一階て(たぶん)ポーワ・ディービーさんが竹筆で、丁寧に模様を書いていました。
本当に根気のいる仕事です。
ジッとみていたら、ジェスチャーで、ずっと膝をついて書いているから、膝が痛いと伝えてきました。
本当に大変な思いでかくのですね。
なかなか素敵なものにであえる、良いイベントでした。


モナレコード ライブ by 青樹

2006-09-24 | 音楽
モナレコードのライブが終了しました。
皆さんお疲れ様です。
昨日はカレードノーツさんもmaycoさんも素敵な方達ばかりで、楽しい夜になりました。
ありがとうございます。
九月は私にとっては、特別な月で、いろいろな事がある月です。
涼しくなって、いろいろとおちついて考える事ができるからかもしれません。
ライブを今月は二回しましたが、どちらもそれぞれに良い夜だったと思います。
初めて聞いていただいた方達も、いらっしゃいましたが、私たちの音はどんなふうに伝わっているのでしょう。
昨日のモナレコードの一日で、楽しんで帰っていただけていたら良いなあと、心から思っています。
ありがとうございました。

「マンホール」筒井哲也 コミック by 青樹

2006-09-22 | 日記
筒井さんのマンホールを読みました。
いまだに、いろいろなシーンが思い浮かび、恐ろしい気持ちがします。これから読まれれ方は、絶対に全三巻を手元においてお読みください。
ある日、ごくごく普通の街に、裸で血だらけの男が歩いている。
彼はマンホールからあがってきた。
朦朧とする頭に浮かぶのは、罪の意識。
そして壮絶な死。
原因は感染病。蚊を媒介に病気は広がる。日本昔からあるが、違うタイプのこの病原体は、生き物の脳が作る「欲望」の成分に取り付き、人格を変えていき、死にいたらしめる。
そして、今回は意識的に選ばれた人が、病気をうつされたのだ。
中年で叩き上げの男性刑事と若い明るい女性刑事が捜査にあたり、着々と犯人の足取りをおうが、被害者は続々と増えて行く。
恐ろしい病気と戦いながら、刑事は犯人を捕らえられるのか。犯人の目的は何なのか。
何が怖いって、病気の描写や死がリアルで。
実は私は蚊のアレルギーで、夏場はかなり用心しています。
でも、どこかで刺されてしまいますよ。
本当に不思議。
人間は自然にかてないのかもなあ、と思います。
ちょっとこの内容を読むと、おもしろそうじゃんと思われるかもです。面白い!でも、かなり残酷なんで、かならず読み切ってください。
3巻にすべてがありますので、どんなに気持ち悪くなっても、途中でやめないでください。

「フライトプラン」 by 青樹

2006-09-21 | 映画・TV・DVD
ジュディフォスター主演 フライトプランを見ました。
見る前に知人に、「そうくるか~という映画だよ」と言われていたので、少し構えてしまったかもしれません。
旦那様が原因不明の自殺をしてしまい、傷ついた心のまま、実家へ亡骸を連れていくため、母親と六歳の娘は飛行機にのります。
不安がる娘に、この飛行機のエンジンはママが設計したのよとか、話しています。
ほぼ座席は満員。
母親が少しウタタネをして、目覚めると娘がいない。
一緒に乗ったはずなのに。
誘拐かもと大騒ぎになりますが、娘はいない。一緒に乗るとこを見ていない。名簿にいない。死んだはずだ。
いろいろと、訳のわからない事を言われてしまいます。
本当に娘の存在は、母の妄想なのか?それとも誰かの罠なのか?
最後にはびっくりする真実があります。
そういう意味では「そうくるかあ」という話です。
ジュディフォスターの迫真の演技が、鬼気迫ります。

「親切なクムジャさん」DVD BY 青樹

2006-09-20 | 映画・TV・DVD
かなりいまさらですが、「親切なクムジャさん」を見ました。
なんだか、良く分かっていなくて、服役していたクムジャさんが、復讐する話と思っていました。
うん。
まあ、だいたいあってる。

最近、小さい子供を誘拐している人が多いけど、見るとそんなことできなくなる。

結局、クムジャさんは復讐するため、あの手この手を使うけど、実際はそんなことではなく、「犯罪は恐ろしいほどうらまれる!」という話だと思う。

見ていない方もいるから、ネタバレはしないように気をつけますが、クムジャさんは、美しい顔で、誘拐・殺人を犯したことで、なんでか、いろいろな人に愛されてしまう。
服役してからは、天使のように人々につくすので、いよいよすばらしい人とされます。

でも、すべてが復讐のため。
それも、女性らしい理由。
相手は、人を人とも思わない、恐ろしい男。
でもいつも子供たちのそばにいる男。
ごく普通で、きっとそれほど、目立たない男。

クムジャさんは追い詰め、反撃され、そして、彼にいきつきます。

その時、クムジャサンは本当に恐ろしい復讐に出るのです。
直接手を下すより、もっともっと恐ろしい。

もしも、あなたが、幸せに生きていたのに、突然他人のせいで、不幸になったら。
復讐を考えますか?

もし、復讐だと思うなら、ぜひ「親切なクムジャさん」を見てください。
そして、もし、悪いことをしたい人がいたら、ぜひ、「親切なクムジャさん」を見てください。

恐ろしいです。
恐ろしい映画が苦手な人は、ぜひ、見ないでください。

流れ星の如く... by PJ

2006-09-17 | CD・ミュージシャン紹介
今までと毛色が違うが、ちょっと触発されたので今回はメタルな人を。
オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)、昔はライブパフォーマンスが過激なメタル帝王、今は番組「オズボーンズ」でお馴染みとなったヘンな父親?
彼がブラック・サバス(Black Sabbath)を脱退してソロとなった時の最初のギタリストがランディー・ローズ(Randy Rhoads)。「TRIBUTE」は若くして亡くなった彼の演奏が聴けるライブアルバム。たぶん、1st アルバムを発表してツアー三昧だった頃のものだと思う。

オルフのカルミナ・ブラーナから”I don't know”へと続くこの時期お馴染みの流れ。久しぶりに聴いてみたがイントロでモロに突っ込んで走るギターも今となっては懐かしい。リズム隊もダイナミクスに溢れオリジナルより良くなっている曲も多い。サポートのドン・エイリー(Don Airey)もいい仕事してる。
個人的は、これに収録されている「Mr.Crowly」がオリジナルよりも、他のライブよりも、最高だと思ってる。2回目のソロが始まるところ、ゆったりとした歌からガーッと一気に6連府のソロに入っていく辺り、涙腺を刺激するメロディーだ。
彼のプレイ、今となっては特に目新しくもないけど、当時はかなり新鮮だっただろう。彼が今生きていたらどんな音楽を演っていたのかな。たぶんメタルじゃなさそう。

クワイエット・ライオット時代は無名だったと思うから、オジーのバンドに加わってから輝きだしたのだろう。
たった2枚のアルバムで輝き、消えてしまったランディ・ローズ。メタルの人には珍しく!?まともそうで人も良さそうだからなおさら惜しい人だ。

X-MEN:ファイナルデシジョン by 青樹

2006-09-14 | 映画・TV・DVD
X-MEN:ファイナルデシジョンを見ました。
すごく良かった。
3作目って事で、期待していなかったのですが、本当に良かった。ドキドキしたし、悲しかったし、感じる事がありました。
もしも小さい頃から、とっても足の早い人に、「それは異常だから直しましょう」とか。
もしくは、とても歌のうまい人に、「そんなにうまいとクラスでうくから、下手にしてあげる」とか言ったら、そりゃあ、おかしな話だって思いますよね。
まあ、同じ話としては語れませんが、、ミュータントの人々はそれぞれの能力と向き合うことで生きてきます。
時に迫害され、自分にしかできない何かとして、取り組み、能力と共存するのです。

そして、能力を失う事のできる薬ができます。なくしたいでしょうか。
今までの自分の人生を、否定する気がしてしまいます。
ミュータントの能力は、進化か?才能か?病か?
私達は普通に生活する中でも、自分にしかできないかもしれない事を探します。
そして見つけるものは、才能や運命と呼ぶのではないでしょうか。
マグニートーとチャーリーは、元々は同じ位置にいました。
ミュータントであっても、人間である。
チャーリーは同じ位置を、マグニートーは優位に立つ事を考え、二人の間は離れます。
でも二人はお互いを認めあっています。でもここで、二人より優れた人類が誕生した時、二人はどうするのでしょうか。
深く考えようとすればするほど、いろいろ考えられる映画です。
でも、そんなことより、とても楽しく見れるのです。
久しぶりに、手に汗でした。
まずお勧めです!

音が聞こえる絵と景色が見える音 by PJ

2006-09-12 | CD・ミュージシャン紹介
絵を見ていると音が聞こえてくるときがある。
# 似顔絵からは聞こえてきません。
"音"といっても擬音ではなく、音楽。
例えばルノアール(Renoir)の絵からは、私はバッハのメヌエット BWV.114みたいな音楽が聞こえる。(ある意味「そのまんま」だけど) そんな時は、絵と自分の波長があっているんだなと感じる。

さてキース・ジャレット(Keith Jarrett)の「Koln Concert」は、音から情景が浮かぶ希有なアルバム。
1曲目の最初の音が鳴った瞬間からふわっと現実とは違う世界が広がる。どんな情景が浮かぶかは人それぞれだと思うし、ぜひ聴いて実感して欲しい。この1曲で「Koln Cerncert」は名盤となっているのかも。
全て即興のピアノソロだけど前衛色は希薄で、初めてキースに触れる人でも美しい音楽と評価できると思う。時折この人の特徴のうなり声やダミ声の鼻歌らしきものが聞こえちゃったりするけど情景を壊すほどじゃない。(この曲に関しては.....)
「聴いてみたけど何も見えなかった」という人は、静かな夜に真っ暗な部屋で大音量で聴くと効果覿面かも。