ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』

2007-07-20 00:36:30 | 映画
シネマライズにて。ここの劇場のスクリーン位置は2階席の客に媚びてると思う。

タイトルが恐ろしいけど、内容もまた突き抜けてる。女優志望ながら、演技も性格もダメダメなタカビー女・澄伽が、両親の葬式のために4年ぶりに帰郷する。しかし、家族関係がゆがみきっている。振り切れてる。性格のキツイ澄伽、姉のイビリに耐えながらもそれを漫画にしてしまう妹、澄伽と関係を持ってしまう義兄。で、特に義兄の嫁を演じてる永作博美に好感が持てる。リアルコインロッカーベイビーでずっと独りぼっちだった彼女は、やっと家族が出来たことに対して、ヘンなテンションでいて、無下に扱われても常に笑顔。得難いキャラクターだ。

関西弁の残る北陸のどこか。どうしようもないぐらいにピーカンな夏空の下でありながら、家族たちはどこか閉塞感を感じている。ところどころで、吉本新喜劇ばりのドツキが入る。これがまた笑える。ドロドロとしていて且つ、清々しい。その矛盾した感覚が入り乱れてブラックな痛快作。それだけに、ラストが曖昧で歯切れが悪い。5分前のところでスパッとサゲてたら、鮮やかだったのにな。

エビージョことサトエリにとって、澄伽はハマリ役。実際の彼女自身も、こんな感じなんだろなと思わせるぐらい。たぶんそうだろう。いや、そうであってほしい。そうじゃないと困る。海老蔵は素晴らしいね。付き合ったことで彼女の格が上がったんだもの。まさに「あげま(以下自主規制)」。

それにしても、原作の本谷有希子ですよ。二十歳でこれを書いたらしい。困っちゃうね。おじさん、商売あがったりだよ。って、小説も戯曲も書いたことないですが。何にも持ち合わせてないのに、妙な自信だけはある若者特有のこの感じ、上手いわぁ。名前だけ知ってたけど、今後は作品に注目したいと思います。

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