ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『ウィスキー』

2005-05-08 18:12:01 | 映画
南米ウルグアイの作品。去年の東京国際映画祭のグランプリ。このウィスキーというタイトルは、写真を撮る時に「ハイ、チーズ」の代わりに向こうでは使うことに由来してるみたい。

小さな靴下工場を経営するハコボ。そこにブラジルで同じく靴下工場を営んでいる弟のエルマンがやって来る。祖国を離れ成功している弟だから、このままではあまりにもみすぼらしすぎると考えたのだろう、ハコボはおとなしい従業員のマルタに、妻のふりをしてもらうようにお願いする。つまり、「都会のネズミと田舎のネズミ」だ。

最初は、デジャブかと思うぐらい同じ日々が淡々と繰り返される。ハコボとマルタは驚くほど寡黙で、必要最低限の言葉しか交わさない。南米の人々は、陽気な人ばかりだと勝手に思っていたんだけど。それに対し、弟は陽気でジョークばかり言っている。そんな彼に触発されて、マルタは少しずつ変化してくる。夫婦(のような)生活を続けていくうちに、ハコボにもマルタに対して、ある種の好意が生まれてくる。だから、マルタとエルマンが楽しそうに会話していることがだんだん面白くなくなっていく。悲しいかな男の性。

終盤、流れからいってひょんなことが起こる。この意味がいまいち分からないんだよなあ。これ以外、派手な展開は全くないから、空間的な間と時間的な間を楽しめる人向き。


…このあと、遅ればせながら『猟奇的な彼女』を観たら、あまりにも『ウィスキー』と真逆で驚いた。思ったことをストレートに伝えようとする感じは、気持ちいい。

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