そして熱帯夜

暑い。
汗がだらだら流れ落ちる。
減量中のボクサー並みに流れる。
なのに減量せず増量している。
きっとアイスのせいだ。
いや、正確に言うとこの暑さのせいだ。
そう、ワタシは悪くない。
暑さがアイスを食べさせるんだ。
ついでに言えばアイスを売る店のせいだ。
誰か止めてくれないか。
そう呟いても家にいるのは犬だけ。
その犬さえもがハッハッと熱い息を吐き、
この暑さに拍車をかける。
よし、今夜はクーラーをかけて寝よう。
切タイマーの時間でいつも悩む。
０．５、１、２。
なぜ１．５時間がないんだ。
エコ家電のくせに詰めが甘いじゃないか。
仕方なく２時間にセットする。
扇風機は今夜も首を振る。
ベッドに入ろうとすると、犬はもう寝てる。
しかし油断は禁物だ。
本を読み終え、目覚ましをセットし、
冷蔵庫からアイスノンを持って来ると、
この犬はがばっと起き、アイスノンを強奪する。
しかも決まってやわらかアイスノンの方だ。
仕方なく硬くてデコボコのアイスノンに頭を乗せる。
こうして今夜も暑がりの１人＆１匹の夜は更けてゆく。