高校野球、暴行問題よりもっと大きな問題

駒大苫小牧が夏の高校野球で連覇を果たした直後、待ってましたと言わんばかりに野球部長の部員への暴行事件が明るみになった。
しかも、明徳義塾の暴行事件と同様、発端は匿名のタレこみからである。

被害者側は「30～40発殴られた」とし、学校側は当初「３～４発殴った」と発表した。その後「10発くらい殴った」と発表を訂正しており、最早どれだけ殴ったり殴られたりがあったのかわからない状況になっている。

そして駒大苫小牧の「優勝」をどのように扱うのか。
今のところ高野連に寄せられている意見の６割が「そのまま優勝として認めるべき」、４割が「明徳と同様厳しく扱うべき」とほぼ２分している状態で、優勝を認めるにせよ取り消すにせよ議論を巻き起こす事には間違いがない。
今のところこの問題についてはどうなるのか、わからない、結末が見えないことばかりだ。

しかし明徳、そして今回の駒大苫小牧の問題を通じてよくわかったことがある。
高校野球は、全国大会が毎日地上波で放送される私立の学校としては格好の宣伝媒体であり、プレーする高校生を食い物として回りにはいろんな大人がおり、そして時には親が他の子を食い物にしていたりするケースがあったりすること、そしていろいろな思惑や恨みやつらみを含めたドロドロの世界であることである。

プロ野球はこれまで人気の中心となっていた巨人の人気が低下するに連れて旧態依然の体制にメスが入り始めたが、そんなに人気が下がっているとはいえない高校野球界にメスが入るのはいつのことなのだろう？
それともメスを入れずに一部の私立がカネに物を言わせる現状を容認するのか？
今の高校野球は暴行問題以上の問題を色々抱えた、病んだ野球のように思える。