京ことばと生活の知恵

暮らしの中の京ことばは、生活形態や街そのものが大きく変ったことで、多くが消えていったことは否めない。

京のかどはき

2007年06月05日 | Weblog
子供の頃、もう昔の話になるのかな?

京には「かどはき」という習慣があった。かど=家の前のこと。はき=掃く(掃除をすること)。

たいていはその家の主婦がするが、うち(家)によっては子供にその役割をさせるところもあった。

かどはきには一定の法則があり、自分の家の前の道幅の半分と、家の幅だけを、綺麗に掃いて水撒きをするのである。

ついでに隣の家の前も掃くというのはいけないことで、親切ではなく、お隣に恥をかかせることになります。

自分の家の前を、お隣さんに掃除してもらうことが、恥ずかしことだったようです。

そうして、綺麗になっているところには、ごみも捨て難いということになります。

親はよく言ったもので、「自分の家の前はきれいにしとかなあかん」「家の前が汚れていたら、家の中も散らかっているように思われるえ」。

「自分の家の周りをきれいにしている人やったら、よそに行ってもちらけたり(散らかす)せぇへん」と・・・。

一旦すたれた習慣を、市内美化のために復活させたいと、京都商工会議所も「かどはき」をアピールしている。