「緊急追悼」なかにし礼さん
2020年12月23日午前4時24分、
作詞家のなかにし礼さんが心筋梗塞のため東京都内の病院でお亡くなりになりました。
82歳でした。
そこで、2017年8月15日付のブログ「政府は民を棄てる」を再度お届けいたします。
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こちらの記事をお読みください。
東京新聞 2017年8月15日付朝刊記事
「『過去を忘れるのが早すぎないでしょうか』
なかにし礼さんインタビュー」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017081590071103.html?ref=rank
8月15日で戦争が終わったのは、実は北海道から九州までの「日本列島」の中だけだった。
それ以外の諸島部やかつて日本の領土だった旧満州や現サハリン、沖縄にはさらなる悲劇が待ち受けていた。
作詞家・なかにし礼さんも悲惨な体験をして日本列島に帰り着いた人だった。
「満州で敗戦を迎えた私たちは三度にわたり、国家から見捨てられたわけです。
一度目は、関東軍によって棄民されます。
二度目は、「居留民はできるかぎり現地に定着せしめる(定着させる)」という外務省からの訓電です。
そして三度目は、引き揚げ政策のGHQ(連合国軍総司令部)への丸投げでした。」
「中国残留孤児が日本人の生活を見たらどう思うでしょうか。
自分たちの戦争はまだ終わっていない。
国にも帰れない。
やっと訪れたら、自分たちのことなんて忘れて、裕福に生活している。
ものすごい悲しい状況でしょう。
日本人の得意技ですが、過去を忘れるのが早すぎないでしょうか。
私たちはいまだにそうした『リンゴの唄』を歌い続けているわけですよ。」
人形の家(1969) / 弘田三枝子
作詞:なかにし礼
作曲・編曲:川口真
生前のインタビューで、満州へ開拓を勧めておきながら、敗戦後は棄民された人間としての無常観から
この歌が生まれたと語っておられました。
「(日本国憲法は)米国の押しつけだとか言いますね。けれど、これは戦後日本の再出発の宣言書なんです。
世界に向けた宣言書。 各国が認めて、反対しませんでした。
世界が希望する国の形を与えてくれたとも、われわれが選んだとも言えます。
大きな歴史のうねりの中で生まれた。本当に奇跡的な、最高の芸術作品だと思います。」
「その憲法のもとでとにかく戦争しないで七十数年やってきました。
一体これの何が不都合なのでしょうか。
国民は誰ひとり戦争が起きて幸福にはならないのに、
なぜ政治家のまねをして改憲に賛成しなきゃならないのか。
政治家とつるんで金もうけでもたくらんでいるのでしょうか。」
「『美しい日本』『取り戻す』。
そうした抽象的な言葉で何に回帰したいのでしょうか。
日本の理想はまだ実現されていません。この憲法の名の下にこれから実現するべきなのです。
なのにその努力を怠り、反省すべきを反省せず、戦前の軍国主義を勘違いして、
そこに『美]を求めるのはとんでもない反動です。」
「昭和二十年までの軍国主義によって
どれだけの人を悲しませ、苦しませ、犠牲にしたか。
そして愚かな戦争によってどれだけの若者たちが無駄死にし、犬死にし、飢え死にしたでしょうか。
そして、中国人や韓国人に対してどれだけの過ちをしたか。
そうしたことを本当はもっと国民に知らせるべきなんです。」
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東京新聞 2017年8月15日付記事:
「重み増す平和の誓い 戦没者追悼式 加害責任、首相また言及なし」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017081502000234.html
天皇陛下は皇后さまと共に参列、
お言葉で「深い反省」という表現を三年連続で使い、不戦への強い思いを述べられた。
退位を実現する退位特例法が六月に成立し、節目の参列となった。
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2017年8月15日付訪問者数:94名様
お付き合いいただきありがとうございました。
2020年12月23日午前4時24分、
作詞家のなかにし礼さんが心筋梗塞のため東京都内の病院でお亡くなりになりました。
82歳でした。
そこで、2017年8月15日付のブログ「政府は民を棄てる」を再度お届けいたします。
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こちらの記事をお読みください。
東京新聞 2017年8月15日付朝刊記事
「『過去を忘れるのが早すぎないでしょうか』
なかにし礼さんインタビュー」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017081590071103.html?ref=rank
8月15日で戦争が終わったのは、実は北海道から九州までの「日本列島」の中だけだった。
それ以外の諸島部やかつて日本の領土だった旧満州や現サハリン、沖縄にはさらなる悲劇が待ち受けていた。
作詞家・なかにし礼さんも悲惨な体験をして日本列島に帰り着いた人だった。
「満州で敗戦を迎えた私たちは三度にわたり、国家から見捨てられたわけです。
一度目は、関東軍によって棄民されます。
二度目は、「居留民はできるかぎり現地に定着せしめる(定着させる)」という外務省からの訓電です。
そして三度目は、引き揚げ政策のGHQ(連合国軍総司令部)への丸投げでした。」
「中国残留孤児が日本人の生活を見たらどう思うでしょうか。
自分たちの戦争はまだ終わっていない。
国にも帰れない。
やっと訪れたら、自分たちのことなんて忘れて、裕福に生活している。
ものすごい悲しい状況でしょう。
日本人の得意技ですが、過去を忘れるのが早すぎないでしょうか。
私たちはいまだにそうした『リンゴの唄』を歌い続けているわけですよ。」
人形の家(1969) / 弘田三枝子
作詞:なかにし礼
作曲・編曲:川口真
生前のインタビューで、満州へ開拓を勧めておきながら、敗戦後は棄民された人間としての無常観から
この歌が生まれたと語っておられました。
「(日本国憲法は)米国の押しつけだとか言いますね。けれど、これは戦後日本の再出発の宣言書なんです。
世界に向けた宣言書。 各国が認めて、反対しませんでした。
世界が希望する国の形を与えてくれたとも、われわれが選んだとも言えます。
大きな歴史のうねりの中で生まれた。本当に奇跡的な、最高の芸術作品だと思います。」
「その憲法のもとでとにかく戦争しないで七十数年やってきました。
一体これの何が不都合なのでしょうか。
国民は誰ひとり戦争が起きて幸福にはならないのに、
なぜ政治家のまねをして改憲に賛成しなきゃならないのか。
政治家とつるんで金もうけでもたくらんでいるのでしょうか。」
「『美しい日本』『取り戻す』。
そうした抽象的な言葉で何に回帰したいのでしょうか。
日本の理想はまだ実現されていません。この憲法の名の下にこれから実現するべきなのです。
なのにその努力を怠り、反省すべきを反省せず、戦前の軍国主義を勘違いして、
そこに『美]を求めるのはとんでもない反動です。」
「昭和二十年までの軍国主義によって
どれだけの人を悲しませ、苦しませ、犠牲にしたか。
そして愚かな戦争によってどれだけの若者たちが無駄死にし、犬死にし、飢え死にしたでしょうか。
そして、中国人や韓国人に対してどれだけの過ちをしたか。
そうしたことを本当はもっと国民に知らせるべきなんです。」
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東京新聞 2017年8月15日付記事:
「重み増す平和の誓い 戦没者追悼式 加害責任、首相また言及なし」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017081502000234.html
天皇陛下は皇后さまと共に参列、
お言葉で「深い反省」という表現を三年連続で使い、不戦への強い思いを述べられた。
退位を実現する退位特例法が六月に成立し、節目の参列となった。
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2017年8月15日付訪問者数:94名様
お付き合いいただきありがとうございました。