上も下も右も左もない 星が浮いた広大な空間 今でも憧れているんだ
フツーのヒトが のへのへと気軽に宇宙に行くなんて
幼いころは 人間の技術的に 夢物語
いまは わたしの現実的に 夢物語
うん だから
☆ U ☆ F ☆ O ☆
さがしにいってたんだ
楽しかったよ ドライブ
フツー の 人間なら 活動休止な こんな時間
つきあってくれた心優しい Jちゃん
ほんとに ありがとね
わたしの華麗で繊細なドライビングテクニックに ひとしきり怯えた後
寝ていたね
終電近くまで 残業させられて ようやく解放にむかうはずが
たいして 役にも立たないのに やたら先輩風を吹かせた
ちんけな奴に捕まってしまったんだものね
おしみない同情を貴方に !
ところでフツーてなんだろうね
ここ通るの さんかいめ
え 道がなくなったよ
ちがう さっきここからきたの
きって ハンドルきって
右はそっちじゃない
あ あるいてかえる
これが 彼女の遺言でした
わたしの縄張りの山だから 調べなくてもいけると思ったんだ
ナビと相性がよろしくないことは 以前から何となく知っていた
そして 出会った宇宙人は みごとな夜景を背景に記念撮影をしていた
未開で野蛮な人間の愚かしい所業を満面の笑みで称え
この星の未来は既に断ち切れているといわんばかりの見事なチョキを振りかざし
他にも いろんな種類の宇宙人たちがいて
流れないなあ て ぶつぶつ
宇宙人は 知らないのかな 貝は山の上の空を流れたりはしない
ハマグリのお吸い物 食べたいな
しし座がどこにあるのか いまいちよく分からなかった
勝手気ままなわたしなんかに
今日は楽しかったです と
ふらつきながら ほほえむJちゃんは
まるで そう
こんどから ぼさつのじゅんこ
て呼ぶね なんか強そうで怖そう
ここで イニシャルは意味を成さなくなったね
世の中なんてこんなもんだもん
わたしは 本当の本当にあなたの幸せをねがっています