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≪注目意見≫ フリードマン流経済の断末魔 桜井春彦氏

2008年12月22日 12時32分48秒 | 政治・社会
■ フリードマン流経済の断末魔 桜井春彦氏

  http://plaza.rakuten.co.jp/31sakura/ 2008.12.19

大企業が非正規労働者を大量解雇している。景気が急速に悪化しているというが、その原因を作ったのは自分たちだ。つまり、彼らが富を独占することで社会に循環する資金は枯渇、「実体経済」は悪化した。これまでに多額の資金を貯め込んだということでもある。

経済を好転させるためには、そうした資金を社会に還流させれば良い。労働者の解雇や下請け企業の切り捨ては景気を悪化させるだけのことである。

日本の大企業は劣悪な条件で下請け企業や労働者を使い、「低コスト」で輸出して儲けていたが、輸出先のアメリカでは「金融バブル」に頼ってきた。そうしたシステムが破綻したため、日本では下請け企業や労働者を切り捨てている。ミルトン・フリードマン流経済の断末魔だ。

大企業の強欲な経営者が自発的に下請け企業や労働者の利益を尊重するはずはない。それが資本主義。下請け企業の「経営者」も大企業から見れば労働者の一形態にすぎない。経営者だと思わせておけば、自分たちの手先として利用しやすいだけだ。

大企業の「ロビー団体」とでも言うべき存在が日本経団連。つまり、大企業の利益を代弁する存在にすぎず、彼らに「社会的責任」を望むのは無理な相談。彼らが働く人々の生活を考えるような発言するのは、労働者の怒りが怖いからだ。労働者が団結することを嫌がるのも当然だろう。

しかし、日本に存在する「労働組合」の多くは事実上の「労働者管理組合」にすぎない。非正規雇用の問題で「連合」は財界に対して労働者の権利を主張しているとは到底、言えない。非正規雇用を蔓延させる過程で、連合は財界と「共犯関係」にあったとも言える。

もともと、日本の労働組合は「紳士的」だったが、国鉄を解体する際に決定的なダメージを受けた。「バブル期」にはそうした状況を多くの日本人は気にせずにすんだが、小泉純一郎政権がミルトン・フリードマン流の経済を大胆に導入、非正規雇用が蔓延してくると問題は深刻化、金融バブルが収縮を始めるとマスコミの「勝ち組負け組論」や「自己責任論」も色あせ、連合のインチキさは隠しようがなくなった。(その小泉を圧勝させたのは日本の庶民だが)

連合に続き、マスコミのインチキさも隠しようがなくなってきた。最近では「マスゴミ」という言い方があるらしいが、この言葉を盛んに使っている雑誌も十分に「マスゴミ」である。

それはともかく、資本主義は創生期から冷酷非情だった。まず、19世紀の前半にはイギリスでチャールズ・ディケンズが『オリバー・ツイスト』で資本主義の実態を告発し、後にアメリカではジョン・スタインベックが『怒りの葡萄』という小説で、

またチャーリー・チャップリンが『モダン・タイムス』という映画で醜悪な姿を描いている。

敗戦後、日本では曲がりなりにも財閥が解体され、富の集中はある程度改善された。そうした中、経営者や官僚は「企業」を財布にするシステムが考え出した。富は大企業の「金庫」に「内部留保」として蓄えられ、その「金庫」を自分の財布のように使うようになったのだ。そうした仕組みが社員に広まり、「社用族」という名称も生まれた。最近では日本の経営者も直接的に高収入を得ている。

こうした実態が知られてはまずいので、「個人情報」はしっかり守る必要があるわけだ。

勿論、「裏帳簿」も存在しているはずで、そこからカネを自分たちの懐へ入れるケースもあっただろうが、この問題にここでは踏み込まない。


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