温泉漫画で有名な漫画「テルマエ・ロマエ」を今回は紹介したいと思います。
阿部弘が主演で実写化、大ヒットにつき「Ⅱ」も先ごろロードショウ公開されました。
漫画では、映画とはまた違う雰囲気になっています。
西暦130年周辺、古代ローマはハドリアヌス帝の時代だった。
軍事よりも、内政や哲学、ことに建築に関心と才能を有したこの皇帝の治世による都ローマで、浴場専門の設計技師、ルシウス・モデストゥスはふて腐れていた。
新進的な時勢を必ずしもよしとしない彼の設計思想は受け入れられず、事務所と喧嘩別れして失業状態になってしまう
鬱々としたまま友人と公衆浴場に入ったルシウスは、ふとしたことから浴槽の内壁に空いた穴を見つけ、足をとられて吸い込まれてしまう。
湯から顔を出すと、そこは現代日本の銭湯だった。
ローマ人のルシウスから見れば“平たい顔”をした民族の、奇妙でありながらも超進歩的な技術と様式を備えた浴場にルシウスは感銘を受け、そのエッセンスを何とかローマに持ち帰ることに成功します。
以来、難題にぶつかるたび、何かに導かれるようにローマの浴場から“平たい顔族”の浴場(家庭の浴室・銭湯・温泉・ショールームなど)へと転移し、新たなインスピレーションを得ていくルシウス。
そうした仕事に対する評価は上がり、私生活では挫折も味わいつつも、皇帝からも重用されるようになっていく。
度重なる“平たい顔族”の世界への転移の中、ルシウスは古代ラテン語を解する才媛、小達さつき(おだて・さつき)と出会う。
その出会いが、ローマ帝国とルシウスの人生を変える転機であることに、その時の彼はまだ気付いていなかったのです・・・・
まったりとした風呂物語でありながらも、一方で本作は硬派な魂を描いた漫画でもある。
主人公のルシウスにしてからが生真面目な浴場技師で、多少、精力減退気味な描写もあるが、それも仕事に没入するが故なのだろう。
ルシウスの時代の皇帝であるハドリアヌスも、大帝国の責務を真正面から引き受け、彼なりに職務に励んできた結果としての疲れ果てた姿を見せる。
ルシウスが転移した先の日本でも、さつきの祖父で整体院を営む鉄蔵(てつぞう)や若き浴場設計士など、仕事人の男たちが作品に奥行きを与える。
そんな仕事人同士の会話(というか、交わされるのは言葉ではなく心だが)の場面は、和やかさとはまた違うものの、いかにも“認め合った男と男”という感じの、気持ちのいい空気が流れている。
そんな男たちが造り上げ守ったのが人々の憩いだとするならば、何とも素敵なことではないかと思いました。
今新シリーズを連載しているこの作品、お風呂好きな方も読んでみてはどうでしょうか?
阿部弘が主演で実写化、大ヒットにつき「Ⅱ」も先ごろロードショウ公開されました。
漫画では、映画とはまた違う雰囲気になっています。
西暦130年周辺、古代ローマはハドリアヌス帝の時代だった。
軍事よりも、内政や哲学、ことに建築に関心と才能を有したこの皇帝の治世による都ローマで、浴場専門の設計技師、ルシウス・モデストゥスはふて腐れていた。
新進的な時勢を必ずしもよしとしない彼の設計思想は受け入れられず、事務所と喧嘩別れして失業状態になってしまう
鬱々としたまま友人と公衆浴場に入ったルシウスは、ふとしたことから浴槽の内壁に空いた穴を見つけ、足をとられて吸い込まれてしまう。
湯から顔を出すと、そこは現代日本の銭湯だった。
ローマ人のルシウスから見れば“平たい顔”をした民族の、奇妙でありながらも超進歩的な技術と様式を備えた浴場にルシウスは感銘を受け、そのエッセンスを何とかローマに持ち帰ることに成功します。
以来、難題にぶつかるたび、何かに導かれるようにローマの浴場から“平たい顔族”の浴場(家庭の浴室・銭湯・温泉・ショールームなど)へと転移し、新たなインスピレーションを得ていくルシウス。
そうした仕事に対する評価は上がり、私生活では挫折も味わいつつも、皇帝からも重用されるようになっていく。
度重なる“平たい顔族”の世界への転移の中、ルシウスは古代ラテン語を解する才媛、小達さつき(おだて・さつき)と出会う。
その出会いが、ローマ帝国とルシウスの人生を変える転機であることに、その時の彼はまだ気付いていなかったのです・・・・
まったりとした風呂物語でありながらも、一方で本作は硬派な魂を描いた漫画でもある。
主人公のルシウスにしてからが生真面目な浴場技師で、多少、精力減退気味な描写もあるが、それも仕事に没入するが故なのだろう。
ルシウスの時代の皇帝であるハドリアヌスも、大帝国の責務を真正面から引き受け、彼なりに職務に励んできた結果としての疲れ果てた姿を見せる。
ルシウスが転移した先の日本でも、さつきの祖父で整体院を営む鉄蔵(てつぞう)や若き浴場設計士など、仕事人の男たちが作品に奥行きを与える。
そんな仕事人同士の会話(というか、交わされるのは言葉ではなく心だが)の場面は、和やかさとはまた違うものの、いかにも“認め合った男と男”という感じの、気持ちのいい空気が流れている。
そんな男たちが造り上げ守ったのが人々の憩いだとするならば、何とも素敵なことではないかと思いました。
今新シリーズを連載しているこの作品、お風呂好きな方も読んでみてはどうでしょうか?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます