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すし屋のカツサンドイッチ

山歩きと本について

ふるどうぐ なかのしょうてん

2010-11-26 11:42:52 | 本と雑誌

『古道具 中野商店』 川上弘美著 新潮社刊

「わたし」であるヒトミは中野春夫の下で、アルバイトをしている。

もう一人の同僚タケオとはぎこちない恋人同士。

春夫は西洋古道具店主のサキ子が恋人。

春夫の姉のマサヨは丸山が恋人。

それぞれの恋愛模様が率直に描かれてるのに、やらしくないのは何故だろう。

斜(はす)にならないで、正面から向き合っているからだろうか。

ヒトミとタケオに小さな声援を送っている自分に気づく。

この二人は、二つのカップルを思い出させた。

かわいそうって事はほれたって事よ、の名文句の夏目漱石著 『三四郎』の三四郎と美禰子(みねこ)。

吉田修一著 『横道世之介』 毎日新聞社刊の世之介と祥子ちゃん。

最終ページの世之介が生きていることを強く願ったことは久しくない。

『古道具 中野商店』の読後ほど、すっきりした、ことは最近無い。


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