暦の上では冬から春へと切り替わり、邪気を意味する鬼を払う追離(ついな)の儀式では豆を撒きます。豆類は、その小さな粒の中にエネルギーを秘め、冬場の貴重なタンパク源となる大事な食材です。
大概の病気は「○○にかかる」と言いますが、風邪だけは「風邪をひく」と言います。これは、読んで字の如く、風邪(ふうじゃ)すなわち「邪気(邪鬼)」を引き寄せることから由来します。風邪は万病の元、冬場には風邪をひきやすいのも、如月に行うの豆まきと繋がっているのかもしれません。
保存食となり、土の中から芽を出すパワーを持った豆を厄払いに用いることにより、「鬼は外。福は内」と叫ぶ習わしが生まれたようです。そして炒り豆を撒くのは、屋外に撒いた豆が勝手に芽を出すと困ることにより、邪気が芽を出すと呼び、炒り豆を撒いたり食べたりするようになったと言われています。
近年、豆まきしたあとの掃除をするのがタイヘンなので豆まきをする家庭が減少しているようです。我が家では幼児が居ますから、もちろん邪気を持った人が鬼の役を務めます。
一方、節分の日に、太巻き寿司を食べる習慣が広まりつつあります。
その年の恵方を向き、太巻き寿司を一本丸ごと無言で食べ終えると吉兆が訪れるとか・・・。
第二次大戦後、大阪の海苔組合の人たちと大阪でキャッチコピーをつけるのが得意な有名飲食店の主人が、冬場に海苔の消費が落ちてしまうので、太巻き寿司を食べるイベントを、廃れてしまっていた江戸時代の風習をヒントに考え出しました。
元々、大阪は押し寿司文化の地で、江戸前寿司の巻き寿司を取り入れるアイデアは、「食の食い倒れの地」の度量を示すだけのことはありますね。
太巻き寿司なら、海苔を一枚使いますし、無言で一本食べるなら、一人一本を消費することになりますしね。
バレンタインデーの日、女性が好きな男性にチョコレートを渡し、告白するイベントを考え出したチョコレート業界も同じですね。
ホント、日本の飲食業界は逞しいです。
この丸かじりの話は、このアイデアを考え出した直系から聞いたのでした。今でも、大阪道頓堀の有名飲食店「くいだおれ」の店頭にて、節分の日に太巻き寿司を食べるイベントが続いています。
ちなみに「くいだおれ」の三代目は、我が夫婦の縁結びの神?となった人で、出会ったオフ会の場所を提供したのが、パソコン通信の時代から続いていたNIFTYグルメフォーラムでした。
そのフォーラムマネージャー(主管理人)を「くいだおれ」の三代目が務めていて、サブマネージャー(副管理人)を私が務めていました。
尚、NIFTYグルメフォーラムは、平成17年1月末日を以って閉鎖しています。
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