僕の細道

ヒロシマ~人命救助



太平洋を眺めながら、今日この日の憂いに馳せての一服。


野点してたら、怪しげな行動をする女性が目に入った。
水辺で遊ぶでもなく、真っ直ぐ進んで行く。
海面が膝付近になっても、前進して行く。
おもむろに声を掛けても振り向かない。
周囲にいた見知らぬ家族に声を掛け、警察へ通報を依頼する。
こちらは、Tシャツ脱いで上半身裸の短パンサンダル姿で海に向かう。声を掛けながら女性に向かっていく。太平洋の畝りに身を流されていた女性の腕を掴んだあとは岸へ向かって泳ぐ。

この時の水深は、2メートルぐらいで、岸から100メートル程の場所でした。時間は、警察に連絡してくれた男性に確認すると、09:20とのこと。
女性を確保して、通報してくれた家族に保護してもらい、こちらは一息つく。外傷は見当たらず、意識はある。
「ごめんなさい」「死にたい」と、繰り返しつぶやいていた。



女性は20代前半、1才半と3歳の子持ちとのこと。子供たちは保育園に預けてあり、旦那は勤務。ここまで車で来ており、中田島公園駐車場に鍵付けたまま置いてある。所持品は車内に置いてあるとの返答で何も携行していないのが分かった。



気つけに、飲みかけの野点の飲み残し抹茶を女性に飲ませて落ち着かせた次第。

通報してくれた御家族は、神奈川から浜松に旅行に来ており、小学生男子二人を連れて中田島砂丘に訪れたそうです。
最初、こちらが声を掛けた時は、女性を私の連れだと思ったそうです。警察に連絡してくれたこと、女性の介抱をしてくれたことに感謝です。



少し落ち着いたので海岸から離れ駐車場に向かうことにした。
女性を先の男性とで支え、手を繋ぎながら駐車場への砂丘を歩いている途中で、近隣の交番から駆けつけた警察官と遭遇。経緯を伝えている間に救急隊も到着。それぞれの事情聴取を受け、駐車場に戻ると、女性は救急車内にて介抱されているようだ。



この後、歯医者に向かう予定だったが、濡れ鼠では辛いから、歯医者には遅刻するかもと一報を入れ、一旦帰宅して着替えてから行くことにした。
こういう時、機動性に優れたスーパーカブは助かる。
無事、歯科の受診時間には間に合いました。
太平洋の味は、塩っぱかったぜぇ。



先ほど、浜松東署から連絡が入り、人命救助の感謝状を頂けることになりました。女性は大丈夫だそうです。



個人的には、自殺願望の人に対しては冷たい傾向にあります。自殺願望は病気ですから、一旦は免れても再びする恐れがあります。眼の前で死なれると寝覚めが悪いので、ちょっと動いたみただけです。
本人が死ぬのは勝手ですが、その周囲のその後を考えると、やはり行動するのかな?これが、メディアの向こうの出来事でしたら、気にも留めなかったかもしれません。



ちなみに、海へ入る直前、「このボケェ‼︎」と唸って泳ぎだしたのは、内緒にしておこう。



溺れている場合は、顎を掴んで救助するのが基本ですが、溺れて暴れている場合は、一旦沈めて、意識を無くさせて、救助出来次第、心肺蘇生して救命します。
救助のプロなら基本原則通りで出来ますが、一般人の場合はそうしないと救助側も溺れてしまいますから…。※私は救命救急講習&指導者講習受講済みです。
今回は、自殺願望でしたので暴れておらず、沖に流されつつある状態でした。そして、腕を掴んでも振り払おうとしましたので、手首を掴み、横泳ぎした次第です。
Tシャツを脱いだのは、下手に掴まれて、コチラが溺れる恐れがあったからです。短パンは腰紐で縛ってあるから脱げませんが、パンツ一丁ですと、泳いでいるうちに脱げてしまいますからね。
サンダルは、昔からTEVAを愛用しており運動をしても脱げないので、泳ぎも不整地も大丈夫ですよ。
行動を起こす際は、自分の身の安全を確保してからでないと二次災害となり、更に迷惑を及ぼしますからね。




昔から事故現場等の遭遇回数は多いと感じていました。
普段から、心肺蘇生用のマウスピースは携行しています。
年々、加齢とともに行動に抑制は掛かっています。岸から200m離れていたら、躊躇したかもしれません。
今回の件は、外海に面している波の荒い中田島砂丘においての水辺でのおかしな動きが目に入ったので、行動に移せたのだと思います。





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