僕の細道

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

『PTSD(心的外傷後ストレス障害)の対策法と対処法』

 昨今、PTSDによる障害が、メディアの紙面を飾ることが多くなりました。大阪府立池田小学校の事件、通り魔事件、ひったくり事件、もちろん、自然災害や、交通事故によるPTSD増えつつあります。
 事故、事件による精神的ストレスより心身の反応(無気力、不安、過敏など)が一ヶ月で改善する場合は、急性ストレス障害(ASD)と呼びます。
 しかし、約4%の人は、一ヶ月を過ぎても強いストレス反応が残ります。これをPTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼びます。状況によっては50%以上で出現する場合もあり、救援・医療スタッフやボランティアにも共感する中で、同様な症状が発生することも多いです。
 自分は大丈夫、自分の周囲は大丈夫とは思わないで下さい。身近なところでは、ペットロス、家族の疾病、会社のリストラ、友人関係の不安、交通事故、レイプ、虐待(DV)などがあります。

では、どういうときに発生するのでしょうか?
1)死や負傷の危険に直面する、あるいは自尊心が傷つく状況におかれる。
2)恐怖心や無力感を感じた時、心に深い傷を負ったとき。

症状としては、
1、感情麻痺:
  生活意欲の減退、孤立感、無関心・感情の減退、解離性健忘症、将来の希望減退、
2、体験を思い出させるものからの回避:
  体験関連事項の思考・感情・会話を避ける、体験を想起させる活動、場所、人物を避ける。
3、再体験:
  反復する苦痛な夢、フラッシュバック、類似の体験で心理的苦痛
4、持続する覚醒亢進状態:
  途中覚醒、怒りやすい、集中困難、過度の警戒心、過剰な驚愕反応、

救援・医療スタッフ、ボランティアなどの支援者の場合は
1)惨状ストレス:
  被災者のASD、PTSDに共感して起こるストレス反応
2)燃え尽き症候群:
  長時間に渡る過度の支援で極度の心身の疲労と感情の枯渇が起きる。
  評価を得にくい仕事に対して理想と使命感が強いと燃え尽きる可能性がある。
3)不完全燃焼:
  自分が「したいこと」とコーディネーターから要求されることが違った。
  あるいは被災者から「感謝されなかった」と感じる場合に起きる。

9・11のNYテロにおける被災データーが手元にあり、それらを基に、PTSDの対処法が
記されています。

最初にパニックなったと人はPTSDとうつ病に罹りやすいです。早期にケアをすれば、その後の精神的後遺症の予防に役立ちます。PTSDの症状は3ヵ月後には減少していきますが、しかし約1/3の人は完全に持ち越してしまうそうです。また、PTSDに罹る人もいれば、罹らない人もいるわけで、そのデーターも解析されています。高学歴、高収入、名誉にある人でもPTSDになります。また、ならない人もいます。低学歴、低収入、名誉無しの人でもPTSDになります。また、ならない人もいます。

では、対処法、対策法はどうなのか?先ず、心を運営管理しているのは脳なのです。脳の重量は体重の2,5%しかないのですが、血流は20%を占める贅沢な臓器です。しかし、脳への血流が4分途絶えると脳細胞は死にます。酸素不足にたいへん弱い臓器なのです。さらに一人では生きていけないという、他人の脳との共感(愛情)に依存している臓器なのです。

ということは、心(脳)のケアには「愛情」が一番の薬だということなのです。

では、心のケアとは何なのでしょうか?事件、事故より半年前までに小さなストレス(不安感)を二つ以上抱えている人はPTSDになりやすいとデーターには出ています。逆に家族、友人など周囲との結びつきが強く、深い人はPTSDに罹りにくい、治りやすいとも、データーが表しています。すなわち、自分の周囲と良い関係を保持する事が、対処法であり、対策法といえます。居住している地域住民の結びつき、心許せる友人との会話、愛すべき家族との関係などを良好にすることが、処方箋となるのです。
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