孝広は幼いころに事故で両親を亡くし、叔父夫婦のもとに身を寄せている。夏休みが始まり、寂しさを紛らわせようと大好きな野球に打ち込むのだが、そこへ謎の男の子が現れた。必ず雨とともに姿を見せる彼はいったい何者なのか?そしてやってきた本当の目的は?やんちゃな性格に振り回されながらも、孝広は少しずつ変わってゆくのだが…。出会うはずのなかった2人の切ない夏休みが始まる。
「雨」というものがこの物語の根幹となっている。新海誠監督作「言の葉の庭」は私も大好きな作品であるが、それと似た構図で嬉しかったことを覚えている。
私はよく、人と人は見えない何かで繋がっていると思うことがある。自分の意思とは無関係に、同じ人と一緒になったり、接点が生まれたりする。それは先程の「見えない何か」、具体的に言えば、因のようなものが作用しているのだと思っている。
この物語の兄弟は、本来なら出会うはずはないが、亡くなった両親の強い想いと血縁という因が、不可能という垣根を容易に超越したのではないだろうか。
この物語は、他三作品、同時間軸として出版されている。またの機会にそれぞれ紹介していきたい。
『【文庫】 君がいる時はいつも雨 (文芸社文庫)』の感想
真摯な想いは時間や場所の垣根を越えてなんらかの形で人に届くようになっている。私はそう信じている。それを証明してくれた話。この兄弟は出会うべくして出会ったのである。
#ブクログ
『【文庫】 君がいる時はいつも雨 (文芸社文庫)』の感想
真摯な想いは時間や場所の垣根を越えてなんらかの形で人に届くようになっている。私はそう信じている。それを証明してくれた話。この兄弟は出会うべくして出会ったのである。
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