今日午後1時から本会議が始まり、各常任委員会の委員長報告の後に討論を行いました。この12月議会に提案された議案の中では、今後、千葉市の財政に大きく影響する大型の事業への補正予算などが明らかになりました。
赤字が見込まれ、廃止予定であった競輪場が一転して再整備する計画で、250競輪ができる多目的スポーツ施設の整備のための用地取得、千葉公園体育館を新しくするための用地取得、今後の事業費を含めると予算100億円にもなります。中央公園・通町公園連結強化による千葉神社への参道整備の用地買収などに23億円など、莫大な予算の大型開発の概要が12月議会で示され、それに対する討論を行いました。
長いですが、「続きを読む」に討論を載せてあります。
日本共産党千葉市議団の佐々木友樹です。会派を代表し、市長から提案された24議案中10議案と議員発議第20号に反対し、発議第19号が否決され、請願第5号が不採択になったことについて討論を行います。
議案第143号 平成29年度千葉市一般会計補正予算についてです。
財政調整基金積立金についてです。これは、株式会社金太郎カンパニー及び株式会社金太郎ホームとの「未来へつなぐまちづくりに関する協定」に基づく寄附を毎年度2,000万円、3年間で6,000万円受け入れるもので、今回、保育所の危険な遊具更新、ジャングルジムを小学校の未設置校への整備、焼失した公園遊具の再整備に充てようとするものです。
住民とトラブルが多々あり、議会へ陳情が出された金太郎カンパニーからの寄附の受け入れは適切ではなく、市は再検討をすることを求めます。金太郎カンパニーと市が「未来へつなぐまちづくりに関する協定」を結び、3年間寄附を受け入れると言いますが、この3年間に社会的道義に反する問題を起こしたら市の責任も免れません。
金太郎カンパニーは整備する遊具に会社の名前の表示を求めていて、市も認めるとのことですが、市民目線から見て、問題があると言わざるをえません。
協定によって実施する事業は遊具の設置ですが、保育所の更新する「著しく危険性が高い」遊具は、子どもの安全を第一に保障するためにも、千葉市の財政によって予算措置すべきです。たまたま寄附を受けたから更新するというのは、子どもの安全に責任を持っていないと指摘せざるをえません。金太郎カンパニーからの寄附受け入れについては賛成しかねるものです。
市債発行と債務負担行為についてです。多目的スポーツ施設整備事業用地取得に市債17億9,800万円、競輪場除去費負担金債務負担行為15億2,300万円、体育館再整備用地取得に市債15億8,900万円は、補正予算としては過去になく多額であり、財政健全化プラン4年間の市債発行額上限の880億円を超過し、債務削減に影響を与えます。一方、発達障害者対策などに必要との理由で、重度心身障害者福祉手当て2,000円をカットする、弱者の福祉を削って弱者に振り向ける福祉切り下げをしていることは許されるものではありません。この他、次々と大型の事業が計画されていて、多額の事業費が組まれ、一方で市民生活福祉をカットすることは、過去の事例からも明白です。脱財政危機宣言を解除した途端に、大型事業への大盤振る舞いと、福祉切り下げには反対します。
補正予算中、千葉駅東口地区市街地再開発事業についてです。これは、駅前広場の再整備に係る負担金について、施行者である千葉駅東口地区市街地再開発組合との協議、調整に不測の日数を要し、年度内の整備完了が困難になることから繰り越すものです。
今回繰り越す4億2,750万円は、歩道部の段差処理や地下道・駐輪場への階段改修、クリスタルドームの撤去のためのものですが、歩道部の段差処理などはこれまで難しいとされていたのにも関わらず、今回の再開発事業を契機として進めることは、利用する市民への説明が不十分です。千葉駅東口地区市街地再開発事業については、千葉市の負担金も要し、これだけの金額を投入することは市民理解が得られず、賛成しかねます。
中学校の入学準備金にあたる「新入学児童生徒学用品費等」及び「制服調整費」の支給時期を入学後の7月から入学に必要な諸費用を準備入学前の3月に変更する補正予算についてです。かねてから日本共産党千葉市議団が前倒し支給を求めてきた、新中学1年生への支給が3月支給となることは大きな前進です。ただ一方で、入学時に必要な主な入学品費は男子で約7万1,000円、女子は約7万9,000円かかり、現状の51,400円では不足しています。千葉市の制服調整費は独自上乗せで実施しているものの、不足の実態があることから更なる増額を求めるものです。また支給時期についても制服等の支払いが2月になる場合もあります。20政令市でも2月支給している自治体は5市へと広がっています。入学準備費用が必要な時期に支給する更なる改善を求めるものです。
議案第145号 平成29年度千葉市霊園事業特別会計補正予算及び、
議案第161号 千葉市平和公園の指定管理の指定についてです。
これは、千葉市平和公園に関わるものです。新しい指定管理者に平和公園パートナーズに指定されました。問題は2番手のグループとの得点差がわずか0.75ポイントであることです。この場合、指定管理を決めるには慎重な対応が求められます。市外業者が指定管理者になります。引き続き職員の再雇用を求め、労働条件の切り下げることなく、地元業者の活用で地域経済の活性につながることを求めるものです。
わが党は、霊園管理等は市民の心に関する事業は千葉市が責任を持って事業を行うべきと考えます。霊園事業は指定管理にはそもそも向かない事業であり、この議案には反対をするものです。
議案第146号 平成29年度千葉市競輪事業特別会計補正予算についてです。
千葉市は、競輪事業の廃止方針を一転、日本写真判定による競輪事業存続へと方針を変えました。現競輪場施設を15億2,300万円で除却し、新たに国有地を17億9,800万円で購入し、多目的スポーツ施設を建設する計画です。こうした事業に多額の税金を投入することは市民理解が得られません。さらに、競輪事業債は30年間と期間が長期であり、支払い出来なくなれば市の負担で賄わなければなりません。新しい競輪といわれる250競輪が成功するのか、千葉市の財政に繰り出しできるのかは未知数です。多目的スポーツ施設の競輪場のバンク内は、バスケットコートやフットサル1面程度の広さしかなく、競輪場開催日以外の利用で、どの程度市民が利用できるかは見通しがありません。廃止を決めていた競輪事業をから、新たな250競輪を整備することには反対するものです。
議案第147号 平成29年度千葉市公共用地取得事業特別会計補正予算についてです。
競輪場施設を除却した後に、新体育館建設予定地にするため国有地を有償取得する議案です。老朽化した千葉公園体育館や武道場等の建替えは必要ですが、国有地の取得金額は、競輪場と合わせて33億円となります。
しかし、使うことの出来る土地があるにも関わらず、財政状況が厳しい中、国有地を購入しなければならないのか。用地取得に15億8,900万円、国の資産評価によってはさらに補正予算を組むとしています。建設予定額約47億円としていますが、この金額がどの程度増えるのか理由や根拠が不透明であり、計画ありきと指摘しなければなりません。地元や体育館の利用者、利用団体の意見を聴いた上で進めるべきです。脱財政危機宣言の撤回後も、市の財政はさらに厳しいという見方がある中で、多目的スポーツセンター整備と新体育館の整備に100億円を投じることは認められません。
もう一つは、中央公園・通町公園連結強化のための用地取得についてです。中心市街地にある中央公園・通町公園連結強化のための用地取得に、今議会での補正予算で1億8,090万円計上し、今後も用地取得だけで約10億円、建物移転費用など約13億円。それ以外にも整備費用がかかるとされていることが示されました。
他の委員からは「唐突感があったということを地元からも聞いている」「この事業については不透明」「神社は門前の公園を買収する予定だったのでは」など疑問が出されました。それに対して都市局は、「インバウンドを含め、違う価値観を生み出したい」などと答えています。
これまでも同じ地区にあるツインビルも、きぼーるも当初の計画では回遊性が高まるとしていましたが、現実、中心市街地はパルコの撤退など厳しい状況にあります。明らかになっている事業費23億円で整備することで訪れたいまちになるのか疑問です。投資した分だけの効果が得られるのか未知数であり再検討が必要です。
市はあくまで「現状では数値は示せないが、価値観が違うもので人を呼び込む」などとしています。中心市街地の活性化は必要ですが、参道の整備は展望が見えないまま、多額の投資をすることに対して市民の理解が得られません。よって、これらの公共用地取得のあり方については反対です。
議案第150号 千葉市職員の給与に関する条例及び特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部改正についてです。
本年9月の人事委員会勧告に基づき、一般職の職員の給料及び期末・勤勉手当などを引き上げるとともに、特別職の期末手当についても一般職の職員の改正を踏まえ引き上げるものです。
改正の内容は、給与月額の改定について、一般行政職員の平均給与月額を0.2%引き上げ、医師及び歯科医師に対して支給する初任給調整手当引き上げ、平成29年12月期の勤勉手当支給月数を0.1月分、再任用職員についても0.05月分引き上げ、さらには、給与制度の総合的な見直しの実施に伴い平成27年度に抑制した昇給の来年4月1日において44歳に満たない職員の号給を1号給上位に調整し、回復するものです。
職員の給与引き上げについては賛成ですが、特別職の期末手当を引き上げることは認められません。これまで市長は、財政健全化や事務事業の見直しと称した市民サービスカットや公共料金の引き上げなどにより、市民生活に犠牲を強いています。
市長などの特別職の期末手当を引き上げることには、市民の理解が得られないため反対するものです。
議案第153号 千葉市心身障害者福祉手当支給条例の一部改正についてです。
発達障害者等への施策に配分するために単独障害者の手当支給額を7,000円から5,000円に減額することについては、障害者と障害者の対立をもたらすことになり、問題と言わざるを得ません。
市単独の福祉手当は評価をできるものですが、現在の状況では更なる支援が求められます。また福祉手当はニーズに応じたサービスの向上・充実が求められています。この視点から支給月額を減額することや、新たに65歳以上で重度障害者になった方を対象外とすることも認められません。
なお、議案第154号・心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部改正については、わが党が要望してきたものであり、心身障害者医療費助成において所得制限を超えて対象外となる人の所得を実態に合わせるもので評価できます。今後こうした類似事例に速やかに対応できるように求めておきます。
議案第155号 千葉市自転車競走実施条例の一部改正についてです。
新たな競輪による事業継続方針のもと、新施設完成までの複数年にわたり「自転車競走を開催しなかったとき」は総務大臣の指定を取り消されることになるため、条例の一部を改正するものです。250競輪による建て替えを基本にした条例改正であるため、この議案には賛成しかねます。
議案第156号 千葉市ビジネス支援センター設置管理条例の廃止についてです。
この議案は、中央区役所の移転に伴い、ビジネス支援センターを千葉駅周辺の民間ビルに移転するもので、この移転に合わせて公の施設としての用途を廃止するため、条例の廃止をするものです。
廃止の理由として、利用者ニーズの変化、施設の利用の低下を示しています。しかし、現在も継続して利用している事業者がいる中、中央区役所の移転を理由としての廃止では納得できません。また、利用者等への本格的な説明はこれからであり、移転先も明らかになっていません。利用者にとって研修するスペースが欠かせないとも言われています。従来3,090㎡あったのに700㎡に減らされることは認められません。
さらに、千葉市産業振興財団と平成29年から平成33年度までを期間としていたビジネス支援センターの指定管理も条例廃止をもって解消するとしています。財団、利用者、働いている職員など多くの関係者に負担を強いるものであり、市内の中小企業などへの支援のためにはセンターの充実こそ必要であり、廃止は認められません。
議案第157号 千葉市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正についてです。
千葉大学亥鼻キャンパス地区地区計画については、大学A地区について、今後、研究施設を整備するために高さ制限を50メートルへ緩和することが盛り込まれています。最初から高さを50メートルと決めて、それに合わせて施設を整備するまちづくりは、周辺の住環境や自然環境との調和を考えると好ましくありません。周辺住民への説明責任を果たし、理解を得てまちづくりを進めるべきです。
幕張新都心若葉住宅地区地区計画の変更については、納骨堂や葬儀場など制限することは必要です。そもそも同地区のまちづくりは、土地の高度利用によるタワーマンション建設であり、風害など周辺環境への影響、防災、コミュニティの形成、公共交通機関への影響、投資目的による住宅の購入など様々な課題・問題があります。まちづくりは50年、100年先を考えて行うべきで、同地区のまちづくりについては慎重にすべきであり、賛成しかねるものです。
議案第160号 千葉市ハーモニープラザの指定管理者の指定についてです。
千葉市ハーモニープラザ管理運営共同事業体については賛成をするものです。しかし、施設のあり方としてことぶき大学校・男女共同参画センターの施設が縮小されることは問題です。高齢者の社会参加や男女共同参画センターの支援はまだ不十分です。この件については高齢者・男女共同問題の充実のために特段の配慮を求めるものです。
発議第19号 千葉市受動喫煙防止条例の制定についてです。
審査した保健消防委員会では「時期を逸している」「もっと強力なものを」「実効性がない」との反対意見で否決されました。
オリンピック・パラリンピックを開催する千葉市においては速やかな条例制定で受動喫煙防止対策を展開しなければなりません。条例の制定が遅れれば遅れるほど結果として市民の健康が損なわれます。
わが党は、市民の理解と納得で受動喫煙防止を進めるべきと考えています。禁煙ではなく、受動喫煙防止であることを明らかにし、喫煙者を排除することではないことなどで市民理解を進め、まず子どもや妊産婦への受動喫煙防止に取り組むことに反対する人はいないと思います。わが党が「実効性のある条例とは何か」とただしても、答えることができなかったのは問題です。
条例提案が委員会で否決されましたが、行政がタバコフリーの先頭に立って効果的な受動喫煙防止の啓発や子どもへの禁煙教育、通学路の喫煙禁止の努力義務、禁煙支援など条例提案で示した内容も踏まえて受動喫煙対策の強化を求めるものです。
発議第20号 千葉市議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正についてです。
これは、議員の期末手当を0.1月分引き上げるための発議です。私どもは、市長等の特別職の期末手当の引き上げ措置と同様に、議員自らの期末手当の引き上げには反対するものです。
反対する第1の理由は、財政健全化や事務事業の見直しによる市民サービスカットや公共料金の値上げにより、市民生活に犠牲を強いているのに、議員の期末手当の引き上げを行うことは市民の理解が得られません。
千葉市は、脱財政危機宣言を解除しましたが、依然として厳しい財政状況にあるとされています。熊谷市政8年間の取り組みで、公共料金の見直し、事務事業の見直しの、いわゆる福祉カットは事業数合計276件、削減額合計222億円にものぼります。こうした中で、議員自らの期末手当の引き上げを行うことは到底認められません。
反対する第2の理由は、議員自ら発議してまで期末手当を引き上げることです。
人事委員会勧告による市職員給与の引き上げのための条例が改正され、可決されたとしても、議員の期末手当は自動的に引き上げることはできません。
日本共産党千葉市議団は、これまでも厳しい生活を強いられている市民の状況を見れば、発議すべきではないと繰り返し批判してきた経過があります。市民の代表である議員の期末手当を引き上げるのではなく、自粛、中止して得られた財源を市民のために使うことを求めるものです。
請願第5号 千葉市の教育に関する請願についてです。
これは、普通教室へのエアコン整備すること、担任が休暇取得時の際の教員配置を遅滞なく行なうこと、特別支援学級の担任を講師ではなく正規教員を配置すること、印刷用紙等が保護者負担にならぬよう教育予算を拡充することを求める内容です。
県内自治体のエアコンの設置状況については16市が完了、54%の設置率であり、現場の教職員からも子どもが授業に集中できないと指摘されているなか、速やかな設置が必要です。学校教育審議会では教室温度が示されたものの、熱中症で救急搬送される子どもの実態も示さないなど、教育委員会の学校教育審議会の運営改善を強く求めるものです。
教員配置について、教員の未配置の実態を質すと、12月1日現在6校で未配置、2校は非常勤が対応している状況です。3人配置している教員が病気休暇等を短期間取得した際に、緊急に配置する正規職員についても今後現場の状況に合わせて増員が必要です。
特別支援教員は小学校169名中141名が正規、中学校74名中、57名が正規、小学校は28名が講師で、中学校は17人が講師、小学校は15人欠員、中学校は13人欠員している状況が明らかになりました。また、正規でも特別支援学校教育免許状を持っている教員が担任を受け持つ機会は50%程度です。発達障害のある子どもが増加の一途であるため、インクルーシブ教育の充実においては特別支援学級の教員の質向上が必要であり、正規教員配置を求めるものです。
印刷用紙、トイレットペーパーなど、PTAから支援を受けている学校は、印刷用紙は169校中11校、トイレットペーパーは2校あることが明らかになりました。学校現場からの強制でなくてもPTA予算をあてにする状況があるのは問題であり、学校諸経費の運営において支障なく運営できるよう教育予算の増額が必要です。
委員会審査において、市民ネットは請願に「賛成の立場」でしたが、未来民進ちばは、「トイレットペーパーは強制ではないなら願意は事実ではないため賛同できない」と反対。自民党は「教育委員会が努力していることもある。トイレットペーパーはPTAの好意、賛同できない」と反対。公明党は、「請願の考えと異なる」と反対し、反対多数で不採択となったことは極めて遺憾です。現場の切実な声に耳を傾け、二元代表制である議会が教育予算増額を求めて子どもたちへ最適な学習環境を提供すべく積極的に改善を求めるべきです。
以上で討論を終わります。
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