日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

13年のブラジル生活で経験した恐怖体験

2011年03月16日 14時26分58秒 | ブラジル事情

ブラジルには地震はない。でも、人災は多く、治安は非常に悪い。

 

今日は13年間のブラジル生活で僕が体験した怖い体験を紹介したい。

 

<リオデジャネイロ編>

 

1.大晦日にコパカバーナ海岸で花火を見ながら新年を迎える予定だったが、カウンドダウンを始める直前に土砂降りになった。多くの人が帰りのバスを心配し、海岸を後にしてバスに乗って帰ろうとした。しかし、バスの本数が少なく、何とか乗ろうと興奮した庶民は少ないバスに飛び乗ってぶら下がる形で乗ったり、乗れなかった乗客はバスの窓に石などが投げつけられて窓ガラスが割れるなど車内は騒然。ホテルに到着するまで、生きた心地がしなかった。

 

<ポルトアレグレ編>

 

1.セントロ地区周辺で行われた無料野外ライブを友達と見に行った。ライブ中に観客同志がいざこざが原因で喧嘩を始めると、それを阻止しようとする警官隊が観客の中に割って入った。数百人の観客がその喧嘩から逃れようと右へ左へと雪崩のように動き、押し合いが始まり、ドミノ倒しの危険に陥った。ライブ後、道路では気が狂った人がバイクのライダーの頭をビール瓶で殴るなど、周囲一帯は不法地帯と化す。生きた心地がしないだけでなく、2度と無料野外ライブには行かないと心に決めた。

 

2.大学での日本語の授業の帰り道に、夜に大通りを一人で歩いていると、自転車で少年が通りかかった。「お金はあるか」と聞かれたので、「ない」と答えて立ち去ろうとすると、少年が服越しに銃を持っている素振りをし、僕が持っている鞄を寄越せと言われ、日本語の教材・テストが入っていた鞄を盗られた。

 

3.自動車教習所に通っていた頃、朝6時頃に公園近くのバス停でバスを待っていると、公園の方から少年が近づいてきた。「何時だ」と聞かれたので、答えようと時計を見ようとすると、さっと近くに寄ってきて、服越しに銃がある素振りを見せて、「金を出せ」と言ってきた。2メートル隣には男性が2人いて、強盗していることに気付いているが、助ける素振りも見せない。僕は財布の中に120レアル(6千円)ほどあったのだが、体をひねった隙に、財布から50レアル札を2枚取り、20レアルが入った財布を強盗に渡した。強盗は僕のその動きに気づかなかったようで、意気揚々と公園の方に去って行った。

 

4.職場の近くのバス停で降り、交差点を渡り切ろうかとする時、前方2メートル先を歩いていた45歳くらいの男性が、2人組の男に羽交い締めにされ、炉端に引っ張って行かれた。2人組の一人の黒人の男性は手に拳銃を持っているのを見ると、僕や周辺にいた男性はなりふり構わず走って逃げた。交差点を曲がろうとするところで、背中越しに銃声が2発ほど鳴ったのを聞いた。その後の事件の詳細は分からず。初めて本物の拳銃を目の当たりにした。

 

5.職場での勤務時間中、遠くで大きな音がしたかと思うと、銃撃戦の音が聞こえてきた。実はそれは銀行強盗の一味が警察から車で逃げようとしていて、会社の前の交差点を曲がろうとしたところで、人をはねて車をぶつけた音で、車から降りた一人の強盗は職場の敷地内を通り抜けて、隣の家へと逃亡した。同僚たち一時騒然となり、周辺一帯は警察官5,6人に囲まれた。翌日、新聞の犯罪面にデカデカとその行強盗の逃亡劇・逮捕劇が記事として掲載された。

 

6.込み合ったバスに乗り、中央部まで行くと、ガラの悪い少年たちがバスの後部で乗客たちにナイフを突きつけながら恐喝している様子を目撃した。車内は乗客で一杯であり、誰も悲鳴をあげずに言うがままにしていたが、僕はそれから何とか逃げようと、目的地ではない次のバス停で降りた。

 

7.日曜日の午前、目の前で1組の夫婦が2人組の強盗に自動車を強奪されるのを目撃した。

 

エノスアイレス編>

 

1.クリスマスの日、一人でブエノスアイレスの人通りの少ないセントロ地区に向かう大通りを歩いていた。背中に人の気配を感じていたが、急に上空に鳥がバタバタと飛び立つや、何かが僕の背中に落ちた。突然アルゼンチン人女性二人が僕の目の前に現れ、「背中を拭いてあげる」と言って、僕にペットボトルを持たせ、僕が断っているのにも関わらず無理やり背中を拭いてきた。やがて、白い車が路上にサーっと現れると、2人の女性はその車に乗り込み、その場から消えた。僕は「もしや!?」と思い、お腹に巻き付けていたポシェットを開けると、財布だけ盗られていた。被害額300ペソ(約8000円)。リオデジャネイロで有名なケチャップ強盗だと気づいたが、時すでに遅し。強盗団のチームワークの良さに舌を巻いた。

 

これらはすべて僕自身が体験したことだが、知り合いは日本人もブラジル人も何かしらの危険な体験をしており、僕の体験なんかよりはるかに危ない命に関わる体験をしている人がいっぱいる。被害にあっていない人を探すことの方が難しい。

 

ブラジルに地震はない。でも、治安は非常に悪い。

 

日本は地震大国である。でも、治安は非常にいい。

 

地球上にパラダイスなんて存在しない。

 

リスクを承知で、勇気を持って生きていくしかない。



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