ほろ酔い旅日記(ポルトガル編)

2008年秋、十数年振りに“サウダーデ(郷愁)”の国を訪ねました。
カメラ片手に、ワインを飲みながらの漫遊記。

10月6日(月) モンサラーシュ

2008-11-22 11:51:33 | モンサラーシュ
エヴォラのバスステーションへ行ってみると、年配の日本人ご夫婦がいらっしゃいました。
話しかけると、行き先は同じ、スペイン国境近くにある村モンサラーシュとのこと。

『地球の歩き方』に載ってるせいなんだろうなぁ。
満員のバスの乗客は、地元の人ばかりで、観光客らしき人は私達日本人だけ・・・。

私達が乗ったバスの行き先は、レゲンゴス・デ・モンサラーシュという町が終点らしく、
どうやらここでバスを乗り換えなきゃいけないみたいです。
モンサラーシュ行きのバスが待っていて、早く乗り換えろとバスの運ちゃんが手招きしてます。
バスを乗り換えたのは、やはり私達日本人だけ・・・。

といっても、レゲンゴスから乗った乗客は他にもいて、バスの運ちゃんとそのすぐ後ろの席の乗客が
ず~っと大声でお喋りしていた様子は、言葉はわからなくても、とても微笑ましくなってしまいました。
これが田舎の路線バスのいいとろ!

モンサラーシュに近づくと、バスは道をどんどん登っていきます。
そして、エヴォラを出てから約1時間40分後にモンサラーシュ到着。

バスを降りると、
うっわぁ~~~、すっごくいい眺め!


 遠くに見えているのは湖?
 ガイドブックには書いていなかった素晴らしい眺望に、思わず感動!


バス停の下の方には、数件の家が見えています。そして、バス停の上の方には城壁が見えています。
はて、モンサラーシュの村はどっちだろう?
日本人ご夫婦の後について城壁の方へ行ってみると、城壁の中に目的の村があるようです。

お二人は、この日この村で1泊するということなので、城壁を入ったところでお別れしました。

 
 バス停から見下ろした下の村と、城壁の中から見た城門と鐘楼

ポルトガルに着いてこの日で3日目。
まだ、自分で納得のいく写真が1枚も撮れていません。
ポルトガルに来たら、素朴な老人の写真が撮りたいと思っていたのに、
どうしたことか、あまり気分が乗らず、人の写真が全く撮れないのです。
着いてすぐは、観光客ばかりのところに行ってたから仕方ないと思ってたけど、
いくらなんでも撮れなさ過ぎ。そろそろ焦りが出てきました。
このまま、旅の最後までこんな調子だったらどうしよう・・・・・

しかし、小さな村こそが私の目的の地。
ここに来たら、きっと気分も乗ってくるんじゃなかろうか?
城壁から中に入った村は一目で気に入ったし、かなり期待が高まります♪


 モンサラーシュの真っ白な家並み
 ポルトガルでよく見かける青や黄色の縁取りはなく、屋根と窓枠以外は全て白


モンサラーシュの村は、思ってた以上に小さくて、道を真っ直ぐ進むと
すぐに村の端っこにあるカステロ(城)に突き当たりました。
カステロへは、無料で登ることができるので、もちろん上へ。

 
 カステロは、今では闘牛場として使われているよう。右の写真は、カステロの上からの眺めです


 遠くに見えている無数の湖らしきものに、望遠レンズで迫るとこんな感じ

モンサラーシュは、時の流れが止まってしまったような、とっても静かな村で、
数組の観光客の姿の他には、人の気配がほとんど感じられません。
(日本人以外の観光客は、車で村を訪れるよう)

ってことは・・・、そうです、期待していた村の人々の写真というのが撮れないのです

 
 村の中心広場で見かけた老人と、家の修復工事中に一休みしてるおじさん

やっとのこと会えた村の人といったら、上の二人とあとわずかな人だけ。
いったいどうしたことか、みんな昼間は家に閉じこもっているの?

時が止まったように、静けさに包まれた小さな村。
これって素敵ですけど、私のように人の写真を撮るのが好きな人にとっては、ちょっと困りもの。
日帰りじゃ時間が足りないと思っていたのに、いくら歩き回っても人がいないし、
同じところを何度もグルグル・・・。

なので、城壁を出てバス停から見えていた下の村へ行ってみました。

 
 ガイドブックに載っている4星ホテルは、ここにありました。 民家の煙突の上にも、ポルトガルでよく見かける雄鶏が・・・

やはりここも静まりかえっています。人の気配はありません。
もう少し時間があれば、もっとずっと村の下の方まで降りて行き、
羊が草を食む姿でも眺めてみたいところだけど、そこまでする時間はないし・・・。
結局また、城壁の中へと戻り、カフェに寄ったりして時間を潰しました。

そうこうしているうちに、もうそろそろ帰りのバスの時間。
ちょっと早めにバス停に行こうと城壁の外へ出ると・・・、あれあれ、いるじゃないですか、人が!

 
 景色を眺めながら、お喋りするおじさん達


夕方になって、ようやく人々が家から出てきたようです
ヨーロッパの人達って、夕方になると散歩したり、広場に集まったり、
カフェで時を過ごす習慣があるんですよね。

他にも何人かの人が出てきたり、スペイン人らしき団体がドヤドヤとやってきたり、
なんだかさっきまでの静けさが嘘のよう。
ああ、残念!やっとのこと、気分がウキウキしてきたというのに、17:20のバスが
遠くの方から道を登ってやってくるのが見えています。

ちょっと心残りではあるけど、バスに乗り込みモンサラーシュを後にしました。
(因みに、モンサラーシュから乗った乗客は私一人)

帰りもレゲンゴスでバスを乗り換え、エヴォラへ。
途中で日が暮れ、バスの中からはきれいな夕陽が見えていました。