とある日のこと

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小説

秋の旅

2015年10月07日 | 日記


秋の旅夫婦赤ベコおもてなし (あきのたびめおとあかべこおもてなし)

 福島県会津西街道の『大内宿・塔のへつり・会津鉄道の旅』戦友と日帰りバス旅行。
茅葺の宿場町は大変な賑わいであった。

『大内宿』は、明治初期に大川沿いの国道が開通するまで繁栄した。現在も約四十軒の茅葺民家が当時の面影を残して並び、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。昔ながらの家屋を生かした宿屋、食事処、本陣を復元した大内宿町並展示館などがある。

食事処の古民家の座敷に大勢の客がいた。殆どが名物の『一本ねぎ蕎麦』を食べている。吾等も同じ物を注文。三十センチほどの葱が一本付いた冷たい蕎麦。熱いと辛味が増すので冷麺だけ。葱を箸代わりにして食べるのだと説明されたが、箸を使う。葱は辛い、辛い。

『塔のへつり』の「へつり」は、方言で厳しい崖の意味。その形状が塔のような形をしているので『塔のへつり』と呼ばれている。このような景観になるには、百万年の歳月がかかるといわれている。古くから自然崇拝的な信仰があったそうだ。形成された洞窟の奥に807年に坂上田村麻呂が創建したと伝えられる『虚空像菩薩』が祀られ、内部には1753年に再建された本堂がある。1943年国指定天然記念物に指定。つり橋が怖くて観に行かず心残りだ。

バスで湯野上温泉駅まで戻る。旅人に人気の茅葺屋根の駅舎。屋根に雑草が伸び花もチラホラ咲いている。駅舎前に、少し前に掘り当てた温泉が『足湯』ならず『手湯』となってある。

 可愛い二両編成の会津鉄道に乗った。車両の前面に湯川秀樹母子の姿が描かれていた。窓外の川の流れと紅葉を堪能。三駅目の会津下郷駅で下車しバスへ。