金・隗よりはじめよ  

金を中心とした金融マーケットの動向を、毎日の市況から、筆者の個人的な相場観をもとに解説していきます。

夜間立会いの動向

2012-06-29 19:28:09 | 日記


本日の東京市場は、日経平均株価が前日比132円67銭高の9,006円78銭と1カ月半ぶりに9,000円
台を回復して終了した。

また、アジア株式市場もほぼ全面高となり、中国株式市場では上海総合指数が前日比1.35%高と
8営業日振りに反発して終了した。

本日の正午前にEU首脳会議に於いて、スペイン支援で銀行への直接資本注入や優先債務権の
放棄などで合意したと報道により、スペインの債務問題に対する不安心理の後退を背景にユーロ
が急伸した。

その後、ユーロ買いは一巡したが、会議前に具体的な対策が出ないのではないかと言ったネガ
ティブな市場の見方があったため、サプライズとして受け止められリスク回避の巻き戻しが先行
した。

欧州時間帯に入ってからも、欧州株式市場で主要株価が大幅上昇している事やスペイン、イタリア
の利回りが低下していることもあって、ユーロは堅調に推移している。

19:45現在、ユーロは対円で100.5円近辺、対ドルで1.2585ドル近辺での推移となっている。

ドル/円は、一連の発表のあとユーロ高に連れて円が売られ、夕刻には一時79.70円台に上昇したが、
ドル買い一巡後はやや値位置を下げ、79.50円近辺での出合いとなっている。

夜間立会いの商品市況も、ユーロに対するドル安を受けて堅調な動きになっている。

金は、日中立会いで4,000円台を回復したあとも、NY金の時間外取引が1,570ドル近辺に上昇して
いる事もあり4,020円台に上昇している。

昨日の夜間立会いでは、4,000円の大台を割り込み3,961円まで下落していただけに、やや落ち着き
を取り戻した。

ガソリンの1月限も夜間立会いに入ってからも堅調に推移しており、前日比380円高の55080円近辺に
上昇している。

NY原油の時間外取引も、2ドル以上上昇しており80ドルを伺う展開。

穀物は、時間外取引が上昇しているものの今晩の四半期在庫や、作付面積の発表を控えてやや控え
めな上昇。

東京市場でも、大豆、コーン共に期先で200円前後の上昇とやや様子見ムードが漂う。

市場予想では、コーン、大豆共に作付け面積は3月から若干の上方修正が予想されている。

また、四半期在庫も多少の上方修正の予想が聞かれるが、四半期在庫は毎回、ややサプライズが多い
のと、現在はこの材料を上回る天候相場が大きな動きとなっているため、多少のサプライズの発表が
あっても相場への影響は短期的なもので済むのではないだろうか。

本日は、このあとの米国市場では5月米個人所得(予想+0.2%・前回+0.2%)、6月シカゴ購買部
協会景気指数(予想52.3・前回52.7)、6月ミシガン大学消費者信頼感指数(事前予想74.1・前回74.1)
などの経済指標発表が予定されている。

また、EU首脳会談が本日も行われる。

とりあえず、本日発表されたEU首脳会談での合意は、東京市場、欧州市場で消化しつつあるが、
このあとの米国市場でどのように織り込まれるのか注目したい。

また、EU首脳会談において追加の対策が出る可能性もあるので注意が必要であろう。

さて、来週から7月度入りとなるが、早速5日にEUBの理事会や週末には米雇用統計の発表を控えて
おり、このままリスク回避巻き戻しが続くのか、また、米国のQE3の実施の可能性を占う上で重要な
指標になる可能性が高いので月明け早々波乱含みな展開になりそうだ。

市況ニュース

2012-06-29 14:21:03 | 日記


本日の東京市場は、日経平均株価は午前中は週末、月末を控えた利食い売りに10円前後下落して終了
したが、正午前に現在開催されているEU首脳会談で銀行監督・国債支援で合意した事が伝わり、
午後は前日比130円高近く大幅に上昇している。

EU首脳会談では、EUの域内総所得の約1%に相当する約1200億ユーロを即効力のある成長対策に投
じることで合意した。

この発表を受け、正午前にユーロが急伸。

事前には、ユーロ共同債を巡る問題について、ドイツのメルケル首相が強固に否定するなど、市場に
は本会合で具体的な対策は出ないであろうと言ったネガティブな意見が多かっただけに、虚を突かれ
たような反応であった。

ユーロは、対円では発表前の99.60円近辺から100.20円近辺に、対ドルでは1.2445ドル近辺から1.2620
ドル近辺に急伸した。

市場では、この後も小出しに対策が発表されるのか、これが全てなのかで、ユーロ買い一巡後はやや
値位置を切り下げているが、市場にとってポジティブなニュースであることには間違いないであろう。

昨日のNY市場では、EU首脳会談に対する失望感やJPモルガン・チェースの損失拡大観測や米
医療保険改革法の合憲判断などが嫌気されNYダウは、大幅下落したあと下落幅を大きく縮小して
終了するなど神経質な動きであった。

ただ、本日EUが欧州債務問題の解決に向けて具体的な対策を出した事で、ややリスク回避の動きは
収まるかもしれない。

ただ、来週に米雇用統計を控えており、米国の経済動向にも注意が必要である。

中国株式市場では、上海総合指数が前日比0.71%高と反発して前場を終えている。

市場予想に反してイタリアとスペインの国債利回り上昇に対応した行動をとることで合意したのを
好感した買いが入っている。

ただ、7/1に中国のPMIの発表が予定されており、前月より悪化が予想される中、判断の基準とな
る50を割り込むようだと
週明けの東京市場を始め、米欧市場にも下げ圧力が掛かる可能性があるので注意が必要だ。

商品市況は、昨日の米欧市場でのユーロに対するドル高を嫌気した売りに全体的に大幅下落になって
いた。

NY金は、前日比28.1ドル安の1552.5ドルと大幅反落。

一時6/1以来1,550ドルを割り込むなど弱い動きであった。

東京市場も11日の安値3,992円を割り込むなど大幅下落となり、一時3,961円まで下落した。

本日の日中立会いも3,960~70円近辺で動いていたが、ユーロ急反発を受けた時間外取引の上昇に
4,000円を回復している。

ガソリンの1月限も、54,000円を挟んだ大幅安になっていたが、ユーロの反発を受け前日終値水準まで
戻して来ている。

穀物は、昨日のシカゴ市場では、本日発表予定の四半期在庫や作付面積の発表を控え、全体的に利食
いに押されて終了した。

東京市場では、昨日の夜間立会い終了に向けて大幅下落したあとの反発で寄り付いたあとは、ユーロ
動向にそれほど影響されずに前日終値近辺で小高く推移している。

このあと欧州市場での予定としては15:00に独5月小売売り上げ高、18:00にEU圏6月消費者物価指数
などの発表が予定されている。

夜間立会いの動向

2012-06-28 17:32:14 | 日記


本日の東京市場は、昨日の良好な米国の経済指標の発表を受けて、日経平均株価が前日比143円62銭
高の8,874円11銭と後場に上昇幅を拡大して終了した。

中国株式市場では上海総合指数が約1%下げるなど7営業日続落となった。

欧州情勢の不透明感や中国経済の鈍化懸念を背景に終盤売り込まれた。

終値は、前日比0.95%安となった。

欧州市場序盤は、主要経済指標が軒並み下落して始まった。

ユーロは、東京市場時間帯では堅調な動きであったが、本日から始まるEU首脳会談の結果を見極めた
いとの思惑から午後はやや横ばいになった。

ただ、欧州時間帯に入って、スペインの10年債利回りが再び7%を越えたことや、独6月失業率が6.8%と
前回の6.7%より悪化した事を受けて急落した。

17:40現在、ユーロは対円で98.46円、対ドルで1.2420ドルと大幅安で推移している。

ドル/円も、午前中の月末を控えた輸出企業のドル売りが一巡した後、午後は79.40円近辺でのもち合い
となったが、夜間立会い開始後はユーロの急落を受けて79.20円台の円高水準に沈んでいる。

相変らず、ユーロ共同債の導入についてメルケル首相が強固に反対を唱えるなど、首脳会談では具体的
な解決策が出ないのではないかと言った失望感からユーロは弱材料には敏感に反応している。

個人的には、メルケル首相のサプライズを狙った演出で、共同債の実施については無理にしても何かしら
の対策が出る可能性があると考えているのだが・・・。

夜間立会いに入って、ユーロの急落を受け商品市況も軒並み下落している。

金は、昨日の安値4,009円を割り込み4,006円まで下落するなど4,000円割れを伺う展開。

ここのところ、連日安値をじりじりと切り下げており基調の弱さを印象付ける。

ただ、全体としてトレンドが明確になっていないこともあって、安値は更新してもそのままズルズルと
した下落ともならず中途半端に切り返すなど仕掛けにくい地合である。

ガソリンは、原油の時間外取引が27日のNYの本取引から続伸していた事もあって、為替の円高に頭は
抑えられたものの続伸して終了した。

ただ、夜間立会いに入ってユーロの急落に時間外取引も下落し80ドル台を再び割り込んできたため、400
円以上の下落となっている。

ゴムは原油の上昇や、値ごろ感もあってCBを伴い上昇し、240円台を回復して終了していたが、夜間立
会いでは他商品の大幅安もあって大幅安になっており、日中立会いの上昇分を打ち消しほぼ往って来い
の展開。

18:00に発表されたユーロ圏消費者信頼感指数は、-19.8と前回(-19.6)よりも悪化したが、相場への
影響は限定的であった。

本日の米国市場では、第一四半期GDP(予想+1.9%・前回+1.9%)、新規失業保険申請件数
(予想38.5万件・前回38.7万件)などの経済指標発表が予定されている。

夜間立会い序盤は、ユーロの急落に再びリスク回避の動きに見舞われているが、昨日に引き続き米国の
経済指標の内容が好転し巻き戻しの動きになるのか注目したい。

市況ニュース

2012-06-28 12:29:08 | 日記


本日の東京市場は、米欧の株高を好感して日経平均株価は前日比79円72銭高の8,810円21銭と続伸
して前場を終了、後場はやや上昇幅を拡大してスタートした。

中国株式市場では、中国が新たな景気刺激策を打ち出すとの観測も出ていたが、上海総合指数は
前日比0.15%高で寄り付いた後、マイナスサイドに転じるなど頭は重い。

昨日のNY市場では、5月米中古住宅販売成約指数が、+5.9%(予想+1.5%)と市場予想を大きく
上回った。

また、5月の耐久財受注も前月比1.1%増と、市場予想の0.4%増を上回るなど良好な内容となった。

両経済指標の良好な内容を受けて、NYダウは前日比92.34ドル高の1万2627.01ドルと続伸した。

また、ドルも買われ一時79.86円近辺まで上昇するなど堅調な動きとなった。

ただ、ドル/円は本日の東京市場では月末を控えた輸出企業のドル売りに押され、79.30円台まで
じりじりと値位置を沈めている。

ユーロは、円に対してはドル/円に連動した動きとなっており午前中は円高・ユーロ安気味に推移。

ドルに対しては、午前中は本日から予定されている、EU首脳会談への様子見ムードから横ばい推移
となったが、午後に入ってユーロが買われて来ている。

この動きに連れて、ユーロ/円も反発しており99.35円近辺での出合いとなっている。

商品市況では、NY原油が北海ブレンドがノルウエーの石油関連施設でのストによる供給不安や、NY
ダウの上昇を受けて続伸、終値は前日比0.85ドル高の80.21ドルで終了した。

この動きを受けて東京ガソリンの1月限は、寄付き後に55,220円まで上昇したが円高に頭を抑えられ
て54,900円近辺まで上昇幅を削っている。

NY金は、来週5日に開催されるECB理事会で利下げ観測が出ている事などを受け反発した。

終値は、前日比3.5ドル高の1578.4ドルで終了した。

東京市場では、昨日の夜間立会いで4,063円まで上昇したが、本日の東京市場では為替相場の円高
推移もあって4,030円近辺まで値位置を切り下げている。

穀物は、28日の降雨予報もあり、シカゴ市場は大豆、コーン共に小幅高となった。ただ、天候相場期
なので必ずしも当てにはならないがコーンの上ヒゲの長い日足チャートは気になるところ。

ただし、現在取引中の時間外取引は13:30現在大豆が6.50高、コーンが1.25高と堅調に推移している。

本日の欧州市場の予定は、本日から始まるEU首脳会談の他、16:55に独6月失業率、17:30に英第一
四半期GDP、18:00にEU圏6月消費者信頼感指数の発表などが予定されている。