本日の東京市場は、日経平均株価が前日比132円67銭高の9,006円78銭と1カ月半ぶりに9,000円
台を回復して終了した。
また、アジア株式市場もほぼ全面高となり、中国株式市場では上海総合指数が前日比1.35%高と
8営業日振りに反発して終了した。
本日の正午前にEU首脳会議に於いて、スペイン支援で銀行への直接資本注入や優先債務権の
放棄などで合意したと報道により、スペインの債務問題に対する不安心理の後退を背景にユーロ
が急伸した。
その後、ユーロ買いは一巡したが、会議前に具体的な対策が出ないのではないかと言ったネガ
ティブな市場の見方があったため、サプライズとして受け止められリスク回避の巻き戻しが先行
した。
欧州時間帯に入ってからも、欧州株式市場で主要株価が大幅上昇している事やスペイン、イタリア
の利回りが低下していることもあって、ユーロは堅調に推移している。
19:45現在、ユーロは対円で100.5円近辺、対ドルで1.2585ドル近辺での推移となっている。
ドル/円は、一連の発表のあとユーロ高に連れて円が売られ、夕刻には一時79.70円台に上昇したが、
ドル買い一巡後はやや値位置を下げ、79.50円近辺での出合いとなっている。
夜間立会いの商品市況も、ユーロに対するドル安を受けて堅調な動きになっている。
金は、日中立会いで4,000円台を回復したあとも、NY金の時間外取引が1,570ドル近辺に上昇して
いる事もあり4,020円台に上昇している。
昨日の夜間立会いでは、4,000円の大台を割り込み3,961円まで下落していただけに、やや落ち着き
を取り戻した。
ガソリンの1月限も夜間立会いに入ってからも堅調に推移しており、前日比380円高の55080円近辺に
上昇している。
NY原油の時間外取引も、2ドル以上上昇しており80ドルを伺う展開。
穀物は、時間外取引が上昇しているものの今晩の四半期在庫や、作付面積の発表を控えてやや控え
めな上昇。
東京市場でも、大豆、コーン共に期先で200円前後の上昇とやや様子見ムードが漂う。
市場予想では、コーン、大豆共に作付け面積は3月から若干の上方修正が予想されている。
また、四半期在庫も多少の上方修正の予想が聞かれるが、四半期在庫は毎回、ややサプライズが多い
のと、現在はこの材料を上回る天候相場が大きな動きとなっているため、多少のサプライズの発表が
あっても相場への影響は短期的なもので済むのではないだろうか。
本日は、このあとの米国市場では5月米個人所得(予想+0.2%・前回+0.2%)、6月シカゴ購買部
協会景気指数(予想52.3・前回52.7)、6月ミシガン大学消費者信頼感指数(事前予想74.1・前回74.1)
などの経済指標発表が予定されている。
また、EU首脳会談が本日も行われる。
とりあえず、本日発表されたEU首脳会談での合意は、東京市場、欧州市場で消化しつつあるが、
このあとの米国市場でどのように織り込まれるのか注目したい。
また、EU首脳会談において追加の対策が出る可能性もあるので注意が必要であろう。
さて、来週から7月度入りとなるが、早速5日にEUBの理事会や週末には米雇用統計の発表を控えて
おり、このままリスク回避巻き戻しが続くのか、また、米国のQE3の実施の可能性を占う上で重要な
指標になる可能性が高いので月明け早々波乱含みな展開になりそうだ。